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» 2018年06月13日 10時00分 公開

脱オフコンが見えてきた! 10カ月で2国2社統合、旭化成はどう乗り切ったか(3/3 ページ)

[唐沢正和,ヒューマン・データ・ラボラトリ]
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ERP導入で見えてきた「実態の可視化」、関連会社の「脱オフコン」

 なお、Microsoft Dynamics NAV導入プロジェクトの第二期では、イタリア拠点と日本をつないだグローバルDBの見える化基盤の構築に着手する計画もある。

グローバルDB基盤構想

 この基盤が実現すれば、イタリア拠点のデータを日本のDBに収集し、日本語版のダッシュボードから現地の経営管理を行ったり、BIツールを活用し、生産・販売・在庫の情報を基に現地の在庫分析を行ったりといった、一気通貫型で現地の情報を日本の本社から適宜確認し、適切な指示をリアルタイムに伝える手段を持つことになる。

関連会社に残るオフコン生産管理システムなどの置き換えも

 この他、深沢氏らが現在進めているIT計画では、製造販売会社に対するMicrosoft Dynamics NAVの適用についても検討を行っている。オフコンの生産管理システムなどが残る拠点において、システムを刷新、ERPで一元化が可能かを検証しているという。

 「2018年1月に、PBCの支援のもと、国内製造販売会社へのMicrosoft Dynamics NAV適用のワークショップを実施した。製造販売の業務フローが複雑なため、今までは適用実績がなかった。今回あらためてワークショップ形式で検討を行った結果、生産管理から販売管理、在庫管理、購買管理、会計に至るまで、Microsoft Dynamics NAVの全てのモジュールをリアルタイムで連携し、適用できることが確認できた」という。この結果を受けて、5月からタイの製造販売会社にMicrosoft Dynamics NAVの導入プロジェクトをスタートする計画だ。

CRMへの横展開も視野に

 この他、2018年3月からは、繊維事業本部へのMicrosoft Dynamics CRMの導入に向けた検証、展開も推進していると深沢氏。「先端ITによるビジネススタイル変革の導入」「グローバルマーケティング活動のIT強化」「チャットのビジネス利用」などを課題に挙げ、マーケティング的観点と営業的観点を踏まえながら、導入効果や業務改善効果を検証し、2018年10月までの実装を目指して準備を進めているという。

 最後に、深沢氏は、同社繊維事業における販売物流システムの再編成に関する取り組みについて、「2018年下期をめどに、旭化成 繊維事業本部と旭化成アドバンスの旧旭化成商事、旭化成インターテキスタイルズの3つのシステムを統合する」とし、その経緯やシステム再編のロードマップなどを説明した。

 さらに、今後の新たな展開として、最新IT導入プロジェクトを進めていく計画を明かし、「最新ITの業務活用案の提案および業務への落とし込みを目的として、新たなプロジェクトチームを立ち上げる。このプロジェクトメンバーには、営業や販売部門のスタッフも募集し、IT部門を超えた取り組みを行う。主な活動としては、プログラミング技術の習得や最新ITの調査、外部提携先の検討などを予定しており、アイデア出しからモデル作成、実証、導入までのサイクルを繰り返しながら、最新ITの業務活用を実現していく」との考えを示した。

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