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企業におけるデータ利活用の実態(2017年)/前編IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)

» 2017年12月14日 10時00分 公開
[キーマンズネット]
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データ利活用を阻むものとは?

 企業におけるデータ利活用を阻む課題とは何か。さらに詳しく探るためにシステム面と人材面に分け、それぞれ具体的に尋ねた。

 まず、システム面での課題では「データ容量に課題がある」36.5%と2016年の同様の調査での回答(32.5%)と比較して増加傾向が見られた。一方で2016年には49.4%と半数近くの回答者が挙げていた「システムやツールが高価である」は36.2%に減少、「アクセス権限の整備に課題がある」も40.3%から29.4%に減少している。この他、「セルフサービス化できていない」も34.4%から16.7%に減少している。

 この他、2017年の調査で新たに追加した項目で目立ったものとして「情報基盤が整備できていない(情報の統合ができていない)」を選択した回答者が29.0%、個人情報保護の仕組みが不十分であるとした回答者は26.3%に達したことが挙げられる。

 続いて人材的な課題では「分析ソフトウェアを利用するためのスキルが不足している」47.1%、「自社内にツールを使いこなせる技術者がいない」40.6%、「情報システム担当者に統計分析の基礎知識が不足している」36.9%、「エンドユーザーに統計分析の基礎知識が不足している」36.5%、「適切にビジュアル化するノウハウがない」26.3%、「データよりも『カン・経験・努力』を重視する風土が強い」23.5%となった(図3)。

 そのほとんどが「スキルや知識の不足」を懸念する声であったが、「プライバシー保護に関する知識不足」や「間違った分析ロジックが流通している」など、全体的にみて100人以下の中小企業でそれらを課題と挙げる割合が高い傾向にあった。これを2016年の同様の調査と比較すると、人的課題を挙げた項目全てが減少傾向にある。まだ、分析スキル不足やツールの使いこなしに課題を感じる回答者は多いながら、徐々に改善傾向にあることが見て取れる。

データ活用に当たっての人的な課題(2017年と2016年の比較) 図3 データ活用に当たっての人的な課題(2017年と2016年の比較)
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