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» 2017年06月13日 10時00分 公開

コカ・コーラもやっている、モノが売れない時代に売り上げをアップする方法(3/3 ページ)

[溝田萌里,キーマンズネット]
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スーパーで購買率アップ、地方銀行でも活用例

 コカ・コーラ以外では、どのような企業の活用例があるのだろうか。内山氏は、スーパーマーケットと地方銀行におけるビーコン技術の活用事例を紹介した。

 スーパーマーケットでは、2つの事例がある。1つは、「にしてつストア」という福岡のスーパーマーケットと協業して行ったものだ。半径1キロ以内に設置した数百のビーコン発信機を使って、行動DNAを分析し、にしてつストアに行く確率が高いと思われる顧客に対してクーポン配信を行った。その結果、配信した顧客うち25.6%がクーポンを使用したという(図6)。「アプリのダウンロード特典として配信したクーポンは3.4%しか使われなかった。売り上げアップにつながる感触があった」(内山氏)

図6 にしてつストアにおけるクーポン利用率アップの例 図6 にしてつストアにおけるクーポン利用率アップの例

 東急線大岡山駅前にあるスーパーマーケットでは、ビーコン発信機を使ってクーポン、来店スタンプ、ちらしの配信を行い、ロイヤリティーの向上を図った。その結果、アプリ登録者の月間購入額が約16%アップし、来店回数も平均で月に約1回ほど増えた。大岡山駅で降りるユーザーが、大岡山駅に向かう電車に乗るタイミングを狙い、駅構内に設置されたビーコン発信機を使って、情報発信をしたことが効果を現したと内山氏は話す。

 「スーパーマーケットで何を買うかを決めるのは、大抵電車に乗る前。目的の駅に着いたら、何を買うのかもう決めている。ユーザーが、目黒駅や新宿駅において大岡山駅へ向かう電車に乗る前のタイミングを狙い情報発信をしたことで効果を得られた」(内山氏)

 また、西日本シティ銀行と実証実験を行った事例もある。内山氏によれば、約3000個のビーコン発信機を使って福岡県内の4店舗に訪れる顧客を対象に行動DNAを分析し、カードローンなどのニーズを発掘するといった営業施策を行った。各店舗に来る顧客の行動範囲(図7)や、来店する前に立ち寄った場所(図8)などを洗い出すことで、レストランや映画館といった他店舗と連携して相互送客を行う構想も生まれている。

図7 西日本シティ銀行における各店舗の顧客分布図 図7 西日本シティ銀行における各店舗の顧客分布図
図8 西日本シティ銀行の各店舗に訪れた顧客の行動分析データ 図8 西日本シティ銀行の各店舗に訪れた顧客の行動分析データ

 「業態によってもビーコンの活用法、顧客とのコミュニケーションの方法は微妙に異なる。例えば飲食店やスーパーマーケットであれば、来店者の8割は何かを買って帰るから、来店するごとにポイントを付与して回数を稼ぐ施策が効果的だ。これとは違い、来店するだけで買わない人の多いアパレルではクーポンや情報配信に重点を置く必要がある」(内山氏)

 「ビーコンの技術によって行動DNAを分析し、ポイントの配布やクーポンなどを地道に行いながら誰にどの情報を配信すれば効果的なのかPDCAを回していくことが大切だ」と内山氏は話す。

 同社は、カード会社や、広告会社、商業施設などさまざまな業種の企業と連携をして、BLEビーコンを活用したサービスの裾野を広げていく予定だ。2020年には200万個のビーコン発信機の登録を目指し、各社に協業を呼び掛けている(図9)。

図7 2020年に200万個のビーコン発信機登録を目指す 図7 2020年に200万個のビーコン発信機登録を目指す
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