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コカ・コーラもやっている、モノが売れない時代に売り上げをアップする方法(2/3 ページ)

» 2017年06月13日 10時00分 公開
[溝田萌里キーマンズネット]

20万個のビーコンネットワークで「行動DNA」をつくる

 しかし、ビーコンの仕組みを活用するために必要なインフラの整備が整っていない日本において、ビーコン信号を利用した営業施策に失敗する企業も多いと内山氏は話す。

 「少ない数のビーコン発信機とアプリが反応してもビジネスインパクトがない。何よりも規模が大事だ」(内山氏)。使えるビーコン発信機の数を増やし、発信できる情報や得られるデータの規模を大きくしなければ意味がないと内山氏は説明する。そこで、同社は20万個のビーコンネットワークを基盤として、人の行動データを分析し、個人に合った情報を届けることで企業のマーケティング支援を行っている。

 同社は、さまざまな企業が持つビーコン発信機をシェアするプラットフォームである「Beacon Bank」を運営し、そこから得たデータを分析して提供している。Unerryはこのデータを「行動DNA」と呼ぶが、どのように人の行動を分析して行動DNAを生成しているのか例を示した。

 図3の赤い点は博多に設置されたビーコン発信機の分布図だ。白く丸が重なる場所には、ビーコン発信機が密集している。図4における緑の線は、1人のユーザーのアプリに反応した発信機をつないだ結果であり、そのユーザーの動きを示している。こうしたデータを使えば、その人がどの店にどのくらいの頻度で現れるのかが分かる。

図3 博多におけるビーコン発信機の分布図 図3 博多におけるビーコン発信機の分布図
図4 1人のユーザーの動きを示す線 図4 1人のユーザーの動きを示す線

 このデータを基に、ユーザーが訪れた約200の場所をピックアップし、折れ線グラフによって、足を運ぶ頻度の高い場所を可視化したのが以下の図だ(図5)。「あるユーザーは、コンビニエンスストアには頻繁に行くけれど、スーパーマーケットにはあまり行かない。こうしたデータを重ねていけば、男性か女性か、ビジネスパーソンかといった推測もできる」(内山氏)。このビッグデータに基づいて、個人に適切な情報発信をし、企業の売り上げを向上させるのが同社の狙いだ。

図5 BLEビーコンを使って得た情報を基に生成したユーザーの行動DNA 図5 BLEビーコンを使って得た情報を基に生成したユーザーの行動DNA

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