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» 2017年04月03日 10時00分 公開

IT導入完全ガイド:目的別に選びたい、ビジネスプロジェクター最新事情 (4/5)

[二瓶 朗,グラムワークス]

ビジネスプロジェクターの光学エンジン

 ビジネスプロジェクターに欠かせないのは、もちろん投映するための光学エンジンだ。現時点では大別して「3LCD方式」と「DLP方式」という2種類の光学エンジンが採用されている。

 3LCD方式は、光源の光を3色分解し、それぞれの色の液晶パネルを透過させたあと合成して投映する仕組みだ。特長は、光源の光の減衰が少なく、色表現が自然であるところ。白い画面(全白)とカラー画面で同じ明るさ(ルーメン)を保てる。液晶パネルを3枚使うことでややコスト高になる面もあるが、現時点でのビジネスプロジェクターで最も多く採用されている光学エンジンだ。

3LCD方式 図10 3LCD方式(出典:エプソン販売)

 DLP方式は、専用のミラーを内蔵したDLPチップに3色の光を投射して映像を投映する方式だ。シャープな映像を投映できるとともに、製品に占めるコストもそれほど大きくないのが特長だ。もともとテキサス・インスツルメンツの持つ技術だが、ビジネスプロジェクターメーカーは、そこに各社独自の機能を追加するケースが多い。以下に示すDLP方式は、光源に半導体光源を採用するカシオ独自の光学エンジンである。

DLP方式 図11 DLP方式(出典:カシオ計算機)

 光学エンジンについては、メーカーごとに採用する方式が異なることが一般的である。つまり、光学エンジンを選定することはメーカーを選定することと等しい(もちろん逆も成立する)。製品選定においてはショールームや店頭などで投映の具合を確認する必要があるだろう。

ビジネスプロジェクターの光源の進化

 ビジネスプロジェクターの光源といえば、長らく「水銀ランプ」が多用されてきた。多種多様な光源の中でも、特に高い輝度が得られるランプとして大きなメリットがあり、現在も採用機器は多い。

 その一方で、投映可能な十分な輝度になるまでの時間がかかることや、いったん消灯すると冷却する時間が必要となるため、再投映や収納がすぐに実行できないといったデメリットもある。

 また、水銀ランプは投映時に発熱するために冷却ユニットが必須であり、ファンの音がプロジェクター使用時のノイズとなることが懸念される他、冷却ユニットのホコリ除去といったメンテナンスの手間も考える必要がある。

 さらに、水銀ランプは使用時間に応じて輝度が低下し、およそ5000時間で寿命を迎える。その交換の手間やコストに加え、万が一破損した場合の水銀リスクもある(もちろん各メーカーとも水銀ランプが破損しても被害が広がらないような対策を施している)。

 そこで台頭してきたのが「半導体光源」である。レーザー光源やLED光源、あるいは両者を組み合わせたハイブリッド光源を採用するメーカーが増えている。その寿命は、2万時間程度まで伸びた。一般的にビジネスプロジェクターの買い替えサイクルは約5年といわれているが、毎日8時間使ったとしても計算上では寿命は尽きないということにある。

 また、半導体光源には、スイッチオンから数秒で最大の明るさが得られるという大きなメリットがある。発熱も少ないため、消費電力も抑えられ、消灯時のクールダウンも不要だ。半導体光源は新しい技術だが、技術革新も進んでおり、最新のモデルでは3年前のモデルと比べて約20%の省電力化を実現したものもある。

 この他にも、水銀ランプに比べて光源自体のサイズが小さいため本体サイズをコンパクトにできる、発熱量が大きくないため冷却ユニットの機構を簡素化できる、利用時の騒音やメンテナンスへの配慮を少なくできるといった特長がある。

 ただし、コスト面では半導体光源よりも水銀ランプの方に一日の長があるのも事実だ。それは、製品の価格にも影響を及ぼす要因でもある。

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