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Windows10 Mobile選択の勘所、機能やサイズまで国内製品のスペック総まとめIT導入完全ガイド(3/3 ページ)

» 2016年08月24日 10時00分 公開
[宮田健ITmedia]
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コスト削減の一手となるか?

 情報システム部にとって最大の注目ポイントは、Windows10 Mobile導入によりTCO削減につながるのかという点だろう。前述のContinuumを使ってPCをなくす、というのは時期尚早だろうが、Windows10と同様の使い勝手であることや、スペック表にもあるように端末価格は意外と安価に設定されている点など、コスト削減に寄与するポイントは多い。

 そもそも振り返ってみると、これまでビジネスで利用する携帯電話は「回線」と「端末」を同時に提供されてきており、その端末だけを入れ替えることはそもそも想定されていない点を考慮しなくてはならない。そのため、いくら端末が安価だったとしても、回線を別途契約するとディスカウントが受けられず、結果的に高く付いてしまう可能性もある上に、サポート窓口もバラバラになっていた。

 その点に関しては、Windows10 Mobileを販売するベンダーは、FREETELのように自社が展開するMVNO事業とのセットで販売していたり、VAIOのように法人向けに特化し、携帯事業者であるNTTドコモの法人営業と協業していたりする事例もある。特にVAIOの場合、NTTドコモによる相互接続試験をクリアし、同社のキャリアアグリゲーションにも対応するなどの性能を売りの1つとしている。これらのポイントこそ、情報システム部が気になる部分だろう。

図4 VAIO Phone Biz VPB0511S 図4 VAIO Phone Biz VPB0511S NTTドコモの法人営業と協業しているため、企業導入例も多い(出典:VAIO)

Windows10 Mobileの導入ステップは?

 スマートフォンを導入したことのある企業であれば、Windows10 Mobileの導入は、これまでとさほど変わらない。最初にマイクロソフトアカウントなどを導入し、クラウド上に連絡先、メール、カレンダーなどの情報が存在していれば、単にログインするだけでそれらの情報がWindows10 Mobile端末からも閲覧、編集が可能だ。これまでWindows10などでマイクロソフトアカウントを利用しているのであれば、利用は簡単だ。

 基本的にはマイクロソフトのクラウドサービス、Office365を利用しているとそのままモバイルでも利用できる。それ以外にも、Outlook.com、Exchange、Google、iCloudのアカウントが利用可能で、メールに関してはPOPやIMAPで読み込むことも可能だ。

 Windows10 Mobileでは、企業独自のプライベートストアを構築することもできる。「現状ではまだアプリが少ない」という声も実際挙がってはいるが、メール、Webブラウザ、カレンダー、Skypeなどのグループウェアに、マップ、乗換案内といった、ビジネスマンに必須なスマートフォンアプリは一通りそろっている。Windows10 Mobileを導入した企業では「ゲームアプリなどの業務に関係のないアプリが入っていないのは、むしろメリットだ」という声もあるほどだ。

 ビジネスに特化したスマートフォンとして、Windows10 Mobileに自由すぎず、縛られすぎない“ちょうど良さ”を感じる情報システム部も多くなるだろう。まずはこの「第3の選択肢」に触れてみて、そこから判断してみても遅くはないはずだ。次回のスマートフォン置き換えのタイミングで適切な判断ができるよう、まずは実機を触ってみて体感してみることをお勧めする。

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