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ついに本格普及か? 「Windows 8タブレット」活用のカギIT導入完全ガイド(4/4 ページ)

» 2014年09月22日 10時00分 公開
[二瓶 朗グラムワークス]
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導入目的を確認する

 まずはWindows 8タブレットを利用するユーザーの使用目的、使用環境を確認してから導入を検討したい。Windows 8タブレットは、基本的にはWindows PCであるから、周辺機器の追加でノートPCやデスクトップPCと同等に使える。ワークスタイルの変革に合わせて、外出先でのタブレット使用とオフィスでのデスクトップ使用が併用できるのがWindows 8タブレットの大きな魅力だ。

 しかし、いくらワークスタイルが変革したとはいえ、モバイル用途を全く必要としない社員もいるはずで、そのようなユーザーにとっては使用するPCがタブレット形状である意味は全くない。

 数年前、タブレット製品(非Windows製品)が登場しはじめたとき、「目新しいから」「スマートだから」といった理由で、使用目的も明確にされないままトップダウンで業務用デバイスとして導入されたケースも少なくない。

 このケースでは、結局業務との融和が上手くいかずにWindows PCとの併用が続き、導入や運用コストが増えただけという事態に陥りがちだった。そのような失敗の轍を踏むことなく、実際にエンドユーザーである社員がWindows 8タブレットを活用できるかどうかを確認する必要があるだろう。

OSの違いを確認する

 OSにWindows 8を搭載したWindows 8タブレット以外にも、Android OS、iOSを搭載したタブレット端末が存在する。繰り返しになるがWindows 8タブレットは操作感の違いこそあれ、Windows 8 PCと同一製品だ。

 一方のAndroid搭載タブレットやiPadは、OSも含めて「ピュアタブレット」として利用することを前提に設計されている。アプリも、タブレットで使用することを前提に開発されたものが多い。そういった意味で、OSが違うことでタブレットとしての使い勝手は大きく違うこととなる。

 また後述するが、業務的な運用ではOSにWindows 8を選択した方が利点は多い。逆に業務的なしがらみがなく、既にAndroid OSやiOSの管理ノウハウもある状態であれば、必ずしもWindows 8タブレットを選択しなくていいこともあるはずだ。使用目的と合わせて考えながら、OSを選択していくと良いだろう。

費用対効果を確認する

 当たり前のようだが、Windows 8タブレットを導入することでどれだけの効果があるかをしっかり検討することが重要だ。例えば現在、デスクトップPCとAndroid OS、iOSタブレットやモバイルノートPCを併用しているような場合なら、Windows 8タブレットに乗り換えることによって、社内外で一元化して利用できる汎用(はんよう)的なPCを手に入れることとなり、運用コストを改善できるだろう。

 なお、Windows 8タブレットの価格は、基本的に本体部分のみの価格であることがほとんどだ。キーボードや携帯用のカバー、ドックのような周辺機器はオプションであることが多い。導入を検討する場合は、日常的に使う周辺機器についても考慮に入れる必要がある。

端末のスペックを確認する

 Windows 8タブレットでは、CPUや内蔵メモリ、内蔵ストレージの容量などはPC同様の比較ができる。搭載するパーツのスペックが高ければ、タブレットとして高性能であることとなる。

 ただ、忘れてはならないのがバッテリー駆動時間だ。デスクトップPCはおくとしても、ノートPCはたとえ出先でもACアダプターを接続しながら使うケースは少なくない。しかしWindows 8タブレットの場合は、電力供給なしの状態でバッテリー駆動させることがほとんどとなる。バッテリー駆動時間は各製品ともカタログ値として掲載されているので特に重要視したい。

 前述したように、Windows 8タブレットのサイズによって、ベンダーの想定している利用シーンも異なる。導入検討時はベンダー側の意図も考えながら選定した方が良いだろう。

運用や管理の容易さを確認する

 Windows 8タブレットは、Active Directoryに対応していることもあり、通常のWindows PCと同一の管理や運用ができる。新規に導入しても、従来の社内管理手段でまかなえるケースがほとんどだろう。

 ただし、油断は禁物だ。本体の紛失やそれに伴う情報流出などの危険性があるため、モバイルデバイスとしての危機管理が必須条件となる。既にWindowsモバイルノートPCの管理、運用ノウハウがあるのであれば構わないが、そうではないケースではあらためて管理ツールの確認が必要となるだろう。なお、Windows 8タブレットのローカルのセキュリティ対策は、Windows PC全般で利用されている一般的なセキュリティ対策ソフトでまかなえる。

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