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ついに本格普及か? 「Windows 8タブレット」活用のカギIT導入完全ガイド(3/4 ページ)

» 2014年09月22日 10時00分 公開
[二瓶 朗グラムワークス]

 ここからは、最新のWindows 8タブレットの中で注目の製品を紹介していこう。

Windows 8タブレットの本丸、マイクロソフト「Surface Pro 3」

Surface Pro 3 図1 Surface Pro 3

 「Surface Pro 3」は、Windows 8を開発したマイクロソフトによる製品だ。マグネシウム合金を採用した筐体は薄く、堅牢さも兼ね備える。前モデル「Surface Pro 2」よりも約4ミリ薄く(13.5ミリ→9.1ミリ、33%薄型化)、約100グラム軽く(907グラム→800グラム、12%軽量化)なった。画面サイズは12インチで、タテヨコ比が3:2になった。これはWordでA4文書をほぼ実寸で表示できる解像度であり、付属の「Surface Pen」による手書き操作が容易な設計だ。

 業務に欠かせないキーボードにはオプションの「Surface Pro タイプカバー」を利用できる。このタイプカバーは、極薄ながらバックライト内蔵のメカニカルキーボードだ。

無段階キックスタンド 図2 無段階キックスタンド

 内部のマグネットでSurface Pro 3本体にピッタリと固定でき、またそのときカバーの折り目に沿ってキー部分を机上から浮かせられるので、ノートPCのキーボードと同等の使い心地で文字入力が可能だ。また、本体の一体型キックスタンドは無段階調整が可能で、150度の角度変更により、使用しやすく見やすい角度で固定して利用できる。

 専用「ドッキングステーション」を接続することで、マルチディスプレイ環境や外付けマウス、キーボード、有線LANなどを一括接続してデスクトップPCと同等に使用することが可能だ。

手書き操作専用ドック 図3 手書き操作、図4 専用ドック

国内設計Windows 8タブレット、レノボ「ThinkPad 10」

ThinkPad 10 図5 ThinkPad 10

 「ThinkPad 10」は、世界のPCシェアトップであるレノボによるWindows 8タブレットだ。その設計は日本国内で、IBM時代からノートPC「ThinkPad」を設計してきた「大和研究所」が手掛けている。完成度は高く、外出先でもオフィスでも使える1台に仕上がった。

 10.1インチのディスプレイは10点マルチタッチに対応し、表面素材に高強度の「Corning Gorilla Glass」を採用。背面のアルミ合金とともに衝撃やキズに強い筐体だ。付属のタッチペンは電池非搭載で、多くのタッチペンのように特殊サイズの電池などは必要としない。ワコムなど市販の製品も使えるため、自分の使いやすいペンを選択でき、ユーザーの操作性の向上につながっている。

 タブレット製品を充電するのにマイクロUSBが採用されることが多い中、ThinkPad 10は専用ACアダプターを採用した。これはマイクロUSBでは高速な充電ができず、バッテリー不足を解消して次に持ち出して利用するまでの時間を短縮するための仕様だ。同製品のコダワリの1つだ。

 また、専用のオプション製品が充実するのも大きな特徴だ。例えば、キーボードは有線製品と無線製品が用意され、ユーザーの好みに合わせた選択ができる。他にも専用ドックを接続することで、キーボードや拡張ディスプレイ、有線LANなどを接続でき、10インチサイズながらデスクトップPCと同等に使いこなせる。また有線LAN接続することで「PXEブート」が可能となり、一般的なPCと同等にOSやアプリの集中管理ができる。

衝撃実験 図6 衝撃実験
ThinkPadウルトラブックキーボード専用ドック 図7 ThinkPadウルトラブックキーボード、図8 専用ドック

片手でメール・文書閲覧ができる、富士通「ARROWS Tab Q335/K」

ARROWS Tab Q335/K 図9 ARROWS Tab Q335/K

 「ARROWS Tab Q335/K」は、法人向けに特化した8インチタブレットだ。本体重量は約400グラムと軽量化を図り、片手で長時間持って操作しても疲れにくい設計だ。紙文書やマニュアルを電子化して持ち歩き、閲覧するのに適したWindows 8タブレットといえる。

 富士通が提供するモバイルプラットフォーム「MobileSUITE」を利用することで、端末の一元管理が可能になる他、エンドユーザーが「モバイルポータル」を利用することで業務に適したサービスやアプリ、コンテンツに素早く簡単にアクセスできる。

 同社製品の特徴に「カスタマイズ」が挙げられるが、ARROWS Tab Q335/Kも、まとまったオーダーによっては起動画面を変更したり社名ロゴを入れたりして独自仕様に近い端末にすることもできる。

 なお同社のWindows 8タブレット製品には、冷却ファンや排気スリットがありながら防水、防塵性能を搭載するモデルや、手のひら静脈認証機能を搭載したモデルもあるので、用途に応じて選択してほしい。

 さらに同社ではタブレット端末をつかってAR(拡張現実)を業務に活用した「ARコード」の提供を進めている。タブレットのカメラをARマーカーにかざすことによって、仕事の現場でさまざまな情報を得られるというもので、タブレットをさらに活用する技術だ。

モバイルポータル画面 図10 モバイルポータル画面
耐水実験イメージ手のひら認証モデル 図11 耐水実験イメージ、図12 手のひら認証モデル

コラム:えっ、無償なの?「Windows 8.1 with Bing」って何?

 Windows 8は有償のOSだ。Windows 8タブレットの製品価格にはWindows 8のライセンス料が含まれる。

 タブレットOSの中で、Android OSは無償で配布される。そのためAndroidタブレットはOSのライセンス料の分、Windows 8よりも安価だ。これを打開するためにマイクロソフトがベンダーに限定して提供を開始したWindows 8.1の新たなエディションが「Windows 8.1 with Bing」で、ライセンス料は無償とされる。

 ベンダー限定で提供されるので、一般ユーザーは単体での入手は不可能だ。また搭載製品では、初期インストールされているInternet Explorer 11のデフォルト検索エンジンが「Bing」になっている。それ以外に制限のようなものはない。

 ただ、そのベースはWindows 8.1 Updateであり、ドメイン参加機能などがあるビジネス向けの「Windows 8.1 Pro Update」ではないことに注意したい。しかし、無償Windows 8.1の登場で、ローエンドなWindows 8タブレット製品では価格がより下がることが期待できそうだ。

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