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垂直統合型システム

垂直統合型システムについての共通の定義というのは存在しないが、ここでは、サーバやストレージ、ネットワーク機器といったハードウェアと、OS、ミドルウェア、仮想環境、システム管理ソフトなどのソフトウェアを、過去のSI経験などによって得られた知見やノウハウに基づいてあらかじめ最適に構成・設定を施して提供されているシステムのこと。ベンダによっては、「オンプレミスのプライベートクラウド基盤」と、より具体的に定義しているところもある。

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垂直統合型システムの基本機能とは?

垂直統合型システムは、IaaS(Infrastructure as a Service)型、PaaS(Platform as a Service)型などがある。それぞれの機能概要は次の通り。
●IaaS型
IaaS型は、サーバやストレージ、ネットワーク機器、仮想化環境、そしてそれらを統合的に管理する機能を集約したインフラシステムとなっている。垂直統合型システムの中でも最も自由度が高い一方で、導入企業にはそれなりのスキルが求められることから、比較的大規模な構成の製品が多くなっている。
●PaaS型
PaaS型は、IaaS型にOS、それとアプリケーションサーバやデータベースシステムなどミドルウェアまでを統合したものである。このうちデータベースについては、基本的にアプリケーションサーバと連携して稼働する。多くの製品では、ベンダ独自の運用管理ソフトウェアを備えており、ハードウェアからソフトウェアまでを含めた運用管理の自動化をうたっている。

垂直統合型システムの導入メリットとは?

●導入期間が短い
垂直統合型システムの最大のメリットと言えるのが、導入期間の短さ。通常、企業が新しいシステムを構築しようとすると、ソフトウェアの開発と同時に、サーバやストレージ、ネットワーク機器の導入も手がけることになる。その過程では、最初にどの機器を採用するかを選択し、機器を調達、そして最適な構成を検証しながら組み合わせていくことになる。これだけのステップに要する時間は相当なものとなってしまう。こうした導入にかかる時間のロスを、あらかじめ最適な構成が記されたテンプレートを利用して開発期間を短縮するなど、垂直統合型システムであれば大幅に縮小できるのである。
●初期導入コストが低い
導入期間の短さと密接に関連するメリットが、初期導入コストの低さ。多くの場合、初期導入コストを抑えることができる理由は、導入にかかるSI(System Integration)の工数削減にある。前述のとおり、通常のシステムであれば、導入に際しては膨大な作業が発生する。垂直統合型システムの場合、それらの工数を一気にカットできるため、結果的に導入コストの低減につながる。
●運用管理を効率化できる
垂直統合型システムのほとんどは、IaaS型であればハードウェアとハイパーバイザまでの統合管理システムが、そしてPaaS型の場合には、専用の運用管理ソフトウェアが組み込まれている。運用管理を自動化することで、ITスタッフのリソースをより戦略的なITの活用へと振り向けられるのも大きなメリットとなる。
●システムの信頼性が高い
垂直統合型システムの各種ハードウェアやソフトウェアの組み合わせには、安定して稼働するかどうかの検証をベンダが時間をかけて知恵を注いで行っている。そのため、ただでさえ複雑な仮想環境のシステムを自社で新たに構築した場合と比べ、はるかに信頼性の高いシステムが自動的に提供されることになる。