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» 2018年04月23日 10時00分 公開

IT導入完全ガイド:名刺は誰のもの? 破棄のルールは? 名刺管理の見落としがちな事実 (1/3)

名刺管理ツールを運用する上で、企業が知っておくべき事柄を解説する。前半では個人情報の保護という観点から名刺を扱う際のポイント、有効な名刺管理ツールの機能を紹介。後半は利用促進のノウハウなどを説明する。

[二瓶 朗,グラムワークス]

 日本のビジネスに欠かせない「名刺」。前編では、名刺を一元管理し、データを活用するための基盤となる「名刺管理ツール」の選定ポイントや、最新の機能を紹介した。しかし、名刺管理ツールを使いこなすというフェーズになると、機能だけを認識していても事足りない。本稿では、名刺管理ツールを運用する上で、企業があらためて知っておくべきポイントを解説する。具体的に、前半では個人情報の保護という観点から名刺を扱う際のポイントおよび有効な名刺管理ツールの機能を紹介。また後半では、名刺管理ツールを円滑に利用、運用するためのノウハウについて説明したい。

厳格化する法律と名刺の関係

 個人情報に関わる法律の厳格化によって、企業は今まで以上に名刺管理に注意を払う必要が増している。

 例えば、2017年5月には「個人情報の保護に関する法律(略称:個人情報保護法)」が全面的に改正された。名刺の管理という観点では、どう考えるべきだろうか。個人情報保護法が施行された05年4月以降、名刺が五十音順やアルファベット順で整理されていて、インデックス形式で検索可能な状態になっていれば、個人情報データベースだと定義されてきた。この個人情報データベースを所有する事業者は、個人情報保護法の規制の対象となる。

 しかし最近まで「個人情報データベースの取り扱い件数が5000件以下の場合、規制の対象外になる」という制限が設けられていた。そのため、小規模事業者によっては「個人情報保護法は関係ない」と考えていた企業もあったはずだ。

 この状況が「改正個人情報保護法」の施行と共に一変する。改正法で「5000件以下」という制限が取り払われ、ほぼ全ての事業者が法律の適用範囲となったためだ。

 また、18年5月25日には「GDPR(General Data Protection Regulation)」が施行される。GDPRは日本語で「EU一般データ保護規則」と訳されることが多いが、要はEU圏の個人データをEU圏外に持ち出すことを制限するという法律。これは、EU圏にサービスや商品を提供している企業であれば規制の対象となり、EU圏に事業所を持たない日本企業にも影響するため十分注意しておきたい。例えば、EU圏における消費者の個人情報(名刺情報)を扱う場合などは、その取得や処理に当たりGDPRに沿った手続きを実施する必要がある。

 このような個人情報に関連する法律の厳格化も相まって、名刺を扱う際には十分すぎるほどの配慮が必要になっている。もちろん、企業で名刺情報を管理しておらず、個人に管理を一任しているという企業も無関係ではいられない。プライバシーマークの審査という観点から見れば、従業員が個人で管理している名刺情報が漏えいしたケースでも、企業に対して何らかの責任が問われる場合もある。例えば、個人情報管理における従業員教育の不足や、コンプライアンスの欠如を問われるといった具合だ。

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