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SFAを「現場」で使われるツールにする方法IT導入完全ガイド(4/4 ページ)

» 2014年08月04日 10時00分 公開
[西山 毅レッドオウル]
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コストや機能以前に、SFAで解決したい「ストーリー」を明確にする

 日本企業においてSFAツールは、営業マネジャーがメンバーの商談や行動を管理するために利用するものという色合いが強かった。しかし、「何のために管理するのか」といった視点が忘れられがちだ。

 単に商談を管理したいというだけでなく、例えば、営業戦略にのっとった今後の重点顧客層を開拓したいのか、重点商品を拡販したいのか、重点エリアを拡大したいのか。各論ベースでいうなら、メンバーの行動をチェックしたいのはなぜなのか。商談件数を増やしたいといっても、ただ訪問件数を増やせばいいのか、今まで足が遠のいていたところを掘り起こしたいのか。

 SFA導入は、「ターゲティングからクロージングまでのストーリー」を描き、それを実現するために何をすべきかを明確にし、その活動を支援できるシステムを選ぶというステップで考えるべきだ。ストーリーによって、営業担当者がSFAに入力すべき情報も、単に顧客を訪問したことを記せばいいのか、商品に対する顧客の反応を書けばいいのかが変わる。

 SFAの機能自体はどのツールも充実し、機能比較だけではどれも変わらない。ユーザー企業がRFPに書く機能は、どのベンダーのものを選んでもほぼ実現できると話すベンダーもある。

 「コストが安いから」という理由でSFAを導入すると描いたストーリーが実現できず、使われなくなってリプレースを検討せざるを得ない状況を招くこともある。まずは、業績アップのストーリー、営業改革のストーリーを明確にすることが肝要だ。

現場が自発的に活用できる仕組みかどうかをチェックする

 米国発のSFAを日本で活用するならば、その前提となる営業スタイルの違いを十分に理解しておく必要がある。自ら商談の管理が求められる米国に対し、日本では現場の営業担当者にSFAを進んで利用するメリットはそれほど多くない。むしろ入力が手間なだけで、余計な時間が取られるといったイメージの方が大きい。

 考えるべきことは、SFAの利用によって営業担当者にインセンティブを提供することだ。つまり、営業メンバーの自発性を促すための「ガバナンス」を利かせるということである。

 SFAツールを使わせること自体が目的ではないし、営業担当者に負担を強いるようなツールでは、決して利用も進まない。導入を検討するSFAツールを、管理者目線ではなく、「営業担当者が自発的に活用できる仕組みや機能を提供しているかどうか」という視点で十分に精査する必要がある。

ベンダーの課題解決能力や導入実績をチェックする

 今回、焦点を当てたのは「現場で使われるSFA」だが、根本となるのは「成果を挙げるための営業活動プロセスをいかに設計するか」ということだ。

 SFAツールの利用は、まず自社の営業活動プロセスを定義し、ツールに登録するところから始まる。以降の営業活動もツールに登録されたプロセスに沿って進められるので、プロセスの設計は非常に重要だ。

 この「営業活動プロセスを設計する能力」が製品ベンダーにあるかどうかをチェックすることが重要だ。言い換えるなら、プロセスをどう設計すれば営業成果を最大にし、また現場で使われるようになるかといったノウハウを提供してもらえるかどうかだ。機能が豊富でも製品売り切りというベンダーは避けるべきだ。

 導入実績や導入事例は、製品ベンダーの実力を客観的に判断するポイントの1つとなる。さまざまな業種や業態をサポートした実績がどれだけあるか、どれだけのユーザー企業に利用され、評価されているのかは、実績や事例数を見れば見当が付く。

導入後のサポート体制をチェックする

 製品ベンダーの中には、営業コンサルティングや経営コンサルティングをなりわいとして、製品導入後のアフターフォローまでキメ細かく対応するサービスを提供するところもある。

 営業コンサルティングに相当するもので、立てた「ストーリー」の通りに営業活動が進んでいるかをヒアリングし、アドバイスを行う。例えば、初回訪問後の進捗状況が芳しくないという場合には、今後の活動をどう変えていけばいいかまで助言する。端的に言えば、SFAツール上の情報をベースに営業活動を指導してくれるものだ。

 例えば、リモートコンサルティングセンサーというサービスでは、ユーザー企業で運用されているSFAツールの入力状況などをモニタリングする。入力率が滞ってきたときには専任のコンサルタントが自社を訪れ、運用改善の相談を行う。あくまでシステムの利用状況を改善するためのサービスだが、SFAの利用を活性化させられるだろう。

リモートコンサルティングセンサーの概要 図4 リモートコンサルティングセンサーの概要(出典:NIコンサルティング)
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