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SFAを「現場」で使われるツールにする方法IT導入完全ガイド(2/4 ページ)

» 2014年08月04日 10時00分 公開
[西山 毅レッドオウル]

“できる営業”の営業活動プロセスを組み込んだモバイルアプリ

 現在、企業ユースが当たり前になったスマートデバイスでの利用を想定した営業活動プロセスを管理するためのモバイルアプリがある。

 営業担当者は、アプリを自分のスマートフォンなどにダウンロードし、実際の案件を登録する。アプリは、それを「できる営業」の営業活動プロセスと照らし合わせて評価し、営業担当者にさまざまな気付きを与える。

 評価基準は2つだ。1つ目は、案件獲得の確実性を評価する「確度」だ。1:期待、2:必然、3:認知、4:意義、5:優位という5つのランクが用意する。

 2つ目が、受注までの進捗(しんちょく)状況を評価する「進度」だ。こちらは、D:機会発見、C:要望確認、B:定義提案、A:見積決定、CL受注後という5つのランクに分けられる。これらがまさにできる営業の営業活動プロセスに他ならない。

 2つの基準の各ランクが具体的にどういう状態かはアプリ内できちんと定義されている。営業担当者は、自分が担当する案件が確度/進度においてどのレベルにあるのかを正しく判断でき、次に何をしなければならないのか、あるいは今、何が足りないのかという気付きを得られる。

 案件の進捗状況をアプリに入力するだけで、営業担当者は自分の行動をチェックしたり、修正したりできる。その結果、生産性の向上や商談成約率の向上に結び付けることが可能となる。

 こうしたインセンティブがあれば、アプリへの案件入力は強制ではなく、自発的に行われることになる。まさにガバナンスが確立された状態だ。

 メンバーがアプリに入力した状況は、自動集計されてクラウド経由でリアルタイムに共有される。マネジャーも自分の空いた時間で各自の進捗状況を確認できる。

画面例 図1-1 画面例(出典:ネットコマース)
営業マネジャー用の進捗管理画面 図1-1 営業マネジャー用の進捗管理画面(出典:ネットコマース)

営業担当者の手間を増やさず自動投稿するタイムライン機能

 上で紹介したのは、案件管理に特化したスマートデバイス用のアプリだった。SFAツールにも、企業内でのスマホ利用を前提とした社内SNSの機能を提供することで営業担当者の活動を支援するものがある。

 これまで国内企業では、社内SNSを導入しても、投稿の都度、内容を考えなければならない手間があることで活用されにくい状況だった。このツールでは、例えば商談直後にメンバーがその結果を投稿することで、その商談を「フォロー」するマネジャーや他メンバーのタイムライン上に、リアルタイムで更新情報が反映される。メンバーは商談結果という「事実」を投稿するだけなので、何を投稿しようかと思い悩む必要もない。

 Facebookの「いいね!」ボタンのような「みたよ!」ボタンもある。上司がそれを押せば、仮にコメントがなくても、メンバーは上司がちゃんと自分の活動を見てくれたということで安心し、モチベーションアップにもつながる。

 こうした仕組みを使えば、営業担当者が商談の節目で投稿した内容がそのまま業務報告になる。集計機能を使えば、1日の終わりにあらためて営業日報を書く手間も必要ない。

 このツールを提供するベンダーでは、実際に社内でタイムライン機能を利用し、効果を測った。今まで1日かかっていたマネジャーからメンバーへのフィードバックが5分に短縮され、自分の報告をマネジャーが見てくれたかどうかをメンバーが確認する時間も数時間から数秒に短縮された。

 タイムライン機能は、タイムリーな指示が欲しいメンバーが自発的に使う大きな動機になる。また、迅速な案件把握をしたいマネジャーにとっても大きな利便性をもたらす。これもまたガバナンスが確立された状態だといえる。

「見せる化」と「超速化」を実現するタイムライン機能 図2-1 「見せる化」と「超速化」を実現するタイムライン機能(出典:ソフトブレーン)
タイムライン機能が情報共有のロスタイムを排除する 図2-2 タイムライン機能が情報共有のロスタイムを排除する(出典:ソフトブレーン)

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