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» 2014年01月23日 10時00分 公開

すご腕アナリスト市場予測:2014年企業におけるタブレット導入白書 (1/4)

スマホが携帯電話を置き換えたように、タブレットがノートPCの代わりとなる日は? 企業でのタブレット導入シナリオに迫る。

[岩上由高,ノークリサーチ]

アナリストプロフィール

岩上由高

岩上由高(Yutaka Iwakami):ノークリサーチ シニアアナリスト

早稲田大学大学院理工学研究科数理科学専攻卒業後、ジャストシステム、ソニーグローバルソリューションズ、ベンチャー企業などでIT製品およびビジネスの企画、開発、マネジメントに携わる。ノークリサーチでは技術面での経験を生かしたリサーチ、コンサルティング、執筆活動を担当する。


 スマートフォンと並び、ビジネス活用に注目を集めるのがタブレットだ。「大手の保険会社が営業社員向けに導入し、大幅な紙面コスト削減に成功した」などの事例をご存じの人も多いだろう。

 しかし、こうした「ペーパレス化」を中心とした活用で十分な投資対成果を得るにはある程度のボリューム(社員数)が必要だ。では、中堅・中小を含む多くの企業が効果を実感できるタブレット活用とは何だろうか?

 今回はユーザー企業に対する調査結果などを踏まえながら、この問いかけに対する答えを探していくことにする。

タブレットとはそもそも何か?

 最近では以前よりも小型の「8インチタブレット」も登場し、スマートフォンとタブレットの中間的な存在を表す「ファブレット」ないしは「フォンブレット」という言葉でも呼ばれるようになってきた。

 では、そもそもタブレットとは何であり、スマートフォンとは何が違うのか。まずはこの点を整理しておこう。

 ノークリサーチではスマートフォンを以下のように定義している。

  • キャリア固有ではない汎用(はんよう)的なOSを搭載している
  • 搭載OS上で、キャリアや端末メーカーとは異なる第三者が従来型の携帯電話よりも高い自由度でアプリケーションを開発、提供できる
  • 一般ユーザーがキャリア固有ではない方法でアプリケーションを導入、利用できる仕組みを備えている
  • 3G、4G回線やWi-Fiなどを介したインターネットへの接続機能を備えている

 では、タブレットについてはどう捉えるべきだろうか。「通話機能の有無」で区別するという見方もあるが、現在ではインターネットによる通話も可能であるため明確な境界線にはなりにくい。そこでノークリサーチではタブレットを以下のように定義している。

  • スマートフォンが備える4つの条件に加えて、さらに以下を満たすもの。ただし、携帯電話としての通話機能は必須ではない
  • 画面のサイズは7インチ以上
  • タッチパネル画面による入出力を主体とし、キーボードやマウスといったそれ以外の入力デバイスを標準では本体に備えない(※)

 つまり、タブレットとは「画面サイズ7インチ以上のスマートフォンと同等の機能を持つが、通話機能は必須でないもの」ということになる。

 また、※で示した2つ目の定義ポイントは「タブレットPC」とタブレットを区別するものだ。タブレットPCはタッチ画面を備える点ではタブレットと同じだが、キーボードを用いた入力シーンの方が多く、変形やキーボード脱着によってタブレットと同様の形状にもすることができるノートPCを指す。

 もっとも、スマートフォン、タブレット、タブレットPCの細かい定義の違いは多くのユーザー企業にとってはさほど重要なことではない。だが、以降で参照するさまざまな調査データ内でこれらがどう区別されているかについて押さえておくことも大切であるため、まずは一連の定義を整理してみた。

企業規模を問わず活用への意欲は高い

 では本題に入ろう。ユーザー企業におけるタブレット活用はどれくらい進んでいるのだろうか。以下のグラフは年商500億円未満のユーザー企業に対し、「スマートフォンやタブレットの活用状況」と「スマートフォンとタブレットの社内台数比率(2013年12月時点での自社状況を予想したもの)」を尋ねた結果である。

スマートフォンやタブレットの活用状況 図1 スマートフォンやタブレットの活用状況(出典:ノークリサーチ「2013年版中堅・中小企業におけるPC環境の実態と展望レポート」)
スマートフォンとタブレットの社内台数比率 図2 スマートフォンとタブレットの社内台数比率(出典:ノークリサーチ「2013年版中堅・中小企業におけるPC環境の実態と展望レポート」)

 6割程度のユーザー企業が何らかの形でスマートフォンやタブレットの活用を既に開始しているまたは予定していることが分かる(1つ目のグラフ)。また、そのうちの4割はスマートフォンが主体だが、タブレットを主体とするユーザー企業も2割弱存在している(2つ目のグラフ)。一般消費者のみならず、企業においてもタブレット活用が徐々に普及しつつある状況といえるだろう。

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