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テープバックアップ

カートリッジの中にデータを記録する磁気テープがリール状に収められているものをバックアップテープというが、これをバックアップの記録媒体として使うバックアップ方式のこと。中規模以上のITシステムのバックアップに使用される機会が多い。テープカートリッジの構造や、読み書きの仕組みは規格によってそれぞれ異なる。様々な規格が規模別に用意されているが、エントリークラスではDDSが、ミッドレンジではLTOが現在の主流である。

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テープバックアップの基本機能とは?

■WORM(Write Once, Read Many)機能
一度書き込まれたデータの削除や上書きを防ぐための機能で、データの改ざん防止に役立つ。LTO規格では、LTO-3からサポートしている。
■暗号化機能
LTO規格では、LTO-4より、テープドライブでのデータの暗号化が可能になった。これまで、ハイエンド以外のテープストレージでは、サーバ側もしくは暗号化アプライアンスにおいてデータを暗号化してからテープに記録していたが、LTO-4からはデバイスレベルでの暗号化が可能となった。
■リポジショニング現象を低減する技術
テープドライブがデータの読み書きをしている時に、ホスト側のデータ送信もしくは受信が待ち状態になると、テープは一定の速度で走行するので、テープ上の目的の位置がヘッドを通過してしまうため、適切な位置へと戻さなければならなくなる。これを「リポジショニング」という。この現象が起きないようにするために、テープドライブでは、いくつかの技術が採用されている。その1つがマルチチャネルヘッドである。これは、ヘッドを多チャネル化して一度に読み書きできるデータ量を増やすことで、テープの走行速度はできるだけ落としながらも、データ転送速度を上げることを可能にしている。

テープバックアップの導入メリットとは?

■大容量かつ高速
企業で扱うデータは増加の一途をたどっている。テープ技術は年々進化してデータの集積度が高くなり、データの転送速度も向上している。テープは遅いとみられがちだが、実はハードディスクよりも速いスピードでのデータ転送を実現している。例えば、LTOの最新規格LTO-4では、データ転送速度120MB/秒(非圧縮時)を実現している。これは、スタンダードな3.5インチハードディスク(7200回転)と比較すると、約2倍の速度だ。
■高い信頼性
ハードディスクの場合、ドライブが壊れてしまった場合にはもうデータを読み出すことはできない。一方テープなら、ドライブが壊れてもメディア自体は影響を受けない。
テープはハードディスクに比べてエラーレートが低く、長寿命で10年以上の長期保存にも耐えるという特徴がある。
■低コスト
テープはハードディスクよりもメディアが安価で、GBあたりのコストパフォーマンスに優れている。加えて、ディスクは常時接続されているために電力を消費するが、テープの場合はデータの読み書きの際しか電力を消費しないため、ランニングコストも削減できる。
■すぐれた移動・保管性
テープは記録済みのメディアをドライブから取り外せるため、万一の災害などに備えた遠隔地での保管も容易だ。ドライブに入っていない状態では記録されたデータへのアクセスができないので、うっかりデータを消去してしまうなどの人為的なミスや、改ざんなどのリスクも、ハードディスクに比べて少ないといえる。