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今求められる、デジタルワーカーが活躍する新たな世界

» 2020年10月06日 10時00分 公開
[RPA BANK]

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RPA BANK

DXで企業力強化に取り組む中、一環として取り入れられたRPAですが、個別業務での部分導入に止まり、効果を十分発揮できていない企業も少なくありません。昨今厳しい環境下、デジタルワーカーを用いたインテリジェントオートメーションで包括的に効率化を実現するツールや適用プロセスの選定方法、ベストプラクティスをご紹介いただきました。

■記事内目次

  • 登壇者
  • 今求められていることとオートメーションの現状
  • 大規模展開できない理由は「ツール」と「進め方」
  • デジタルトランスフォーメーションとインテリジェントオートメーションの関係性
  • 自動化プロジェクトの進め方
  • 今後求められるのは、人とデジタルワーカーの協働

登壇者

オートメーション・エニウェア・ジャパン株式会社 セールスエンジニアリング本部 シニアソリューションセールスエンジニア 磯野 健彦 氏

今求められていることとオートメーションの現状

Automation Anywhereの磯野と申します。よろしくお願いします。ではですね、早速「今求められる、デジタルワーカーが活躍する新たな世界」と題しまして講演させていただきたいと思います。

今、デジタルワーカーという形で、人がやっていることをシステムが行っていく、ロボットが行っていくようになってきています。そうした時に、このロボット、多くの企業で入っていると思うのですが、本当に活躍できていますか。それをどうしたら活躍できるのか、活躍させるためにはどんなツールや環境、仕組みが必要なのかといったところを、我々のノウハウを含めてご紹介させていただければと思っております。では最初に簡単に自己紹介をさせていただきます。

私は20年近くにわたって、コンタクトセンターをはじめとした音声認識サービスなどに携わってきました。コールセンターの電話をオペレーターに効率よく着信したり、オペレーターに繋ぐ前の段階でお客様自らがプッシュボタンや音声認識を使いながら解決するなど、人が行っていた業務をシステムに置き換えるサービスを長年やってきております。

今はAutomation Anywhereで、フロントオフィスだけではなくバックオフィスやそれ以外の領域の自動化に携わっております。Automation Anywhereのビジョンにもありますが、人が行っていたことをロボットにさせ、人はそれ以外のより柔軟な発想が必要なことや複雑なオペレーションに特化していく、そういったところで私の経験が生かせると思っております。

では早速「今求められていること」がどういったツール、プロセスを使うことで実現できるのかといったところをご紹介できればと思います。

現在少子高齢化が社会問題になっているかと思います。労働人口が減少していることもありますが、やはり知的労働者スキルを持った人たちがどんどんリタイヤしていってしまうところが非常に大きな課題になるかと思います。労働人口が少なくなってきている状況で雇用してトレーニングして現場に出していくと、時間もコストもかかってしまいます。

また競争の激化ということで、同じ業態の中にはいろいろな会社が入ってきます。そうすると人材や他のコストが上昇し、販売価格が下がってしまいます。企業はその中で収益を上げていくためにコストの削減、業務の効率化に特化していく必要が出てきます。

また新型コロナウイルス感染症で、なかなか密になれない、オフィスに来ることができないという現状があります。そうなるとリモートの環境で、どうやって今までと同じかそれ以上に効率よく働いていくかといったところが課題になってくるかと思います。

最後に自然災害です。昨今豪雨や地震や火事など、いろいろな災害があります。特に日本ではこういった自然災害が起きやすいということがありますが、災害が起こると一定の地域がビジネス的には止まってしまいます。ビジネスをいかにして継続していくのか、そういったところも課題であるかと思います。

こういった数々の課題を改善し、解決していくものがデジタルワーカーによる自動化といったところになるのかと思っております。

最初に13%、これはある数字なのですが、何の数字かおわかりになりますでしょうか。これは調査会社が出しているレポートの数字で、1つの企業の中で50以上のロボットが稼働している割合になります。非常に少ないです。RPA自体、オートメーション自体のソリューションに関しては、今の段階では80〜90%の企業が入れていますけれども、その中でも50以上のロボットが活動し、稼働しているところは非常に少ないです。

もう1つ見ていただきます。4,000社で210万ロボットという、こちら非常に大きな数字になりますけれども、これを1社あたりの数字に直すと、1社当たり500ロボット以上ということになります。これはAutomation Anywhereを導入いただいているお客様の数字になります。

先ほど50以上のロボットが動いている会社が13%とお伝えしました。それに対して我々のお客様のところでは平均で500以上のロボットが動いています。これだけの大きな違いが出るのは、我々が培ってきたノウハウが大きく影響していると考えています。

大規模展開できない理由は「ツール」と「進め方」

大規模展開できない理由についてお客様からお話を聞くと、いろいろな声が上がってきます。大きな理由としては、開発する人が足りないとか、一つの業務の部門で導入したものの他の部門に展開できないとか、そもそも何を自動化したらいいのか分からないといったことがあります。

我々の観点からすると、大きくはこの2つに集約できるのかなというふうに考えています。1つはツールという観点。もう1つが進め方です。このツールと進め方といったところに関してご紹介させていただければと思います。

正しいツールを選択していますか。最終的な目標として、大規模展開、全社を挙げての自動化を推進していく時に、いかに必要な機能があるかということですね。1つが使いやすさ、簡単に使えるというところがポイントかと思っています。

往々にしてこの自動化というソリューションはもともとPC、デスクトップ上の自動化としてエンジニアが使っていたところがありまして、そこから発展してきたシステムに関しては、かなり使いづらいです。そうではなくて、特に業務ユーザーが一番業務を分かっていますから、その人たちが使えるツールを選ぶことで開発できる人、ロボットを作っていける人を広げていくことができるようになっています。

もう1つが拡張性です。いろいろなシステムと連携する必要があるかと思います。後の方のスライドで出てきますけれども、1つのビジネスプロセスを最初から最後まで完了させるには、多種多様なツールが連携する必要があります。

間に人が介在するとどうしても時間がかかってきますし、ミスも起こり得るため、自動化という形で一気通貫で行っていきます。そうすると、いろいろなシステムとの連携がとれなければなりません。

最後に管理機能、セキュリティです。大きい企業様ですと、数千体規模のロボットが動いています。その数千体のロボットはデジタルワーカーなので、人と同じような位置づけになり、一人一人を管理していく必要があります。

ロボットを開発する人、実行する人、そういったところの細かい権限設定が必要になりますので、管理機能やセキュリティ機能を使うことにより、野良ロボットを防ぐような仕組みが必要になります。

この3つのポイントが、大規模展開を行っていくには必要かと思っています。ここでツールが使いやすい、使いにくいという例なのですが、例えば今、自動化を行おうとした時に、IT部門が開発している、もしくはロボットの開発だけ外注に出しているという企業様も多いかと思います。

それはそれで間違ってはいないと思います。我々としてもここに対する改善策を出してきています。今スライドで見ていただいているように、業務を自動化したいと現場の人が思った時、それをRPAの推進担当者と細かく打ち合わせしながら、実際にどういった画面を使ってどこを自動化していくかをまとめ上げて、最終的に外注先に流します。

ただ外注先は対象業務を分かっていないので、そこでまた同じようなやりとりが発生するわけです。ですので非常に時間もかかってきます。例えば、業務ユーザーの方が自分自身で開発できる簡単なものであれば、1日や2日でそこそこ複雑なものでも作れますので、思いついたらすぐに自動化することが可能かと思います。

当然自動化を推進している方や、ITとのコラボレーションはこの段階でも必要ではあります。業務ユーザーは業務が分かっているので、ある程度のフローの自動化まではできますが、作ったロボットを安定的に動かすためには、エラー処理や例外処理を入れる必要があります。そういったところはRPAの推進部と連携していただく、そういった組み合わせもあるかと思います。ただいずれにしても、必ずしもITの方、外注先が作らなければ自動化できないといったものではないという点を認識いただければと思います。

先ほどのシステム連携、いろいろなシステムとの連携が必要といったところなんですけれども、例えばこれは1つのビジネスプロセスの例です。見積もりから始まって、注文、出荷、請求、支払、現金化やコレクションまでの処理を1つの図に表したものになるのですが、例えば今見ていただいている中だけでも、SalesforceやSAP、それ以外にもメールや内製のシステムといったところでの連携が必要になってきます。こういったところをうまく自動化して進めていく、人が介在しないでも進めていく、そうすることによって、例えば30日かかっていたプロセスが5日間で終わるようになれば、これは社内の効率化にもつながりますし、お客様に対するベネフィットにもなるかと思います。

次に管理機能・高セキュリティですね。大規模展開していった時に、末端の人たちが勝手にロボットを作って勝手に動かしてそれがログにも残らないとなると、会社としてのガバナンスの問題になるかと思います。

例えば我々のシステムに関しては、コントロールルームというサーバーで、このユーザーさんはこういった範囲のロボットに触れてこの範囲は実行できるといった細かい設定ができるようになっていますので、全体にガバナンスを利かせていくことができます

またCredential Vaultと呼んでいるのですが、例えばロボットを作る時、いろいろなシステムにアクセスしてIDとパスワードを入れていきます。そのIDとパスワードをロボットの中にテキストで書いてしまうと、ロボットが流出した時にIDとパスワードも流出してしまいます。そうすると不正につながったりしますので、サーバー側に暗号化した状態で管理しておくことで、パスワード自体を見ることもなく、ロボットを作っていくことができるようになります。

デジタルトランスフォーメーションとインテリジェントオートメーションの関係性

次に自動化プロジェクトの進め方についてなのですが、その前に少しデジタルトランスフォーメーションとインテリジェントオートメーション、この辺の関係性についてお話ししたいと思います。

こちらIDCさんのサイトから取ってきた、デジタルトランスフォーメーションの定義になります。AIもそうですし、デジタルトランスフォーメーションもそうなのですが、言葉は非常に流行っているものの、定義自体はまちまちなのかなと思っています。

例えばこのIDCさんの定義ですと、第1、第2、第3のプラットフォームといったところがまず定義されています。メインフレームから始まって、クライアントサーバー型のシステムで、そのあとに来ているクラウドベースであったり、モバイルベースであったり、そういったところのプラットフォームは第3のプラットフォームです。定義の中では、デジタルトランスフォーメーションは、この第3のプラットフォームを利用し新しいサービス製品を通じてビジネスモデルを作っていく、業務変革をしていくといったこととされています。

今みなさまがお使いのシステムは、まだまだ第1、第2のプラットフォームかと思います。そして、インテリジェントオートメーションとこのデジタルトランスフォーメーションの関わり方ですけれども、第1のプラットホームと第2のプラットフォームを使いながら業務改革をしていくことが、まずインテリジェントオートメーションでできるかと思います。

第3のプラットフォームも巻き込んでいく、移行していく間でもインテリジェントオートメーションというのは活用できます。そして進んでいくと、最後に第3のプラットフォームベースのビジネスになってくるかと思います。ただ第3のプラットフォームといっても、一つ一つに得意不得意がある業務プラットフォームにはなってきますので、それを横断的につなげていく仕組みはやはり必要かと思います。そういったところでデジタルトランスフォーメーションのために、将来にわたってインテリジェントオートメーションというのは活用いただけるものかと思います。

Automation Anywhereのインテリジェントオートメーションプラットフォームには最新の「A2019」というものがあるのですが、こちらは去年、最初から作り直しまして、完全にクラウドで提供するような形になっています。カテゴリ的にもうすでに第3のプラットフォームといった位置づけになっているかと思います。

ではインテリジェントオートメーションはどういったところに適用できるのか。まずシステム間連携といったところでいろいろな業務システムの連携を見てみます。この中でいくと、WorkdayとOktaや他のITシステムの連携ですね。

例えば新しい社員が入ってきました。人事システムに登録が必要なのですが、シングルサインオンのシステムの登録ですし、例えばOffice365などのさまざまなシステムアカウントを作っていく必要があるわけですね。そういったところにインテリジェントオートメーションが適用できます。

また業務システムは、第1、第2、第3のプラットフォームという形で移行していきますので、その時に移行するデータの準備であったり、移行している最中のテストや移行してうまくいくかのテスト、実際の移行自体、そういったところでも、ロボットは活用いただけるようになっています。

また最終的にはそれを稼働後に使います。例えば、導入以降のところで作ったテスト入力のロボットがあるとすると、それを本番稼働後で導入する指定のパーツとして使っていただくことによって、そのままロボットとして活用していくことができます。こういった形で本当に導入サイクルの最初から最後までロボットを使っていただくことができるようになります。

例ですけれども、我々の社内でも使っているところで、アバターの名前としてOscarみたいな名前がついていたりしますけれども、例えばSalesforce.comに案件情報を入れます。そこで必要な見積もりなどの情報を入れた後に、ワンクリックでロボットを走らせると、バックエンドの方でロボットが、例えばWorkdayで契約情報登録をして、契約のIDを逆にこのSalesforce.comに戻してきてデータを直していく。そういった一連のプロセスを自動化することは簡単にできたりします。

こういったロボット自体、本当にフレームワークをもとにしてあっという間に作れますけれども、実際にシステム間の連携をしようとした時には、最初の仕様を決めるところから実装してテストをするので、長い時間と労力、膨大なコストがかかります。デジタルワーカーの採用効果試算例というところですけれども、25万ドルぐらい、2,500万円ぐらいですね、削減できるのではないかといったデータがあります。

またこういったプロセスにデジタルワーカーを使うことの利点なんですけれども、例えば、最初にSalesforce.comに入れたデータが、人だとどうしてもチェック漏れがありますので、抜けてしまうかもしれないということがあります。システムにやらせると、特定のパターンを必ず守らなければならない条件として設定できますので、データの不備が非常に少なくなる効果があるかと思います。

フロントオフィス、バックオフィス、デジタルビジネスとしてAmazonやMicrosoft、IBM、Google、いろんなAIの技術もあります。こういったクラウドのシステムを連携していくことが、インテリジェントオートメーションとしては必要かと思います。

ただ、第1、第2のプラットフォームで、データベースであったり、エクセル、メール、内製のシステム、メインフレームだったり、あとは紙ですね、紙の帳票自体に関しては徐々になくなりつつあるのかとは思うのですが、まだまだ存在しています。発注書や見積もりがPDFになったとしても、PDFのデータをいかにシステムに取り込むかに関しては、やはり技術ノウハウが必要になってきます。そうしたところを我々の「A2019」というプラットホームは結び付けていけるようになっています。

それもノーコード、ローコードという形で、非常に簡単にフローを作っていけるプラットフォームであり、いろいろなシステムとも連携ができるようになっています。これにより、ビジネスユーザー主体で開発を進められるようになります。またこのプラットフォームでは、先ほどご説明したような管理機能も提供しています。将来的には新しいサービスも当然出てくると思いますが、「A2019」はそういった新しいサービスとも簡単に連携できるようなインターフェースです。

内製のシステムでも一緒ですね。社内のシステムとも連携していくと。例えばCitrixです。社内のいろいろなシステムへの窓口の1つとして、Citrixがあります。ただそこから先の社内システムにどうやってアクセスして自動化していくかが課題になりますので、そうした時には例えば「A2019」を間に挟むことによって、社外から社内のシステムへのアクセスを許していく、そんなこともできるかと思います。

今ご紹介した「A2019」というプラットフォームですけれども、導入形態としては、ピュアクラウド、パブリッククラウド、オンプレミスといった3つの形でご提供しています。「A2019」はクラウドで提供するため、インストレーションは必要ありません。ロボットを走らせるとモジュールだけのインストレーションで動くような、完全なクラウドネイティブの仕組みを実現しています。

それをAWSやAzureの上で動かすパブリッククラウドとして提供することもできますし、お客様のオンプレミス環境で導入していただくことも可能です。提供している機能としては、エンタープライズRPAとして自動化を進めていく機能で、それとともに、先ほど紙やPDFからデータを取り出すお話をしましたが、AI(IQ Bot)、そういったOCRをベースにしたデータ取り出しの機能もご提供しています。

またAnalytics、Bot Insightとありますけれども、自動化を通して扱ったデータで自動的にダッシュボードレポートを作っていく。そういった機能も提供しています。ただビジネスデータを出すのではなくて、ロボットの稼働状況、デジタルワーカーの稼働状況を見たり、ROIの観点で実際にどれだけのロボットが動いてどれだけのコスト削減が得られているかを可視化するツールです。最後にDiscovery Botですが、これは最後にご紹介したいと思います。

自動化プロジェクトの進め方

ではここから自動化プロジェクトの進め方といったところに戻っていきたいと思います。先ほどツールという観点で話をしました。今度は進め方です。みなさまは、どういったチームを組んで自動化をされていますか。Automation Anywhereでは、Center of Excellenceチーム、COEチームというものを作っています。会社によってはスモールスタートで始めたいところもあり、それはそれで良いと思うのですが、COEチームは全体の業務をまたいで、どこにどんな自動化の機会があるのかをマネジメントしていくためのチームになりますので、ぜひ作っていただきたいです。

1つの部門で使ったテンプレートが他の部門でそのまま使えるかというと、やはり合わないことがあると思います。それぞれの部門で同じ動きをするロボットを作ってしまうことを避ける意味でも、全体的な監視管理監督をしていくためのチームは持っていただく必要があると思っております。自動化プロジェクトを進めていく中で、業務の棚卸、効果の評価はやっていただきたいです。ここに関しては、Automation Anywhereのプリセールスやポストセールスといったところでお手伝いすることも可能です。

みなさまも業務の棚卸自体はご経験があるかと思うのですが、現場に自動化できる業務って何かありますかというアンケートを取ろうとしても、おそらく通らないでしょう。なぜかというと、現場の方は、自分たちが行っている業務は分かっているんですね。ただ、RPA、インテリジェントオートメーションとして何が自動化できるかというところまでは、あまり把握できていないと思うんです。

逆にCOEなどのチームに関してはその逆で、自動化できることは分かっているけれど、業務の細かいところまでは分かっていない。そうした時には、業務プロセスの棚卸として、まず現場の人たちが日々行っている業務、どんなプロセスをどんなツールを使ってどれくらいの頻度で行っているのかといったところを全部出していただくと。そしてその出していただいたものをですね、我々コンサルタントであったり、もしくはCOEのメンバーで実際に自動化できそうなのかどうなのか、実際に自動化した時にどれだけのコストベネフィットが得られるのか、そういったところを評価しながらですね、優先順位をつけて実装していくと。そういった進め方が大きく広げていくという観点では必要だと思っております。

業務をある程度特定したところから、どうやってロボットを作っていきますか。開発ツールによって使い方は違うと思うのですが、我々のツールでも、レコーダー機能を使って実際の操作を記録していきながら、要素を取っていくことができます。またそれをドラッグ&ドロップで修正していくこともできるのですが、その前段階の仕様決定のところに時間がかかりますし、開発でフローを1個1個作るところもユーザーと開発者が連携しなければいけません。そういったところを改革しようということで、Discovery Botという新しい仕組みをリリースしました。キャプチャーから始めて、業務ユーザーが実際に業務をしている画面を記録していきます。

これは短いスクリプトではなくて、例えばメールからデータを取り出してきて、それをテキスト化してシステムに登録するとかですね、そういった連携もあるかと思います。集めたデータに関して、分析アナリストが評価しながら少し修正をかけて、こんなプロセスを自動化できそうなのではという予想を出して、そこからBotを自動的に生成していく、実行していく、そういったことが簡単にできるようになっています。この後、Discovery botについてデモ動画でご紹介したいと思います。

(この後、デモ動画が流れる)

例えばなのですが、請求書を送ってそれが拒否されて戻ってきます。それに対して、何か対応しなければならないのですが、そこで実際にどんな動きをしているのかをまず確認しましょう。

分析の担当からは実際に業務を行っている人に、画面キャプチャーの依頼を出しています。これは我々のツールからリクエストが出るのですが、実際に担当している人や我々がログインをして、レコーディングという形で操作を記録してもらいます。例えば拒否、駄目ですよというメールが来ていますので、それではなぜ駄目なのか、この例ですとメールで納品書の提出が求められていまして、その納品書はどこにあるのかというと、Salesforce.comにログインして、アカウントを検索すると、そこにあります。それをメールに添付して送る、これが一つの流れになりますので、キャプチャーしたものを運用担当の方、分析担当の方に送信することができます。これを1人だけではなく、複数の人に複数回のプロセスでキャプチャーしてもらうことで、実際に一つ一つをどんな手順で行っているのかをツール上で分析していくことができます。

今年の後半には、そういった複数のキャプチャを使って自動的に機械学習を行えるようにすることを予定しています。今のこの例ですと、請求書が拒否された時の対応というところが1つのプロセスですが、それに対して、どんなことをやっているのか、どれだけ自動化したら、どれだけのコストがかかってどれだけの効果が得られるのかを入力することにより、評価をしていけるようになっています。

最終的にはそこで評価してもらった中から、自動化を進めるものを選択します。ここでできることは2つありまして、1つがWordフォーマット変換です。先ほど取ったスクリーンショットをベースにして、Wordベースでプロセスを表にドキュメント化することができますので、今の段階では例えばBotを作っていくところの評価データとして使うことができます。

また、Botという形でコンバートすることによって、エラー処理などのコメントを入れたりでき、非常に簡単にロボットを作っていけます。最後に自動化までの時間を最大5倍に加速させると書いてありますけれども、なぜそういったことになるのかというと、業務ユーザーによる自動化、やはり今ですと、皆さん1つのプロセスを自動化するのに、スクリーンキャプチャーを取りながらExcelキーワードで貼ってコメントをつけてもらっている、もしくは、例えばMicrosoftのツールとかを使って画面キャプチャーを取っていく、そういったことをやっていると思うんですね。そうした手順は非常に時間がかかりますので、実際にはBotの開発よりもそちら側の方が長いです。だいたい7対3ぐらいだと思いますけれども、Discovery Botを使うことによって、業務プロセスの発見、ドキュメントの自動生成、そういったことを行うことができます。

また、Bot自体のスケルトンが最初に出てきますので、そこからBotの開発といったところも、新たにキャプチャを取り直す必要はないんですね。細かいオブジェクトも含めて最初の段階でも取れていますので、そういったところを利用してBotを開発していただくことによって、開発時間も短くすることができる。

今スライド上は5分の1になっていないですけれど、大きく短縮できるかと思います。ちょうど今回のデジタルワールドオンラインのアーカイブセッションの方に今ご紹介したようなプロセスディスカバリーワークショッププロセスの業務の棚卸であったり、Discovery Botに関してご紹介しているようなセッションもありますので、そちらもぜひご覧いただければと思います。

今後求められるのは、人とデジタルワーカーの協働

こちら最後のスライドになるのですが、最初にお話ししたのですが、人がやるべきことをシステムに任せてもいいと思うことってあると思うんですね。単純に自動化を何回も何回も繰り返していく作業を自動化することもできると思います。

そうではなくて、人ではできないこと、例えば24時間365日、メールの対応できますかって言ったら、人はできないです。ただ、システムでやったらできる、そういったところを自動化していく、そういったこともできると思います。逆に人はより柔軟な対応、発想が求められることに関して特化していく。

ですのでデジタルワーカーが広がってくることによって、人の作業が多少奪われるところはあるかと思いますが、人がやるべきことは残されていきます。これからどんどん厳しいビジネス環境になっていく中で、このデジタルワーカーをいかに活用しつつ、より少ない人、同じ人数の人であっても、ちょっと違ってより知的な、より効果的なビジネスに結びつけていくかという、ロボットと人との協働がこれから求められているのかなと思います。

この辺の仕組みを作っていくためのツール、ノウハウ、そういったところをAutomation Anywhereでは持っておりますので、ぜひこういったところに関して、ご相談いただければと思います。

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