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» 2021年04月16日 08時30分 公開

「行政DXの後れを副業人材で取り戻す」なぜ福山市はデジタル人材を時間も労力も掛けずに採用できるのか

全国の自治体に先駆けて民間人材の登用に取り組んできた福山市。同市は行政のデジタル化の後れに危機感を感じ、民間企業に従事する副業可能なデジタル人材をスピーディーに登用するために、ビズリーチと組んである方策を考えた。

[土肥正弘,ドキュメント工房]

 人手不足は官民を問わず、社会の共通課題だ。コロナ禍とテレワーク普及の時流の中で、解決の決めての一つとしてクローズアップされているのが「副業人材」だ。行政機関で副業人材登用の道を初めて切り開いたのが広島県福山市だという。

 行政でもDX(デジタルトランスフォーメーション)が強く求められる中、同市はデジタル人材など、地方自治体で不足しがちな専門性の高い人材を民間から積極的に登用している。地方行政に関心を持つ副業人材をもっと効率的に登用できないかと考え、新たな試みを始めた。その取り組みを追った。

「副業でも地方行政に関わりたい」公募で全国から1200人

広島県福山市長 枝廣直幹氏

 慢性化する人手不足の解決に、副業人材を活用しようとする動きがさまざまな企業で見られる。行政機関で公募以外に副業として働く民間人材を募集、登用したのは、2018年3月の広島県福山市の事例が最初だという。これは「福山モデル」と呼ばれ注目を浴びたが、同市では副業、民間人材の活用を促進するさらなる取り組みを始めた。

 福山市の枝廣直幹市長は「初めて兼業、副業限定で民間人材を公募した時、1〜2人の登用に対して全国から395人の応募があり、最終的にその中から第1期戦略推進マネジャーとして5人を登用した。そのうち4人が現在も福山市政のシニアマネジャーとして関わっている」と明かす。以降、2019年に1人、2020年に2人、2021年1月には2人の副業、民間人材が採用された。

 過去4回の募集での合計応募者数は1200人に上る。その半数近くが東京在住の人で、副業で自分の能力を行政組織で発揮したいという強い思いがある人が想定以上にいることが分かったという。

行政デジタル化の後れを人事DXで乗り切る福山市の新たな挑戦

 政府は2020年9月のデジタル庁発足に先立ち、行政システムのクラウドシフトなどを積極的に推進し、行政や自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを強化している。しかし地方自治体では、財源確保が困難な事情やITの理解が不十分なことなどが重なり、デジタル化が順調に進んでいるとは言い難い状況だ。

 これらの課題は総じて、デジタル人材とノウハウ不足に行き着く。特に課題の筆頭である人手不足は行政組織のみならず、日本全体の課題でもある。人材関連会社のビズリーチによると、この2年間でデジタル人材関連の求人は2.5倍に急増しているといい、コロナ禍がさらに拍車を掛けているようだ。

デジタル関連求人の急増(出典:ビズリーチ)

 また同社の調査によると、地方自治体においてIT部門の配属人員が5人以下の自治体が全体の3分の2に上るという。地方自治体にはCIO(最高情報責任者)補佐官の任命が義務付けられているが、民間人材登用の割合は総務省調査で2.2%にとどまっている。

ビズリーチ 多田洋裕氏

 その一方で、ビズリーチによる求職者へのアンケート調査では、実に84.1%の人が行政のデジタル化に関連する仕事に興味があり、かつ副業・兼業での関わりを希望している人は43.2%と半数近い。

 ビズリーチ社長の多田洋裕氏は、「人材獲得競争が激化するなか、デジタル人材の不足を補うには、副業・兼業での民間人材を登用する福山モデルは有効」だと断言する。

 福山市と同社は、市役所内の人材データベースを活用して、副業・民間人材の登用をもっと効率的かつ、スピーディーにできないかと考え、新たな挑戦を始めた。

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