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Blue Prismの迅速な導入で、 さらなる業務改善へ――スクウェア・エニックスのRPA運用術

スクウェア・エニックスは、2017年からRPAによる自動化を開始した。当初はデスクトップ端末にインストールするRPA製品を導入したが、2019年からはBlue Prismも採用し、分散統治と集中管理を組み合わせて効率的に運用している。

» 2021年03月11日 10時00分 公開
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スクウェア・エニックス

 スクウェア・エニックスは、2017年からRPAによる自動化を開始した。当初はデスクトップ端末にインストールするRPA製品を導入したが、2019年からはBlue Prismも採用し、分散統治と集中管理を組み合わせて効率的に運用している。

さらなる自動化を目指し、運用性に優れたRPA製品を求めた

宮平 一氏 山﨑康平氏 (左から)宮平 一氏(スクウェア・エニックス 情報システム部 業務アプリケーション・グループ)、山﨑康平氏(同グループ リーダー)

 スクウェア・エニックスは「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」など数々の著名なゲームタイトルをリリースし、コミックなどの出版や、アミューズメントなどの部門を擁するエンターテインメント企業だ。複数の事業部門で構成される同社の情報システム部は、人事、総務、経理などバックオフィスを中心とした社内システムの導入、保守、さらにグループ全体における管理機能の共通化を担うシェアードサービスとしてITソリューションを運用している。

 事業の拡大に伴い増大したバックオフィス業務を改善するため、2017年より各部門担当者の利用するデスクトップ型のRPA製品から、同社は業務自動化を始めた。今回はさらなる自動化に向け、長期的な運用性などを重視し、サーバで管理するBlue Prismも併用しながら進めることになった。

 この背景について、スクウェア・エニックスでグループ共通ソリューションの責任者を務める山﨑康平氏(業務アプリケーション・グループ リーダー)は「情報システム部門と現場では、想定する自動化の性質が異なると考えています。例えば、各業務部門の現場主体で個別の業務を自動化するには、デスクトップ端末にインストールする分散統治型のRPA製品が適しており、ここに対する私たちからの関わりは、各部署からの定期的な報告と情報共有程度にとどめています」と述べる。

 デスクトップ型のRPA製品は、現場の担当者が簡単に扱える一方、セキュリティに起因する制約が存在する。例えば同社では、デスクトップ端末上に認証情報を保有してシステムに自動ログインすることを禁じており、こうした工程を伴う作業の自動実行は毎回必ず人が確認して行うルールを徹底している。しかし、人が介在しなければ処理を進められないことから「この方法だけでは、夜間の無人時間帯に自動処理を完了できませんでした」(山﨑氏)

 加えて、社内エンジニアによるシステム開発が活発な同社特有の事情もあった。業務自動化の主担当を務める同グループの宮平 一氏は、次のように説明する。「各自が得意とする多様なプログラミング言語をすべて考慮してシステムをメンテナンスしようとすると、100近いシステムが関係し、統一性を持たせることが非常に困難でした。そのため、システム開発を補完する用途で汎用(はんよう)的に使える自動実行ツールを求めていました」

採用の決め手は設計思想やライセンス体系

山﨑氏 「Blue Prismの設計思想やライセンス体系が採用の決め手となった」と説明する山﨑氏

 これらの課題を解決するため、サーバ上での集中管理が可能な自動化製品を複数検討。結果、自社のニーズに最もマッチしていたBlue Prismの採用を決めた。

 「保守性・拡張性に優れ、長期運用で必須となる機能に重きを置いたBlue Prismの設計思想に好感を持ちました」(山﨑氏)。比較対照された候補には、操作内容を記憶してプロセスを自動生成できる製品もあったが、すでにデスクトップ型RPAの運用から知見を有していた同社は、そうした機能が有効である一方、実運用が定着するにつれて徐々に不要になると予測。運用を継続していく中では、むしろBlue Prismが備えるロボット作成、実行などの全履歴を記録できる機能の方が重要と考えた。

 さらにBlue Prism採用の大きな決め手となったのが、ライセンス体系だった。宮平氏は次のように振り返る。「Blue Prismは実行環境のみの課金で、追加費用が発生しません。開発環境や実行端末を増やしても運用コストが増えないため、長期運用が前提であればリーズナブルなライセンス体系だと評価しました」

迅速で的確なサービスにより、2カ月で内製化を達成

宮平氏 「迅速で的確だった」と日商エレクトロニクスのサポートについて振り返る宮平氏

 同社はBlue Prismの導入当初から内製化を目指していた。宮平氏は、「社内リソースには限りもあることから、豊富な知見を持つパートナーの支援も得ながら、初期の環境構築を迅速に進めたいと考えました」と振り返る。

 導入に当たり、複数の事業者から提案を受けた結果、Blue Prismの活用を迅速にできるしくみの提案をした日商エレクトロニクスを選定。これは「RPA技術者の層が厚く、運用環境や開発時に利用できるドキュメントやテンプレートが充実していた」(宮平氏)こと、さらに「現実的な運用までを想定した提案で、私たちの課題に対する回答が最も的確だった」(山﨑氏)ことが決め手となった。実際、日商エレクトロニクスが提供したテンプレートを利用し、新規開発の手間をかけずに対応できた。

 日商エレクトロニクスは、顧客への導入を支援するだけでなく、社内でも実際にBlue Prismを運用し、開発成果を顧客に提供できるように日々研究開発している。今回も、自社で直面した課題を解決するために開発したロボットをそのまま適用したことで、顧客の課題を迅速に解決した一例だといえるだろう。

 実践的な知見と開発ノウハウをスピーディーに吸収できたスクウェア・エニックスは、Blue Prismの本格導入から2カ月という短期間で、実装・運用ともに完全な内製化を達成した。

 スクウェア・エニックス社内での自動化運用において「アジャイル開発のように、走りながら効果的な用途を考える柔軟さ」を持たせたかったという山﨑氏は、日商エレクトロニクスによる支援について「当社が狙いとした柔軟な運用体制をつくる上で、実績豊富なパートナーから、環境構築や保守に関するポイントを押さえた助言が得られたのはとても助かりました」と評価する。

「自動化への意識改革」「在宅勤務対応」などで効果を実感

山﨑氏 Blue Prismは、在宅勤務でも普段通りに運用できる点が魅力

 スクウェア・エニックスにおけるBlue Prismの導入効果について山﨑氏は「すでに定量面では、人件費換算でライセンス費用を上回るリソースが創出されていますが、定性面ではより大きな効果も得られました」と評価する。

 具体的には、夜間など業務時間外でも自動処理が可能となった他、負担の少ない自動実行への転換で、それまで月に一度だったシステム間連携の頻度を高めて日次(にちじ)で処理できるようになるなどの成果が得られている。

 さらに「ロボット化の効果を実感した上で、新たな業務にも適用できそうかどうか、また自動化するに当たって手順をどう変えるべきか考える中で、日々の業務を改めて見直す文化が社内に浸透しつつあります」と同氏。自動化に向けた具体的な検討を通じて、業務改善に対する組織全体の意識が高まっていく手応えを感じているという。

 あらゆる企業の共通課題となったリモートワーク(スクウェア・エニックスでは在宅勤務制度)においても、Blue Prismは強みを発揮している。宮平氏は「デスクトップ型のRPA製品では、出社するまで処理を開始できない場合があるのに比べ、Blue Prismはすべて仮想サーバ上に構築できたため、在宅勤務においても出社時と何ら変わらない運用を続けることができました」と語る。

 順調な立ち上げから実績を重ねていく中で、長期運用に適したBlue Prismの真価も現れつつある。宮平氏は「自動化のプロセスを要素に分解し、共通部分に同じものを利用できるBlue Prismでは、新規開発の負担が徐々に減っていく他、広範囲にわたる修正も容易に行えます。例えば、社内の標準ブラウザが一斉に切り替わる際は、Web関連の自動化に共用している部品だけを修正すれば完了し、既存の実装を個別に修正していく必要がありません。一見地味なようですが、使うほどに実感できるメリットです」と話す。

自動化領域を拡大し、よりクリエイティブな環境構築を

宮平氏 自動化を推進し、よりクリエイティブな環境の構築を目指す

 正確で速い処理に加え「人間にとって苦痛な単純作業から解放される」ことにもロボット化の大きな意義を感じているという同社。引き続きBlue Prismの活用を推進していく両氏は「業務の自動化を通じて、よりクリエーティブな業務に集中できる環境づくりに貢献したい」(宮平氏)、「今後、ERPや基幹系システムの更新に当たっては、Blue Prismでの自動化を最初から計画に盛り込むかたちで活用を拡大できれば」(山﨑氏)と展望を描く。日商エレクトロニクスとさらなる生産性向上にむけて、あらゆる業務の改善を今後も続けていく。

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