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» 2020年12月25日 07時00分 公開

「as a Service」でPCの“お守り”から解放された情シスの役割はどう変わるのか

Device as a Serviceは単なる「モノ」の提供ではない。つまりPC運用を「as a Service化」することで何がどう変わるのか。PCの“お守り”をしてきた情シスの役割はどう変化するのか。

[松尾太輔,横河レンタ・リース]

 本連載最終回となる本稿で解説するテーマはSTEP4「セルフサービス化」です。

 第4回では、Device as a ServiceではPCをモノではなくユーザーを中心とした管理に変えることが必要で、それにはクラウドベースの運用管理基盤が必要だということを解説しました。これは、STEP4の前提とも言えます。連載第1回では、Device as a Serviceにとって重要なキーワードとして「ユーザーに直接」「継続的なアップデート」を挙げました。これを体現するのが今回説明するSTEP4の「セルフサービス化」です。

マイクロソフトが提唱するDevice as a Serviceの運用に関する4つのステップ(資料提供:日本マイクロソフト)

著者プロフィール:松尾太輔(横河レンタ・リース)

自社開発ソフトウェア「Flex Work Place」の開発責任者を務める。「デバイスをサービスとして提供するとはどういうことか」「モノのサブスクの本質とは何か」「企業のPC運用のベストプラクティスとは何なのか」を問い続けながら、「Windows 10」の導入コンサルティング、Device as a Serviceの啓蒙(けいもう)活動を行う。


あらためて考える「as a Service」とは

 STEP3まで環境が整えば、あとはセキュリティポリシーを定義し、IDベースにするだけです。第4回(STEP3)でも説明しましたが、Device as a Serviceは、PCをIDベースで運用管理します。そのため、ゼロトラストセキュリティの採用が必要になります。IDにひも付けたデバイスの提供とIDベースのゼロトラストによるセキュリティの自動化で、PC運用は非常にシンプルなものとなるでしょう。

 本連載を通してDevice as a Serviceについて解説しましたが、そもそも「as a Service」とは何でしょうか。いろいろな解説があると思いますが、筆者は「as a Service =サービス化」であり、常に運用され、使える状態を維持され続けることだと考えます。モノの提供の場合は、提供した時点でメーカーは責務を果たしたと言えます。もちろん製造物の責任はありますが、「設計通り動作するか」「保証期間内は壊れないか」といった程度の責任です。運用し、使える状態を維持し、活用して成果を出すのはユーザーの責任です。

 これがサービス化されてサービス事業者によって常に使える状態が維持されれば、ユーザーは成果の創出に集中できます。「使える状態=ユーザーが成果を創出できる状態」であり、それを提供するのが「良いサービス」だと筆者は考えます。そしてモノを活用するための情報をユーザーに提供し、カスタマーサクセスに尽くします。これは、従来のサポートとは違います。ユーザーの体験をより向上させる取り組みです。

 こうした良いサービスを提供するためには、「ユーザーダイレクト」の仕組みが欠かせません。Device as a Serviceにも同じことが言えます。サービス事業者側がPCを提供しても、それらをユーザー企業のIT担当者が運用、管理しなければならないのであれば「モノとして受け取っているだけ」です。IT管理者を介さずに、ユーザーへダイレクトに提供してこそ、企業はモノをサービスとして受け取ったことになり、IT管理者を一切の雑務から解放することを可能にします。なぜならば、「常に使える状態を維持する」ためには、アップデートを継続的に提供する必要があるからです。

 モノは、経年劣化します。ソフトウェアも陳腐化します。あらゆるモノは、永久不滅に価値を発揮することはできません。常に使える状態を維持するためには、アップデートが欠かせません。しかし、この運用がIT管理者の負担になっています。

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