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DNPの「ニューノーマル時代の人事制度」は今の働き方をどこまで変えるか

DNPは人事制度改革第3弾の実施を発表した。ニューノーマル時代の働き方と新しいマネジメントや、複線型キャリア制度の導入と専門職制度の拡充、ダイバーシティー関連制度の拡充を主な柱とする。

» 2020年12月23日 10時00分 公開
[キーマンズネット]

 大日本印刷(DNP)は2020年12月16日、同社の人事制度改革の第3弾として、ニューノーマル(新常態)に求められる働き方やマネジメントの在り方を見直すと明らかにした。将来的なジョブ型処遇を視野に入れ、中堅幹部層を対象にした複線型キャリア制度を導入し、「DNPダイバーシティー宣言」の具現化といった新たな価値の創出を目指して、さまざまな人事制度を具体化するとしている。

 DNPは中長期的な価値の創出に向けて、人事諸制度の設計と再構築を進めている。今回明らかにした人事制度改革は、2019年度に実施した社内外の多彩なキャリアを持つ人材や若手社員、ICT人材を対象にした制度改定と、2020年度のシニア層が多様な働き方を選べる65歳までの選択定年制の導入や同一労働同一賃金に対応した制度改定に続くものだ。

評価基準、テレワーク手当など新たな人事制度の詳細とは

 今回の人事制度改革第3弾では、ニューノーマル時代の働き方と新しいマネジメント、複線型キャリア制度の導入と専門職制度の拡充、ダイバーシティー関連制度の拡充を主な柱とする。

 ニューノーマル時代に向けては、テレワークを常態化し、定着させる。組織ごとに週の過半を超えての在宅勤務やテレワークを可能とする仕組みを導入する。その対象者には通勤交通費の支給を実費とし、月額3000円の在宅勤務手当を支給する。

 さらに「OKR(Objectives & Key Results)」的な要素をMBO(Management by Objectives)制度に組み入れて、「DNPに適合した新しい価値目標制度」を確立する。「毎週のチームミーティング」と「1on1ミーティング」を併せて運用して、新しいマネジメントスタイルに変革するとしている。

 複線型キャリア制度としては、中堅幹部層が自律的に「管理職コース」と「専門職コース」を選択できる「デュアルラダー型(複線型)」の制度を導入する。それに併せて中堅社員を対象にした「主幹研究員・主幹技術員・主幹企画員」を新設して、専門職制度も拡充する。

 一方、ダイバーシティー関連制度では、「多様な個・人財」を生かすための制度を拡充する。例えば、同性や事実婚のパートナーに対して、配偶者に関連する制度の一部を新たに適用するとともに、LGBTの社員にとっての課題解決など対応の充実を図るとしている。さらに、不妊治療や不育治療、がん治療を目的とした通院、治療、スキルアップを目的とした進学、通学などの支援制度を新たに導入する。

 また、本人の自発的意志に基づいてDNPグループ内の他部門を兼務できる社内複業制度の導入や、海外で働く駐在員の労働条件の拡充、見直しも実施するという。

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