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“危険な”取引先をAIが自動選別、RPA企業とSBI証券が組んだコンプラチェックサービスとは

オープンアソシエイツは、「RoboRoboコンプライアンスチェック」を開発した。取引先を一括登録すると、AIが取引先に関連した記事を自動選別し、リスク度を3段階で表示する。上場企業や上場準備企業のコンプライアンスチェック業務を最大98%効率化する。

» 2020年12月17日 07時00分 公開
[キーマンズネット]

「コンプラ違反」で倒産件数は右肩上がり

 帝国データバンクによると、コンプライアンス違反に伴う倒産件数は、2003年が43件だったのに対して、2019年は225件に増加した。このように企業リスクへの対策としてコンプライアンスチェックの重要性が高まっている。

 ところが、オープンアソシエイツが実施したコンプライアンスチェック業務に関する調査によると、業務の負荷が課題だと考えている企業の割合が60%を占めた。コンプライアンスチェックでは、取引先に対して1件ずつチェックする必要があり、取引先に関連する記事を検索した上でそれを目視確認したり、その確認結果を保存したりする。最近では作業が増え続け、コンプライアンスチェック担当者の負荷が高まり、通常の業務を逼迫している。

上場企業品質のコンプライアンスチェックをクラウドで

 コンプライアンスチェック業務における課題について、オープンアソシエイツが総務、法務担当者様484社へのヒアリング調査によれば、「増え続ける取引先1件1件のチェック(検索)が増え担当者が疲弊している」「検索結果に出てくる記事の目視確認が大変」「チェック(検索)結果の証跡(エビデンス)保存作業がとにかく面倒」といったことが挙がった。

コンプライアンスチェック業務における課題(出典:オープンソースアソシエイツ)

 RoboRoboコンプライアンスチェックはこうした課題を背景に、SBI証券の監修の下に開発された、上場企業品質のコンプライアンスチェックを実施できるクラウドサービスだ。取引先を一括登録すると、AI(人工知能)が取引先に関連した記事を自動選別し、リスク度を3段階で表示する。全ての検索結果をCSVやPDF、Excel文書としてダウンロードすることも可能だ。

RoboRoboコンプライアンスチェックの4つのオプションサービス

 「RoboRoboコンプライアンスチェックAPI」は、顧客が運用するSFA(Sales Force Automation:営業支援システム)やCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)、基幹システムと連携するためのAPI。取引先の登録作業を自動化できる。

 「RoboRoboデータ名寄せサービス」は、企業が保存する取引先情報を、最新情報に自動更新するサービス。名寄せデータベースには、企業Webデータベース(53万社、95万拠点)と国税庁法人マスター(430万件)を収録している。

 「RoboRobo新聞記事データサービス」は、全国紙7紙と地方紙44紙を収録した新聞記事サービス。「RoboRobo与信チェックサービス」は、取引先を登録しておくことで、取引先の状況が変化したり、リスク発生したりしたときに自動的に通知するサービスだ。

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