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ニューノーマル時代における働き方の新常識とRPA×電子署名

» 2020年10月09日 10時00分 公開
[元廣妙子RPA BANK]

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RPA BANK

新型コロナウィルスの影響により日本の働き方は大きな変革の時を迎えています。しかし、いまだ多くの企業では業務プロセスがデジタル化されていないため、押印や紙処理業務のためだけに出社するビジネスマンもいます。本セミナーでは、ニューノーマル時代における働き方とRPA×ドキュサインの連携事例について語っていただきました。

■記事内目次

  • 登壇者
  • 電子署名に対するニーズは、紙とハンコの業務から生まれた
  • 電子署名の3つのメリットは「簡単」「安全」「世の中が向かっている」
  • 世界で一番使われている電子署名「ドキュサイン」
  • RPAテクノロジーズ株式会社の概要とBizRobo!の紹介
  • ドキュサイン×BizRobo!の連携事例
  • ドキュサイン導入の課題と今後の展望

登壇者

ドキュサイン・ジャパン株式会社 マーケティング・ディレクター 土肥 渉 氏、RPAテクノロジーズ株式会社 パートナーセールス部 高橋 陽 氏

電子署名に対するニーズは、紙とハンコの業務から生まれた

土肥 渉 氏(ドキュサイン・ジャパン株式会社 マーケティング・ディレクター): ドキュサイン・ジャパン株式会社マーケティング部の土肥と申します。私の方から「電子署名・電子印鑑で実現する働き方改革のラストワンマイル」という題で、電子署名とドキュサインのご紹介をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

本日は3つのポイントに関してお話しさせていただきます。この3つのポイントは、電子署名に対するニーズ、そしてそのメリット、あと最後にドキュサインに関してです。この3つに関してぜひお持ち帰りいただければと考えています。

最初に電子署名に対するニーズをスライドで紹介させていただきますが、最初にドキュサインがですね、この電子署名というサービスを米国で始めたのが2003年になります。当時米国では、不動産取引が非常に多く行われておりまして、米国は契約社会なので不動産の取引契約が非常に煩雑でかつ時間も手間もかかり、書類も厚いものでした。なんとかならないかということで、解決する手段として電子署名のサービスであるドキュサインが提供されました。

これがまず、電子署名の始まりです。そこから電子署名が不動産の売買、もしくは賃貸の取引で非常に広く使われ、これは便利だということで、保険の契約に使われたり、銀行のさまざまな申し込みや口座開設などに使われ、広くBtoCで電子署名というものが普及しました。その後企業間のBtoBの取引にも使えるのではないかということで、BtoBにも非常に普及しております。今ドキュサインの電子署名は、有料ユーザー様だけで66万社、署名する人は数億人というところまで普及しております。

その後ドキュサインが日本法人を登記したのが2015年、そして日本語でドキュサインの電子署名サービスを開始させていただいたのが2017年2月ですね。今から3年半前になります。当時我々がこの電子署名サービスを提供開始させていただいた際、ドキュサインもしくは電子署名に興味を持っていただいているお客様は、業務プロセスのデジタル化、つまりデジタルトランスフォーメーションをしたいけれど、承認契約などで紙とハンコの部分がアナログなプロセスとして残ってしまう。これを何とかしたいという方がほとんどでした。そこから3年が経って、今年の冬に入ると、コロナの問題が出てきました。

みなさまもテレビやウェブのニュースで、ビジネスマンの方々が紙とハンコのために出社しなければならないと言っているのをたくさんご覧になったと思います。在宅勤務、リモートワーク、テレワークをするにあたって、どうしても紙とハンコのために出社しなければならないが、これをなんとかできないかということで、2月3月から電子署名に興味を持たれた方が、ドキュサインに問い合わせいただいているという状況が発生しています。

つまり働き方改革もしくは働き方の改善をしたい場合、どうしても紙とハンコがボトルネックになるということですね。日本における電子署名のニーズというのは、紙とハンコが業務プロセスとして残ってしまい、これを何とかしたいというところからきています。この紙とハンコを使った業務を全てデジタル化するのをサポートさせていただくのが、電子署名だとご理解いただければと思っています。

電子署名の3つのメリットは「簡単」「安全」「世の中が向かっている」

電子署名にはどのようなメリットがあるかというと、大まかに分けると3つあります。1つは簡単で使いやすい。2つ目は紙とハンコよりも安全。3つ目は世の中が電子署名に向かっている。この流れですね。

最初の簡単で使いやすいという部分なんですけれども、今私が紹介させていただいているのは、ドキュサインの電子署名の仕組みを非常に簡素化したものです。

おそらく世の中に出ているクラウドベースの電子署名は、大体同じような作りになっていると思います。ドキュサインに限らず、真ん中にクラウドシステムがあって、みなさま方の画面から見て左側が契約書を作る側で、右側がサインする側。左と右で分かれており、起票者側とサイン側でクラウドに同時にアクセスして電子署名し、契約合意を形成するというようなモデルになっております。

メリットとしては右側に書いてありますけれども、時間や場所、デバイスを選ばずに署名捺印が可能です。非常に簡単ですので、電子署名というものは非常に普及しているということになっています。

最近メディアで、立会人型や当事者型の電子署名というのがよく見られますが、我々が電子署名サービスを提供させていただいた当時、3年半前は、立会人型や当事者型というような言葉はなかったと思います。このドキュサインはどちらかというと、立会人型と言われるものです。真ん中にあるクラウドつまりドキュサインが立ち会って、両者の署名を確認して同意します

それは当事者型と何が違うのかとよくご質問いただきますけれども、当事者型は我々のクラウドのような業者が立ち会わず、ここでいう左と右、起票者側とサインする側が、例えば暗号鍵ですとか証明書のようなものを経てデバイスにインストールし、それをもって本人であると証明してサインをするものになります。

実は先ほど申し上げたように、このデジタル署名というのはずいぶん前から日本に存在します。おそらく電子署名法というものが日本にできたのは2001年から2年、3年ぐらいなので、もう十数年間日本にあります。しかし非常に面倒でかつコストもかかり、時間と場所は問題ありませんが、デバイスを選ぶ必要があって普及していません。一方でクラウドの電子署名は非常に簡単なので普及しており、これがまず電子署名の一つの大きなメリットです。

次にみなさまに理解していただきたいのは、一般的に電子署名=電子契約と思われていますけれども、電子署名は電子契約と同義語ではありません。ここにも書いてありますが、電子署名は契約だけでなく、署名捺印を必要とする合意・稟議、あらゆるものに利用可能です。

今示しているスライドはビジネス上の文書、紙とハンコを必要とする文書の代表的なものを抜き出してご紹介していますが、この中にも契約書でないものもたくさんあります。

例えば休暇申請や育休申請、社内の稟議書、こういったものにも電子署名を使っていただけます。先ほど申し上げたように、電子署名はデジタル署名とは違い、非常に手軽で簡単に使えるので、契約書ではなくても社内にあるハンコを必要とするあらゆる文書に対してご活用いただけて、みなさまの業務を簡素化できるということで、ご理解いただきたいと思います。

電子署名のメリットの2つ目は、紙とハンコよりもはるかに安全なことです。コンプライアンス上も非常に安心して使っていただけます。これが2つ目の大きなメリットです。

従来までの印鑑もしくは手書きのサインは、電子署名と一体何が違うのかというと、印鑑や手書きはその本人の真正性を、印鑑証明もしくは筆跡鑑定というもので証明しています。

つまり人の目、アナログに頼っているのです。ですので信頼性としてはなかなか難しいものがあります。これがデジタルになりますと、契約書、合意書、稟議書がきちんとしたものだということを証明するのに監査証跡というものを使います。これは文章が書き表されてから全ての署名が終わって再現されるまで、誰がいつどこで何をしたかをトラッキングするということになります。

そのトラッキングを証明書として出すことができますので、これをもってこの契約書はきちんとしたものですということになり、デジタルでトラッキングされるので嘘も全くつけませんし改ざんもできません。電子署名になりますとはるかに安全ですということになります。

これが電子署名の2つのメリットです。ただここで注意していただきたいのは、ここでも赤で書いてありますけれども、システムでトラッキングしますので、そのシステムの信頼性は非常に重要になります。信頼性がないシステム、聞いたことがないシステム、脆弱なシステムによって作られた契約書はやはり信頼してもらえません。

世界で一番使われている電子署名「ドキュサイン」

システムの信頼性が大切ということで、ドキュサインの宣伝をさせていただきたいのですが、ドキュサインは今世界で一番使われているサービスです。有料のお客様だけで66万社、そしてサービスを4,000人の従業員で守っています。ドキュサインの文書にサインした方は、だいたい延べ人数で数億人ぐらいいます。

かつ我々は1日あたり全世界で100万トランザクション、つまり100万の文書、100万の契約書をお預かりしています。年間ですと数億枚になります。これだけのものを大切にお預かりさせていただいているということで、ドキュサインは非常に信頼度の高い電子署名サービスだとご理解いただけるかと思います。

次に電子署名サービスでサインされた文書はどんなものなのかというのを、みなさまにお見せしたいと思います。こちらは、私が2年前に公益財団法人日本賃貸住宅管理協会に出した入会申込書です。

これ契約書ではないですよね。こういうものにもご利用いただけます。

右側に誓約書とありましてここにですね、住所氏名、ハンコとあるのが見えると思うのですが、ここに今お見せしているような形で電子署名をして、私がサインしたということが証明できるということになります。

前の前のスライドで、電子署名は監査証跡で文書が正当なものだと証明しますというふうに申し上げましたが、申込書の一番上の方にDocuSign Envelope IDというID、1枚1枚の文書にこのようなユニークなIDが付いてます。

このID一つ一つについて監査証跡というものが発行されます。これはいつ誰がどこで何をしたかを全てトラッキングしています。下の方に証明書のダウンロードとありますが、ダウンロードして保管することもできますし、印刷することもできます。

電子署名でサインした契約書に対して訴訟が起こったらどうなるのか、という質問をよく受けます。ほとんどないのですが、その場合はこの監査証跡を証拠として、担保として出していただければ、契約書が両者の合意をもって締結されたことが証明できますので、こちらをご利用いただくことが可能です。

3つ目、もうすでにみなさまが使っていますという部分ですね。今ドキュサインのお客様は、有料ですが66万社あると申し上げましたが、そのごく一部のロゴを今ご紹介させていただいてます。

みなさまが見たことがあるような、世界の有名企業です。日本でも非常に多くの方に使っていただいておりまして、これはほんの一部のお客様のロゴです。使っていいですと言っていただいているお客様のロゴを紹介させていただいています。

例えば清水建設様やPASONA様、オリンパス様、入っていませんがLINE様にもお使いいただいています。面白いところで言うと真ん中に少年ジャンプ+とあると思うのですが、ジャンプに執筆されている漫画家の方々と、ドキュサインで契約をしていただいています。

真ん中から下、かなり不動産業が多いのですが、もともとアメリカの不動産から始まっていますので、日本でも非常に多くの不動産業の方に使っていただいています。売買賃貸、両方に多くのお客様がいらっしゃいます。メリットとしては電子契約にすると印紙代がかかりませんので、例えば不動産の売買は印紙代が数千万など非常に高く、それが無料になるということで、非常に重宝いただいていますね。これがメリット3つ目ですね。みなさまに使っていただいています。世の中の流れは止まらないということです。

今ご説明させていただいたドキュサインの電子署名、これは製品名で言うと、今お見せしているスライドにある、DocuSign eSignatureという製品になります。

電子的な商品の書面のやりとりを、契約当事者ではないドキュサインが立会人として安全なクラウドサインサービス業で実現するということですね。

契約当事者は非改ざん性を担保しながらドキュメントをあげ、ドキュサインの堅牢なプラットフォーム上で安全に管理しながら、契約が正当であると証明させていただきます。署名時の認証できちんと識別して、通常ですと電子メールとパスワードで入るのですが、それ以外でも2段階認証、3段階認証などのいろいろな形で本当であることを証明できます。

マークの下に署名者認証オプションとあると思うのですが、ドキュサインではさまざまな形で、署名者がサインしたことを認証するオプションを利用しております。例えばマイナンバーをご想像いただくといいのですが、マイナンバーは国が発行するまでに本人が何度も出向くのでかなり安全かと思いますが、なかなか普及していません。一般の契約には使われていませんね。セキュリティと使いやすさは完全にトレードオフですので、セキュリティを深めれば深めるほど当然使いにくくなります。

電子署名はセキュリティと使いやすさで上手くバランスが取れたサービスですので、みなさまにぜひ積極的にご利用いただきたいと考えています。

最後にみなさまに一つ思い出していただきたいのですが、インターネットが出てきたとき、1992年、1993年ぐらいだったと思いますが、当時プロバイダが1社しかなくて、そこに電話ジャックでPCから線を伸ばしてつないで、そういった環境でブラウザを見たりメールソフトを見たりしていました。

当時のインターネットは、社会インフラになるなんて誰も思っていなかったと思うんです。ほとんどの方は思っていなかったのが、今では電気・ガス・水道・ネットになっていますよね。今オフィスでネットが落ちたら大騒ぎですよね。こんなふうになるなんて誰も思っていませんでした。

これはeCommerce、Amazonさんが出てきたときも同じでした。当時私は本はCD屋や本屋で買う、なかったらAmazonで探していましたけれど、もはやAmazonが社会インフラになっています。

まさかネットで米とか牛乳とかバナナが買えるなんて誰も思っていませんでした。やはりいいものはこんな感じなんでしょうね。はじめはみなさん大丈夫かなと思うんですが、本当にそのものが良ければインフラになってきます。

この後ご紹介いただくRPAテクノロジーズさんの商品もですね、今インフラになりつつあります。電子署名はアメリカとかヨーロッパではなくてはならないものになっています。スピード違反も電子署名で切符が切られるような時代になっていますので、必ずRPAと電子署名もゆくゆくは社会インフラになります。

あとはいつ入れるのか、明日か明後日か、トライアルを来週やるのか1年後か、半年後かということだけだと思います。みなさまこちらを真剣にご検討いただくのがいいのではないかということで、私の話を終わらせていただきます。

RPAテクノロジーズ株式会社の概要とBizRobo!の紹介

高橋 陽 氏(RPAテクノロジーズ株式会社 パートナーセールス部): 後半は「RPA×ドキュサイン連携事例のご紹介」ということで、RPAテクノロジーズ株式会社パートナーセールス部の高橋からご説明させていただければと思います。私は現在、パートナーセールス部というところで代理店の担当をしているのですが、昨年から社内のドキュサイン運用推進に携わってまいりましたので、そこでの事例をご紹介できればと思っております。

本日のアジェンダですが、最初に会社概要とBizRobo!のご紹介をいたします。その後、RPA×ドキュサインの連携事例のご紹介と、今後の展望を少しお話しした上で、もうすでにQAを複数いただいておりますので、時間のある限り回答できればと思っております。

会社概要を簡単にご説明いたしますと、弊社はRPAテクノロジーズ株式会社と申しまして、BizRobo!というRPAのソリューションを展開している企業になります。BizRobo!というサービスは2008年から始まりましたので、10年以上前からRPAに関わってきた企業になります。

RPA中心のテクノロジーを用いて事業創造を進めていこうという会社でございます。ビジョンとしては「楽しい時代に進化する」ということで、社会面、生活面、仕事面における「楽しい」を、デジタルレイバーの普及を通じて実現するというビジョンで事業を推進しております。

BizRobo!の導入実績です。2020年1Q時点で2,200社となっております。業種、業界問わずに導入を進めていただいている状況でございます。

BizRobo!の特徴を簡単にご説明いたしますと、単なるRPAツールという言われ方もすることもあるのですがそうではなくて、デジタルレイバーの活用推進に必要な、技術・サポート・ノウハウをワンストップで提供するサービスとなっております。

RPAのテクノロジーの部分はあくまで一部でしかなく、今回の電子署名のようなさまざまなテクノロジーとの掛け合わせで、いろいろなサービスを展開していくベースのプラットフォームというような位置づけであるとご理解いただけますと幸いです。

ドキュサイン×BizRobo!の連携事例

これからドキュサイン×BizRobo!の連携事例ということでお話しさせていただければと思います。先日、弊社からプレスリリースを配信いたしました。ドキュサインを導入しましたという内容になるのですが、ドキュサイン様のホームページや、ホワイトペーパーも今回作成いただいていますので、お時間のある時にぜひ見ていただければと思っております。

コロナウイルスの感染拡大に伴い、リモートワークといった流れから電子署名やRPAが注目され、弊社にもかなり問い合わせをいただいております。

当社の既存のRPAをすでに導入推進いただいているお客様からも、組み合わせて使いたいというようなご相談を複数いただいております。弊社は2019年、ちょうど1年ほど前にドキュサインを導入したのですが、これからドキュサイン様とパートナーシップを締結をしまして、電子署名×RPAでお客様に展開していこうとしているような状況でございます。

早速どんなことに使っているのかというお話をしていこうと思うのですが、現在弊社では主に2つの領域で活用しております。

まず1つ目がサービス利用申し込み、規約同意書ですね。BizRobo! miniとPaper-freeというサービスで使っております。これらはお客様からサービスをお申し込みいただくときに使うような書面になっております。もう1つがお客様から検収依頼をいただいて、請求するというような営業のフローがあるのですが、こちらは弊社からお客様に毎月数百件ほど送付している書面になります。あとはお客様、取引先様のご要望に応じて、覚書や発注書などの適応をどんどん推進していこうとしております。

早速ですが、先ほどご説明したBizRobo! miniの申し込みでドキュサインを使っている事例になります。まずパートナー様、お客様にサービス申込書をご記入いただいて、弊社からエンドユーザー様に署名を依頼するというような流れですね。その後お客様から申込書に同意署名を電子契約でいただいて、電子署名のPDFを受領した後に、アカウント発行を行うというような流れになっております。こちらは従来エクセルか紙で申し込みを受け付けていたので、かなり時間がかかっていました。現在、Paper-freeという別のサービスでも使っているような流れになります。

具体的なフローについてご案内をしていこうと思います。今回の契約プロセスで出てくる関係者なんですけれども、まずエンドユーザー様、お客様ですね。BizRobo! miniの場合は、代理店様経由で導入いただくようなケースが多いのでパートナー様、あとは弊社の社内の話になるのですが、BizRobo! miniの製品の担当部署であったり、担当営業、ロボのマークも出ていると思うのですが、ロボの役割もあります。

導入前のフローとしてはこのような形になっておりまして、エンドユーザー様から発注いただき、利用規約に同意していただきます。パートナー様に申込書をご記入いただき、エンドユーザー様に捺印していただいた後にPDFデータ化し、当社の営業担当がパートナー様から申込書を受領して、内容を確認した上でアカウント申請していました。アカウント申請は従来ですとPDFから転記をしていたので、転記の手間がかかっていました。

転記をした後はアカウント発行をするのですが、アカウント発行自体はロボットがもともと行っています。アカウントの証書を発行して、お客様に案内するところまではロボットがやっております。

このプロセスの中で問題となっていたのが、最初の部分の「ハンコリレー」が発生しているところです。それから人の手で転記をしているところですね。チェックのための無駄な工数が発生し、結果として全てが完了するのに最大5営業日ぐらいかかっておりました。さらに人が介在しているためにミスが発生し、お客様からお叱りを受けることもありました。

ドキュサインを導入すると、フローが全く違うものになります。正式申し込みをいただくところは変わらないのですが、まずは紙の申込書をやめました。紙をWebフォームの受付に変更しまして、申し込み内容をロボットでドキュサインのシステムに転記するようにし、ドキュサインでお客様に署名依頼をするところまでをロボットで実施しております。

お客様が申込書の内容を確認し問題ないということで、責任者の方がドキュサインで合意をすると、お客様やパートナー様、弊社の関係部署に自動で通知がいくような仕組みを構築しております。その後は今までのフローと同じです。ドキュサインの署名、合意が確認された後に、アカウント発行申請を行ってご案内しております。

ちなみにロボットはドキュサインの画面を操作しております。弊社の場合ですとKintoneを使っており、Kintoneに転記するところまでやっております。ドキュサインはSalesforceやBoxなどの著名なサービスであればAPI連携ができるので、APIで操作して、繰り返しこういったフローを流していただくこともできるというふうに考えております。

ドキュサインを活用してBizRobo! miniの申し込みフローを改善すると、今までだと最大1週間ぐらいかかっていたのが1、2営業日ぐらいまでに短縮できました。合意に関わる前後のプロセスもロボットが行っているので、オペレーション全体として負荷軽減につながっていると考えております。契約の準備や合意した後のところで人手が残っていると、やはり手間になってしまいますので、電子署名を活用しフロー全体をデジタル化すると、業務改善の効果がかなり高いと考えております。

次に検収業務で使っている事例になるのですが、弊社からお客様にサービスを納品させていただいて、検収依頼をするところでドキュサインを使っています。ドキュサインに飛ばしてお客様で署名していただくと、製品やサービスをきちんと検収したことになるということですね。署名を確認した後に請求書を発行しております。

従来、毎月月末などお客様によっていろいろなタイミングになるのですが、経理の担当者が出社して、この契約に紐づく検収書はこれですというのを全て印刷して郵送していたので、月末はもうずっとこの作業を行っていました。リードタイムは平均すると5分の1ぐらいに軽減できました。

あとは対応ステータスが明確になったところが大きいと思っています。先ほどドキュサイン様の説明の中で、いつ誰がどこでどのように、というようなお話があったかと思うのですが、郵送ですと送った記録しかないので、お客様の方でこれはちゃんと処理できているのだろうかという話になると思います。ドキュサインですと届いている、開けて署名をしようとしているなどの細かなログまで追えるため、そういったところはメリットだと考えております。

実際の業務フローの中でこのように使っていますというところなのですが、基幹システムから案件リストを出せるので毎月出力させていただき、毎月決まったフォーマットなのでその案件のリストから、ドキュサインでテンプレート化しているものにロボットが転記をしていって、送信してもらうところまでをRPAを活用してやっております。テンプレート化されている帳票、かつ繰り返し送付を伴う業務は探してみると他にもあると思うのですが、その業務にもこの組み合わせが適用できると考えております。

次にですね、ドキュサイン×RPA適用は3つポイントがあるかと思っております。

まず単純に処理量が多い、担当者の負担が大きいところですね。ここはもうご納得いただけると思います。2つ目がテンプレート化されているので例外が少ないことですね。契約合意に関わる書面の電子化なので、書面のパターンが変わるとロボットでも人でも対応しにくいです。ロボットは決められたことしかできないので、テンプレート化は前提としてありますね。

3番目は合意プロセスがシンプルだということです。関係者や前後処理の話ですね。契約プロセスは書面によっては関係者の数が多くなってしまうので、先ほどの申込書の例ですと、弊社からテンプレート化されたものをお客様にお出しし、お客様にサインしていただくという非常にシンプルなところから始めております。関係者が少ないですとか、フローがシンプルなものですね。こういったものですと、RPAと組み合わせて電子署名の導入効果が得られやすいと思います。

ドキュサイン導入の課題と今後の展望

電子署名導入を検討されているお客様もいらっしゃると思うので、私が感じたドキュサイン導入時の課題を簡単にご説明させていただければと思います。ドキュサイン自体は非常に簡単なシステムですので非常にシンプルに導入できるのですが、適用の際に現行オペレーションを変えることを、社内外にきちんと説明しなければならないと思っております。

実際にオペレーションが変わり、お客様にも弊社にもこんないいことがありますよというところを、資料や個別の説明で示すということですね。この啓蒙活動はドキュサインとRPAを活用した業務フローを設計するよりも、時間をかけてやっていたと今振り返って感じております。

最後にですね、今後の展望をお話しできればと思うのですが、ドキュサイン×BizRobo!の活用範囲を広げて社内外に展開していきたいと考えております。

まず電子署名適用範囲の拡大というところですが、複雑な契約合意のプロセスはやはり電子化していかないといけません。契約業務のために出社をしなければならないようなケースもかなりありますので、そういったことをなくして適用範囲を広げていきたいと思っております。テンプレート化された他のサービスなどにも横展開を進めていきたいと考えています。

次はですね、ドキュサインテクノロジーを高度活用していくというところです。ドキュサインが提供する機能をRPAを使って活用しているのですが、まだできる余地が残っていると思います。ドキュサイン自体が非常に高性能なので、まだ使えていないいろいろな機能があります。Powerformという機能やAPI、各種プラグインを活用して、適用範囲の拡大を実現していきたいと思っております。

最後に力を入れてやっていきたいと思っているのが、取引先にドキュサインのソリューションやノウハウを展開することです。お客様やパートナー様にドキュサイン、電子署名の効能を理解していただいて、双方ハッピーになりながら、さらなるデジタルトランスフォーメーションを実現していきたいと考えております。

簡単ではございますが、私のパートは以上となります。電子署名×RPAにご興味のある方はぜひ私までご連絡いただければと思っております。ご清聴いただきましてありがとうございました。

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