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» 2020年09月18日 06時00分 公開

「デジタル庁」発足と「縦割り廃止」で日本はどうなる? 2030年を描いた提言を読んだ編集部コラム

デジタル庁発足で日本のDXは進むでしょうか。2030年、デジタルネイティブ世代が30代になるときに、日本の社会はどうなるかをシミュレーションしたレポートから、いま取り組むべき課題やヒントとなる記事を紹介します。

[原田美穂,キーマンズネット]

 2020年9月16日に菅内閣が発足しました。ITに関わる皆さんにとっては「デジタル庁」の設置や「規制改革を伴う縦割りの打破」といった新内閣の方針がどんな内容になるかが気になるところではないでしょうか。

 もともとこの数年は電子政府化を目指した官民データ活用推進基本法や「デジタル・ガバメント推進方針」に基づく各種法改正が進んでいました。その結果、「デジタル手続き法」などに基づき、すでに幾つかの行政手続きはオンライン化が進んでいます。

2030年の日本にはオフィス住所登記のない企業が存在する?

 この3カ月ほど前の2020年6月には自由民主党政務調査会デジタル境推進特別委員会が年次の政策提言である「デジタル・ニッポン2020」を発表していました。過去の「eJapan構想」のころから毎年発表している提言とのことで、時事的なトピックも多く含まれています。

 2020年の提言の「プロローグ」には、今から10年後、2030年の日本の姿が示されています。たった10年先ですが、そこに見えるのはなかなか厳しい現実です。2030年、インターネット普及の恩恵を受けた第一世代は50代を迎え、30代になったスマートフォン普及後の「デジタルネイティブ」世代が社会や経済を引っ張る立場になります。その一方で、団塊の世代がリタイアし、人口の3分の1が高齢者になります。加えて大規模な感染症流行のサイクルを考えると、ちょうどこの時期に今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行と同様のパンデミックが発生すると考えられているようです。

 デジタル・ニッポン2020は、この前提条件の下で2030年のあるべき社会をさまざまな角度から示しています。例えば、今回のコロナ禍をきっかけに本格化したテレワークの体制は、次のパンデミック対策として今後も維持が必要と考えられています。またテレワークの利用が拡大した場合には「企業が『本社』として住所を登記する必要性があるか」という問題も提起されており、制度見直しでは「バーチャル企業の概念等」の導入を検討する旨が示されています。現在、既に下記関連記事などのように、拠点を分散して対面を伴わない事業運営を主とする企業や、有事の事業継続計画の中でオンラインで業務をこなす「バーチャルオフィス」を用意する組織が現れ始めています。

 今回のコロナ禍を受け、日立製作所や富士通といった国内の名だたる企業がテレワークを前提にワークスタイルを見直したことは、大きな話題となりました。自治体では、東京都の副知事である宮坂 学氏が、2020年8月28日、自身のTwitterアカウントで「物理都庁に加えデジタル空間にもう一つの都庁をつくる。そこは職員が働く場所であり都民が行政サービスを受けられる。リアル一極集中からリアルとデジタルの分散化へ。この方針が本日決まりました」と表明し、注目を集めました。

デジタルネイティブ世代が喜ぶ「昭和の心地よさ」とDXのワナ

 さて、このデジタル・ニッポン2020では、行政サービスのデジタル化を前提に、インターネットアクセスを国民の基本インフラの一つとしています。政府のDX推進は、全国民がどんな環境下でもオンラインで情報収集や手続きができることと表裏一体のものとして整理されているわけです。

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