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» 2020年08月26日 08時00分 公開

投資額に影響を与えているものとは? 国内データセンター投資動向

ビジネスを支えるIT基盤の構築において欠かせない存在となってきているデータセンター。2020年以降の投資動向はどのような状況にあるのか。現在のトレンドを紹介しながら、2024年までの投資動向について見ていきたい。

[IDC Japan]

アナリストプロフィール

伊藤 未明(Mimei Ito):IDC Japan ITサービス リサーチマネージャー

データセンターに関連する調査を担当。国内データセンターサービス市場の他、データセンターファシリティ(建築物、電気設備、空調設備など)市場、データセンター投資動向、データセンターサービス事業者のビジネス動向などさまざまな調査を実施。ユーザー企業向けセミナーなどでの講演経験多数。


2020年の投資額は前年度比50%を超える

 ビジネスを支える基盤として重要なデータセンターは、コロケーションやホスティングでの利用はもちろん、さまざまなクラウドサービスを利用するための基盤としても重要なインフラである。本稿では、2020年以降のデータセンターの投資動向を見ていく。

 2020年における国内事業者のデータセンターの新設および増設投資については、2019年と比べると大幅に増加しており、55.7%増の1830億円になると予測している。特に西東京や多摩エリアなど東京の西エリアや千葉の印西エリアに大型データセンターの建設が続いており、2020年にちょうど竣工(しゅんこう)を迎えたことが大きく数字を押し上げた要因の一つとなっている。

 データセンターの竣工数が増えたことが投資額の大幅増加につながっているわけだが、実はデータセンター当たりのフロア面積が大幅に増床しているわけではない。最近では、大規模な電力キャパシティーの確保が求められていることが投資額増加に影響している。今やサーバ性能の向上や仮想化技術を活用したインフラ統合が進んだことにより、コンピューティングリソースが倍になるとフロア面積もその分だけ必要になるというわけではない。

 データセンターの建設においては、用地確保とともに電力をどこまで引き込めるかが課題であり、仮に必要な電力を引き込めたとしても、その分非常用発電機も含めた電源設備への投資が大きく膨らむ。電源設備を冗長化すればその分投資額も膨らむため、データセンターあたりの投資額を押し上げる要因の一つになるというわけだ。

 建設コストの上昇も投資額増加の一因だろう。東日本大震災以降、工事原価が上昇し、また復興需要や2020年に開催予定だった国際的なイベントの影響から人手不足が続いていた。中長期的に見ても、人手不足は深刻な状況になるのは間違いなく、今後も人月コストが下がるということは考えにくい。しかも、現場の長時間労働を是正する動きもあるため、工期は長期化の傾向にある。労働環境の適正化を図る中で、当然コストが上乗せされ、最終的には投資額が膨らむというわけだ。

2022年以降、データセンターの投資額が拡大、その理由とは?

 2021年以降を見ると、2020年の反動から2021年はやや減少するものの、2022年以降は2000億円を超える規模で投資額が拡大すると予測している。

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