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» 2020年08月19日 06時00分 公開

「No密」組織の知識交換はどうなる? 動画コンテンツ基盤がもたらすメリットとは

テレワークを実践する企業の中には、オンライン会議、商談などの録画データの蓄積が増えているのではないだろうか。いま、この記録を新常態らしく活用する方法が提案されている。組織コミュニケーションはこれからどう変わるだろうか。

[キーマンズネット]

「暗黙知が伝わらない距離感」をどう受け入れるか

 コロナ禍をきっかけに国内大手IT企業を中心に出社を前提としない働き方を選択しする企業が出てきた。いち早く全面的なテレワークに切り替えたGMOインターネットグループの他、テレワークを前提とした勤務形態を選択し、今後3年でオフィス面積を半減させると発表した富士通、ジョブ型雇用制度の導入と併せて在宅勤務を標準とする働き方を推進する日立がその代表だろう。

 テレワーク移行の対応の中で課題となりやすいものの一つが「暗黙知」の伝達手段だ。「分かりにくいことがらを口頭で説明してもらう」「作業する様子を横で見てもらう」といった、組織が「密」であることを前提としたコミュニケーションはテレワーク環境で再現することが難しい。ドキュメントやマニュアル類を整備すればある程度の情報共有は可能だろう。だがそれらの情報整理は従業員の負担を増やすことになる。また、細かな情報はドキュメントからも抜け落ちやすく「ちょっと聞けば済むこと」はドキュメントの中でも暗黙知のままになることもある。抜け漏れなく全て文字情報にしてしまえば情報量が膨大になり「何が重要か」が伝わりにくくなる弊害も起こり得る。この点で、Web会議などの映像を使ったコミュニケーションは個人の表情やインタラクティブなやりとりの中で情報を補完でき、表情や声色などの「熱量」を感じられるため、密になれない組織の連携手段として注目されている。

 従来、企業内の動画コンテンツは、対外向けのマーケティング素材や技能伝達、社内教育教材に使われ始めていたが、いずれも全社的に利用される性質のものではなかった。このため動画の取り扱いは部門や業務単位になるのが一般的で、部門横断で動画を活用するといった発想は生まれにくかった。営業教育向けの動画資料を製品開発部門が閲覧する、といったシナリオはあまり想定されてこなかった。

たまり続ける「議事録ついでに保管した動画」の使いどころ

 コロナ禍に起因する業務のオンライン化シフトをきっかけに、業務のさまざまな場面で発生するコミュニケーションは簡単に映像で記録できるようになった。皆さんもWeb会議を主催すれば「念のために」「議事録代わりに」と、録画データを保管しているのではないだろうか。

 社員受け入れの研修をオンラインで実施した企業は、次の入社手続きに向けて研修を録画して再利用するかもしれない。優秀なセールス担当の営業プレゼンテーションを記録して、教材として閲覧する企業もあるだろう。出張が難しくなった企業では、技術伝達のマニュアル代わりに映像解説を配信するかもしれない。テレワークやソーシャルディスタンスが当たり前になった現在、企業のさまざまな業務に「動画」が入り込んでいる。この「動画」をどう自社の資産として生かすかを考えたときに必要なのは、個別の業務支援ツールにおける映像コンテンツを一元的に取り扱える全社的な動画基盤だ。

 だが、ただ動画を置いたところで忙しい従業員がわざわざ見るとは限らない。知らない部署の関係がなさそうな動画となればなおさらだ。ここで、別のもう一つの工夫が必要になる。

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