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» 2020年08月03日 08時00分 公開

“紙”を捨てきれない企業に潜む組織問題とは? ワークフロー最新事情

法改正が進み、すでに業務のデジタル化の素地はあるものの、なぜ今もなお紙ベースの業務は根強く残るのか。紙ベースのワークフローからの脱却には、システムの導入以前にやるべきことがある。

[指田昌夫,キーマンズネット]

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染危機は緊急事態宣言解除後も続き、企業はテレワークを業務に組み入れた形でウイズコロナ、アフターコロナの働き方を模索している。

 テレワークで真っ先に注目されるツールは、Web会議システムやチャットツールなどのコミュニケーションに関わるアプリケーションだ。これらは対面で実施できなくなった商談や社内の打ち合わせ、会議などを補うツールとして利用が爆発的に広まった。

 その一方で、「ハンコ出社」などと“やゆ”された、紙の回覧を伴う各種申請、承認のプロセスは、これまでの方法を直ちにオンライン化することが難しく、感染の危険の中、従業員をわざわざ出社させて、申請・承認業務を回していたという企業も少なからずあった。

 クラウド型のワークフローツールが普及し、紙ベースの業務フローからオンラインベースの業務フローに切り替える企業が増えているが、従来の紙ベースの業務フローを捨てることができない企業も多い。とはいえ、そういった企業においても、今後の状況が不透明な中で、改革の機運が高まっている。本特集では、ワークフローシステムの専業ベンダーであるエイトレッドに、今もなお紙ベースの業務プロセスを継続する企業の問題点と、そこから脱却するための方法について話を聞いた。

紙は成果が見えやすい? 紙を捨てられない組織風土

 エイトレッドによれば、今なお紙ベースの業務フローを継続する企業は多く、その理由の1つに、紙の文書による社内の伝達そのものが社内のコミュニケーションとなっているケースがあるという。紙を回覧する際に取り交わす当事者同士の会話が、社内の重要なコミュニケーションの場になっている職場では、単純にワークフローを電子化することによるマイナス面も大きい。業務プロセスの改善と同時に、コミュニケーションの在り方も考え、そのやり方を変えていく必要がある。

 また、紙の量が仕事の“やった感”になっているような企業もあるという。紙がなくなると、仕事の成果や業務量が見えづらくなって困るという意識を持つ管理職が多いと、なかなか紙ベースの業務フローはなくならない。こうした企業では、承認印が社内における権力の象徴のような意味をもっており、モノとしての承認印とある種儀式的な押印の業務を手放すことになるワークフローの電子化には、管理職を中心に根強い抵抗感があるという。

紙のワークフローからの脱却、システム以前にまず考えたいこと

 紙をベースとしたこれまでのワークフローから脱却するためには、まず何から変えるべきか。システムに頼る前に、まずやらなければならないことがあるという。

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