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» 2020年07月20日 08時00分 公開

クラウド型「採用管理システム」とは? 基本機能とメリット、ベンダー選定のポイントを解説

採用業務は従来、紙の履歴書や職務経歴書が重宝され、管理もExcelを使った手作業でという企業が多かった。そういった状況を改善するため、現在では40社を超えるベンダーから簡単に導入と運用可能な採用管理システムが提供されている。本稿は、採用業務が抱えている課題とそれを解決する採用管理システムの機能を紹介する。

[吉村哲樹,キーマンズネット]

採用業務の効率化を実現する「採用管理システム」

 人事部門はこれまで、システム化による業務効率化や生産性向上にどちらかといえば「消極的」「保守的」だと考えられてきた。特に採用業務はその傾向が強く、いまだに紙の履歴書や職務経歴書が重宝され、情報の集約・管理もExcelを使った手作業でという企業が多い。

 大量の人員を採用する大企業の中には、自社の採用業務プロセスに合わせたシステムをスクラッチで開発、運用しているケースもあるが、中堅・中小企業はそこまでのシステム予算を持たず、また少し前までは手軽に導入できるパッケージ製品も極めて数が少なかった。

 しかし現在では状況は一変し、国内だけでも40社を超えるベンダーから比較的簡単に導入・運用可能な採用管理システムが提供されている。こうした活況の裏には、現在多くの企業が採用業務において抱える課題や問題意識がある。本稿では、採用における課題とそれを解決する採用管理システムの機能を紹介し、最後に選定のポイントを整理したい。

採用業務の主な課題とは?

人材確保がより困難に

 まず第一に、年々と少子高齢化が進み、日本全体で人材の獲得が難しくなっている。従来のような通り一辺倒の採用活動では、なかなか優秀な人材を確保できない。そこで、自社の魅力を求職者により広くアピールすべく、新たな採用戦略を企画・実行しなければならない。

働き方改革の推進

 働き方改革推進の観点からも、人事部門の業務効率化が求められている。今後労働人口が徐々に減っていく中、限られた数の人員でより多くの業務をこなしていくためには、やはり非効率な作業をシステム化し、効率化していく必要がある。これは事業部門だけでなく、働き方改革の施策を立案する立場にある人事部門においても同様だ。

コロナ禍に伴うテレワーク

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、多くの企業が従業員の勤務形態をテレワーク体制へ移行している。緊急事態宣言の解除後、テレワークから通常勤務体制へ戻す企業も見られるが、コロナ禍が収束した後のニューノーマル(新常態)時代においては、テレワークの働き方が一般化するのではないかといわれている。

 ただしそのためには業務のペーパーレス化やシステム化が不可欠だといわれており、紙の履歴書や職務経歴書が飛び交う旧態依然とした採用業務のままではテレワークなど到底おぼつかない。そこでシステム導入を機に採用業務のペーパーレス化や電子化を実現し、採用業務にテレワークを導入しようと試みる企業が出てきている。

手作業による人的ミスの可能性

 ただでさえ日々の業務で多忙な採用担当者が、新たな施策を考え、実行し検証するまで費やす時間を捻出することは簡単ではない。応募者情報をExcelに転記したり応募者それぞれにメールを送信したりといった定型業務を、人事部門が手作業で実行しているケースもある。こういった人手による非効率な採用業務をシステム化すれば、採用戦略の検討・実行により多くの時間が割けるようになるだろう。また、人的作業では発生する可能性がある人的ミスを発生させないようにもできる。

クラウド型製品の普及でより身近なソリューションに

 クラウド型のビジネスアプリケーションが市民権を得たことも追い風だ。かつては、求人応募者の個人情報をクラウドシステムに預けることに強い抵抗感を覚える企業も少なくなかった。しかし「Salesforce.com」や「Office 365」「サイボウズ」といったビジネス向けクラウドアプリケーションが広く普及した結果、クラウドに対する不安や懸念はかなり取り除かれた。

 その結果、採用業務の領域においても、手軽に導入でき月額払いで利用できるクラウド型の採用管理システムが多くのベンダーから提供されるようになった。今では採用管理システムといえば、その大半がクラウド型の製品で占められるようになった。

 クラウド型製品は低コストかつ短期間で導入できるため、これまでコスト面の制約からシステム化になかなか踏み込めなかった中堅・中小企業でも比較的手を出しやすくなった。その一方で、クラウド型の製品は旧来のオンプレミス型の製品と比べ、カスタマイズの柔軟性に欠ける。大抵の企業にとってこの点はさほど問題にならないが、一部の企業では自社の採用プロセスにシステムをきめ細かく対応させるために、あえてオンプレミス型の製品を選んで大幅なカスタマイズを加えたり、一からスクラッチ開発する方法を選ぶこともある。

作業効率化、人的ミスを防止せよ 採用管理システムの基本機能とは

 では採用管理システムとは一体どのような機能を備えており、どんなメリットを企業にもたらすものなのか。現在市場に出回っているクラウド型採用管理システムは、細かな点ではそれぞれ違いはあれど、主要な機能においては実はさほど大きな差はない。以降では、複数のベンダーのクラウド型採用管理システムが共通して備える主要機能を紹介する。その上で、ベンダーごとの差別化と選定のポイントを解説したい。

 まずは、採用管理システムの主要機能についてだ。人事業務の大きな課題でもあった応募者情報の転記ミスや応募者へのメール送信ミスといった「人的ミス」は、人事部門が細心の注意を払っていても、手作業であれば発生してしまう可能性をゼロにはできない。採用管理システムは、こういった課題をどんな機能でカバーするのだろうか。

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