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» 2020年07月13日 08時00分 公開

コロナ禍でも約半数が“毎日出社”の中小企業の経理、なぜ「出社しない経理部」を作れたのか

ラクスが発表した調査によれば、従業員数「301〜400人」規模の中小企業の経理は、コロナ禍であっても約半数が「週5日以上出社している」と回答したという。一方で、「全く出社しない経理部」を実現した企業があるという。

[齋藤公二,インサイト合同会社]

 日本の紙・ハンコ文化が業務のデジタル化や働き方改革の取り組みを妨げているとやり玉に上がるケースが増えた。特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行し、テレワークシフトが進む中、総務や経理など一部の従業員は押印や郵送のために出社せざるをえなかった。クラウドなどを活用してほとんどの業務はデジタル化できているものの、特定の総務・経理業務だけがアナログな現状に対して多くの批判が向けられた。

デジタル化の素地はあるが、「脱紙・ハンコ」はなぜ進まない?

 2001年に施行された「電子署名法」(電子署名及び認証業務に関する法律)によって電子文書への電子署名をハンコと見なすことが可能になった。また、1998年に制定された「電子帳簿保存法」(電帳法)も2020年までの段階的な改正によって、税金関係の帳簿書類を電子データとして保存することも認められた。その間、電子契約や電子保存のためのソリューションもさまざまなベンダーから提供されてきた。紙のペーパーレス化やハンコの電子化はすぐにでも取り組めるのだ。

 ではなぜ「脱紙」や「脱ハンコ」が思ったほど進んでいないのか。「その背景には、ツールや仕組みの導入だけでは解決しにくい業務課題がある」と指摘するのは経費精算システム「楽楽精算」を展開するラクスの本松 慎一郎氏(BOクラウド事業本部長 兼 楽楽精算事業統括部長)だ。

 「われわれが最近実施した調査では、経理担当者の約7割が『平常時でもテレワークできる体制が必要だが、なっていない』と回答しました。経理のテレワーク化という変化への適応はまだ不十分で、経理業務を中心にバックオフィス領域には非効率な業務が多く残っています。ハンコ問題は氷山の一角に過ぎません。いま求められるのは『脱 紙・ハンコ』の本質を捉えたうえで変化に対応していくことです」(本松氏)

 ラクスが運営するオウンドメディア「経理プラス」で実施したアンケート調査「テレワーク推進状況の実態」(実施期間:2020年4月20日〜24日)によれば、従業員数「301〜400人」の企業規模に勤める経理担当の約半数がコロナ禍であっても「週に5日以上出社している」と回答したという。

 半ば強制的にテレワークに移行したことで紙・ハンコ問題がクローズアップされたが、問題の本質はそれを解決できずにいた業務の在り方そのものを見直すことにあるということだ。

中小企業のテレワークの実施状況(資料提供:ラクス)

世間は決算時期、なぜ「出社しない経理部」を実現できたのか

 ラクスの顧客の中には、コロナ禍を乗り切り、業務の在り方を見直すことに成功した企業もあるという。

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