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» 2020年05月25日 08時00分 公開

脱・昭和の働き方とは? なぜ平成の30年間、私たちは昭和のワークスタイルを続けたのか

ハンコもFAXもオフィスも……。私たちの労働環境はなぜこうも「昭和」だったのか。平成の30年間、私たちはなぜITを無視してきたのか。

[キーマンズネット]

 SaaS型VDIサービスを運営するドコデモとビジネスチャットを運営するChatworkは、テレワーク支援ツールベンダーらを募り「テレワークカンファレンス」を開催している。第3回のカンファレンスは、新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけとした緊急事態宣言下で、全国的にパンデミック対応のための緊急テレワークが進む渦中の2020年4月27〜28日に開催された。

 多くの企業がテレワークに十分に対応し切れず、通勤を続ける状況が報道される中、「なぜテレワークに対応できなかったか」を、思い込みや慣習の問題から整理したのが総務省 行政評価局総務課長の箕浦龍一氏だ。

昭和スタイルの働き方からついに決別する時が来た

 「感染症が拡大する前、日本の大企業のテレワーク導入率はおよそ2割程度で、それ以上はできないといわれていた」(箕浦氏)

 実際、今回の感染拡大では強力なロックダウンを実行する国が目立つが、日本は通勤を続ける状況が目立っていた。イギリスの調査機関と日本リサーチセンターの共同調査(注1)によれば、他の主だった国と比べると、日本は通勤通学を避ける行動を実施している率が非常に低いことが分かる。

日本リサーチセンター「新型コロナウイルス自主調査 第5回調査結果」(注1)

 一方で、日本は近年の国際競争力の低下が目立つ。箕浦氏はスイスのビジネススクールIMDが毎年発表する「世界競争力ランキング」(注)のデータを基にしたグラフを示し、「1992年には、日本の国際競争力はトップだった。そこから下降線をたどり、2018年には国内では景気が上向いてきたと言われていた中で、国際競争力が最下位に落ちている」と指摘する。


平成の30年間を昭和の働き方で過ごしてきた日本の「思い込み」と「誤解」

 なぜ、日本人はこんな時でも会社に通うほど勤勉でありながら、企業競争力の長期低迷が続いているのか。箕浦氏は、日本が社会の大きな変化に対応できなかったからだと説明する。 その変化とは、情報機器の進化と、それに伴う働き方の変革だ。

 昭和の時代、最先端の通信機器は、固定電話とファクシミリだった。それが平成の時代、PC、携帯電話、スマートフォンに置き換わっている。これらが象徴するように、世界では「ICT革命」と呼ばれる大変化が起きた。それにもかかわらず、日本企業の多くが平成の30年間を昭和のワークスタイルで突き進んだ。この背景には、ある「思い込み」と「誤解」があった、というのが箕浦氏の指摘だ。

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