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» 2020年04月30日 08時00分 公開

人材流出に歯止めをかけるにはアレが効く? 組織と従業員をつなぐ4つの心得とは

組織から離れる従業員やスタッフ。なぜ、人材流出は起こるのか、有効な改善策はないものか。本連載最終回は、組織離れに歯止めをかける施策について解説する。

[太田 努,サイト・パブリス]

 本連載の最終回となる本稿では、従業員エンゲージメントの向上とインナーブランディングとの関係、インナーブランディング成功企業の事例や社内報と採用サイトで社内外に情報発信する際に考えたいポイントなどについて解説します。

著者紹介:太田 努(デジタルフォルン 取締役COO)

大手人材総合サービス企業在籍時にアウトソーシング事業を中核とする社内ベンチャーを立ち上げ、上場。主に営業やサービス企画、グループ企業経営などに従事。その後生活産業系企業に移り、BtoCの店舗運営事業の立ち上げに携わる。事業責任者として店舗オペレーションやサービス企画、マーケティングなどを統括。現在はデジタルフォルンのCOOとして事業運営全般を担当しながらグループ会社であるサイト・パブリスの執行役員を兼務。デジタルマーケティング領域の拡大に向けた取り組みを行う。


従業員エンゲージメントの向上とインナーブランディングとの関係性

 この人手不足の時代において従業員の定着が課題となる中、離職率低下の鍵を握るのが「従業員エンゲージメント」です。エンゲージメントを高めるには、企業が掲げる理念やビジョンは重要な要素です。企業と従業員の価値観が一致すれば、それぞれの思いや意思が強まるだけでなく、労使間の信頼関係も強まります。

 「従業員エンゲージメント」は、今働いている会社をどれだけ信頼しているか、どれだけ貢献したいと考えているか、など勤務先への愛着を示す概念です。しかし、エニワンが2019年4月に実施した「企業理念・ビジョンの浸透に関するアンケート」によれば、企業理念やビジョンをしっかりと理解していない従業員は6割に上り、そのうちの約4割が「理想と現実の差が大きい」と感じているといいます(図1)。また、エンゲージメントが高い従業員の離職率は、エンゲージメントの低い従業員よりも90%近く低いという調査結果もあり、あらためてエンゲージメントの向上は離職率の防止に有効だといえるでしょう。

図1 企業理念・ビジョンをしっかりと理解しているか(出典:エニワン「企業理念・ビジョンの浸透に関するアンケート」)

 従業員エンゲージメントを高めるには、企業理念とリンクした取り組みが重要です。解決策として、本連載第4回でも解説した「インナーブランディング」があります(詳しくは第4回の記事をご参照ください)。インナーブランディングのお手本となる企業としてサントリーや伊藤忠商事などがあります。伊藤忠商事はコーポレートメッセージの発信力を高めることで社内への価値共有を進めています。この両社に共通するのは、企業理念やコーポレートメッセージが誰から見ても分かりやすく、浸透しやすい言葉を選んでいることです。これは、インナーブランディングによって従業員エンゲージメントを高める際のポイントになります。

先行企業に見る企業情報の発信の在り方とは

 ただし、インナーブランディングの推進には時間を要するため、並行して取り掛かれる別の施策も必要です。特に従業員に対する情報発信は重要です。多くの組織はラインマネジメントによる人づてか、グループウェアを活用して情報を発信していますが、それで組織メッセージが従業員に十分に伝わっているとは思えません。そのため、伝えるメッセージを明確にするとともにタイムリーに情報を発信することが重要です。以降では2社の成功事例を参考にインナーブランディングの具体的な手法を紹介します。

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