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» 2020年05月01日 08時00分 公開

コールセンター業務のBCP対策、増加する問い合わせにどう対応する?

災害や疫病など有事が発生すると顧客からの問い合わせは増加します。最低限、コールセンター業務が通常通り遂行できていなければ企業のサービス品質は低下してしまいます。どのような方策をとれば良いのでしょうか。本記事は「BIZTEL ブログ」の記事を元に編集・再構成しています。

[坂元 剛,株式会社リンク]

 新型コロナウイルス感染症の流行で、災害や疫病対策がいっそう重要視されています。企業に対する信頼は「安定性」「継続性」などが大きく影響するため、異常事態でもサービスを継続するための工夫が求められます。

 顧客接点領域の柱となるコールセンターでは、災害やパンデミックを機に問い合わせが激増する可能性が高く、柔軟性や即応性を考慮した「BCP(事業継続)対策」が必須です。本稿では、コールセンターのBCP対策に役立つクラウドサービスと、実際の導入事例を紹介していきます。

著者紹介:坂元 剛(さかもと・つよし)株式会社リンク取締役 BIZTEL事業部長

 インターネットシステムに関する開発業務からキャリアをスタート。監視システムや多数のWebシステム等の構築の知見を生かして、今まで誰もトライしてこなかったPBXをインターネットサーバに載せるという「BIZTEL」サービスを立ち上げ。データ通信および音声通信のソリューション提供まで幅広い経験をもとに「BIZTEL」の成長を支える。


コールセンターにBCP対策が必要な理由

 まず、コールセンターにおけるBCP対策の大切さについて解説します。2011年3月に発生した東日本大震災では、東北地方と首都圏で多数のコールセンターが業務停止を余儀なくされました。

 コールセンターが業務停止に追い込まれた理由は、次のように整理できます。

 東日本大震災時のコールセンターの実情として「通勤困難によるオペレーターの稼働率低下」「首都圏全体の電力不足によるシステム稼働時間の強制的な短縮」などが挙げられます。2011年、特に深刻な打撃を受けたのは、単一拠点で「分散」「冗長化」が不十分だったコールセンターでした。地震が直撃していない郊外のコールセンターでも、市街地のライフライン停止の影響から、復旧まで2カ月近く要した例もあります。コールセンター自体の被害は軽微でも、周辺地域の復旧が遅れれば満足な稼働は見込めません。

 その一方で、震災から数日後には、業務停止の反動から問い合わせ件数が数倍に増加しました。急激な業務量増加に現場はついていけず、満足なサービスの提供ができないという問題も発生したそうです。

 地震以外にも新型コロナウイルス感染症のように疫病による業務停止リスクもあります。インフルエンザをはじめ感染症は、公共交通機関やオフィスなど「人が集まる場所」を中心に拡散していきます。もし従業員が感染した場合、感染していない従業員も通勤制限をかけ稼働を維持する方法を考えなくてはなりません。

 コールセンター向けBCP対策として考慮すべきことは、多拠点化と冗長化に加え、遠隔地に拠点を分散させると拠点同士でお互いの業務を補完できる仕組みの構築、通勤を伴わないコールセンター運営基盤の構築が重要です。社員を一カ所に集めず、出勤や欠勤の管理、シフト調整などが可能なシステムを構築しておくことも必要です。

 「オンプレミス型のシステムの利用をしている」「特定の地域内にのみ拠点を持つ」といったコールセンターは、災害対策が難しく、BCP対策の観点からするとリスクが高くなるため、分散と冗長化、共通化が容易なクラウドを活用したBCP対策の立案についても検討すべきでしょう。

BCP対策に役立つクラウド型コールセンター導入事例

 コールセンターのBCP対策として有用な手段はクラウド型コールセンターシステムの利用です。多拠点でのコールセンター業務の他、在宅でのコールセンター業務も可能とするシステムとは。その機能と3つの事例を紹介します。

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