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【2020年版】1万円から始められるRPAツール6選

» 2020年04月17日 10時00分 公開
[PeacefulMorning]

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RPA BANK

 労働人口減少や働き方改革をきっかけに「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」がもてはやされている。しかし、人手不足が深刻で自動化・効率化が急務と思われる中小企業は大企業ほどRPA導入が進んでいない。その背景には、RPAツールのコスト面、RPAツールを使いこなす時間や人材確保が困難といった運用・保守面での課題があるようだ。

 こうした課題に対し、RPA業界では中小企業での利用拡大に向けて変化が起きている。既存の高機能で汎用的なRPAツールに対し、個人の業務自動化を目的としたRPAツールや、特定の業20務・業界に特化したRPAツールなど、より低価格でより簡単に扱えるRPAツールが登場している。

 本記事では月々1万円以内で利用できるRPAツールとRPA機能がついた自動化ツールを紹介する。

■記事内目次

  • 低価格RPAツール 各製品の概要と特徴
  • RPA機能が付いた低価格な自動化ツール
  • まとめ

低価格RPAツール 各製品の概要と特徴

 特に低価格な4つのRPAツールについて、各ツールの概要と特徴を解説する。

年額1万円!パソコン初心者でも使える「nalgo-bot」

概要

 「nalgo-bot」は日本アルゴリズム社が手がけた国産RPAツールで、2019年7月にサービスをスタートした。「安い、早い、簡単」をコンセプトにしている。

販売元:日本アルゴリズム株式会社(本社:日本)

特徴

  • 作業を記録して再生するだけの簡単操作で、プログラミングの知識は一切不要
  • 記録した操作内容をタイムライン形式で可視化し、業務のブラックボックス化を回避
  • 作成したシナリオは実行ファイル(EXEファイル)に出力でき、実行ファイルは「nalgo-bot」のインストール不要で自動再生可能
  • 統計レポートにより削減時間を見える化
  • シナリオをスクリプトに変換でき、プログラミング知識があれば高度な自動化も可能

価格

1ライセンス(パソコン1台)1万円 / 年

※ライセンス契約は最低10ライセンスから

※ソフトウェア利用料金となっておりサポート料金は含まれない

事例ロボット/導入事例

  • 見積もりや売上を転記する作業を自動化
  • 大量のExcelデータをWebサイトへ登録する作業を自動化
  • 毎朝の作業環境準備を自動化
  • 複数の端末でのインストール作業を自動化

月額2,000円で手軽に始められる「My Automation!」

概要

 「My Automation!」は、ミツイワ社による国産RPAツールで2019年9月にリリースされた。個人業務の自動化に焦点を当て、「安価で簡単・手軽」をコンセプトとしている。

販売元:ミツイワ株式会社(本社:日本)

特徴

  • マウス操作での記録を主とし、誰でも1日で習得可能なため人材育成コストが不要
  • 月額制で初期費用もなく「とりあえず始めてみる」を可能とする価格設定
  • 個人使いツールを想定しているため、運用体制やロボット管理が不要

価格

1ライセンス 2,000円 / 月

事例ロボット/導入事例

  • ブラウザからのファイルダウンロード
  • 発注書情報の取りまとめ

高機能で低価格!世界中で支持を集める「WinAutomation」

概要

 「WinAutomation」は2008年に開発されたギリシャ発の中小マーケット向けのRPAツールで、低価格ながら豊富な機能を備えており、世界中で9,000社以上から支持を得ている。2019年3月より日本でもサービス展開を開始した。

開発元:Softomotive社(本社:イギリス)

パートナー:ロジウム株式会社(本社:日本)

特徴

  • OCR(光学文字認識)機能やスケジューリング機能、AI(人工知能)機能連携などの高機能を搭載
  • 1つのロボットが同時に複数のプロセスを実行可能
  • 上位版のサーバー型RPA「Process Robot」へ簡単に移行でき拡張性が高い

価格

1ライセンス 1,068$ / 年(日本円:約11万円 / 年)※為替による

事例ロボット/導入事例

  • 会計システムの自動操作
  • 申込書をOCRで読み取り基幹システムへ自動入力
  • BI(Business Intelligence)ツールから経営用レポートを定期的に自動出力
  • 大量のトランザクションデータの分析、KPI(Key Performance Indicator)作成

インストールも開発も不要ですぐに使える「RoboRobo」

概要

 「RoboRobo」はクラウド型のRPAサービスで2019年8月にスタートした。自動化する業務を限定することで、自分たちでの開発や外注での開発が困難という課題を解決する。サービスを提供するオープンアソシエイツ社は、人気のRPAツール「BizRobo!」を販売するRPAテクノロジーズ社のグループ会社である。

販売元:オープンアソシエイツ株式会社(本社:日本)

製品ラインアップ

  • RoboRobo リクルーティング(採用担当者向け)
  • RoboRobo スカウトメール(人材紹介会社向け)
  • RoboRobo リスクチェック(法務・管理向け)
  • RoboRobo 楽楽精算RPAパック(楽楽精算 利用ユーザー向け)

特徴

  • クラウド型のためツールの購入や面倒なインストールが不要
  • 特定の業務に特化している
  • あらかじめロボットが開発されているため即日利用開始可能

価格

5,000円 / 月〜

事例ロボット/導入事例

  • 応募者情報を採用管理システムへ自動転記
  • スカウトメール送信
  • 反社チェック
  • 経費申請の重複チェック

RPA機能が付いた低価格な自動化ツール

 RPAツール以外にも、既存サービスにRPA機能を追加し自動化を推進するサービスが登場している。各サービスの概要と特徴を解説する。

Webアプリ作成サービスにRPAエンジンを融合した「CELF」

概要

 「CELF」はExcel感覚で誰でも簡単にWebアプリケーションが作れるサービスで、SCSK社が提供している。2018年4月より、「CELF」に拡張オプションとしてRPA機能が追加された。

販売元:SCSK株式会社(本社:日本)

特徴

  • システム開発機能を備え、標準化されていない業務を「CELF」でシステム化し、RPAオプションで自動化を実現する
  • 個人の業務をロボットが自動化
  • 導入しやすいコスト

価格

1台 35,000円 / 年

※実行ライセンス・開発ライセンス込み。その他初期費用不要

※別途CELF本体の購入が必要

事例ロボット/導入事例

  • 他システムで入力された売上データを販売管理システムへ登録
  • 支払先からの請求データと販売管理システムの支払予定データを照合
  • 販売管理システムの売上データを元に分析資料を作成

Microsoft社が手がけた世界中で注目度の高い「Power Automate」

概要

 元々Microsoft社が提供していたワークフロー自動化エンジン 「Microsoft Flow」に、RPA機能「UI flows」が追加され2019年11月に「Power Automate」として再リリースされた。Microsoft社が提供するデジタル変革をもたらすためのサービス「Power Platform」を構成するサービスの1つでもある。

販売元:日本マイクロソフト株式会社(本社:日本)

特徴

  • API(Application Programming Interface)対応のアプリケーションは信頼性の高いAPIで連携し、API非対応のデスクトップアプリケーションやWebアプリケーションはRPA機能で連携する
  • 「Power Platform」を構成する他サービスとデータ連携することで、より強力なビジネス ソリューションを構築可能
  • コミュニティに参加することで、世界中にいる数万人のメンバーとアイデアを共有したり専門家から学ぶことができる

価格

1ユーザー 40$ / 月(日本円:約4,000円 / 月)

※為替による

※2020年4月2日よりRPA機能が正式版としてリリース予定

事例ロボット/導入事例

  • メールの添付ファイルをドライブに保存
  • ファイル共有・情報共有サービスに新しいファイルが追加されたらメールを送信
  • タスク管理ツールにタスクが追加されたらチャットツールに通知

まとめ

 月々1万円以下で利用できる低価格なRPAツールと、RPA機能が付いた自動化ツールを紹介してきた。安かろう悪かろうではなく、各ツールの特徴を理解し利用用途に応じてツールを選択することが重要だ。

 低価格なRPAツール・簡単に扱えるRPAツールの登場により、コスト面、運用・保守面の課題からRPA導入に踏み切れなかった企業でも、RPA活用ひいては業務自動化・効率化を推進することが可能になる。また既にRPAを導入している企業でも、業務内容に合わせてRPAツールを使い分けることで、コストを抑えつつ自動化の範囲を広げられる。低価格RPAツールの台頭により、ますますRPA活用が進むことが期待される。

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