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» 2020年03月04日 09時30分 公開

基幹システムをRPAでストレスフリーに? 中小企業が考えた妙案とは

フルスクラッチで開発した基幹システムをERPに置き換えたものの、現場からは「帳票を出力するのにワンアクション増えた」といった声が数々寄せられた。そこで、“ストレスフリー”の基幹システムに変えるためにRPAの活用を思い付いた。

[土肥正弘,ドキュメント工房]

 業務効率化の決め手としてRPA(Robotic Process Automation)の導入を考える企業は多い。しかし、RPAといってもその適用可能な範囲は広い。化学製品を取り扱う老舗商社の昭和興産は、ERPパッケージの機能で不足する部分をRPAで補おうと考えた。

 その結果として、当初の目的の達成だけではなく副次的な効果も得られたという。本稿では、昭和興産のRPA導入の道筋と導入後の現場の変化について説明する。

現場に想定外のフラストレーションを生んだシステムリプレース

 昭和興産は1943年創業の化学製品の専門商社だ。国内に8拠点、アジアに4拠点を構え、約1500社の仕入れ先と約1700社の顧客ネットワークを持つ。これまでビジネスを支えてきたのはスクラッチで自社開発した基幹システムだった。しかし、同社にもIT技術者の高齢化や人材不足の波が訪れ、スクラッチで開発した基幹システムが今まで通りに維持できるかが課題となっていた。

 解決策として、2016年に基幹システムの刷新に踏み切った。ERPパッケージの導入を決め、運用をスタートさせたのが2017年8月のこと。しかし、運用開始間もなくして現場から不満の声が挙がった。

 「これまで帳票は自動出力されていたが、基幹システムをリプレースしたことで出力するためにワンアクション増えた」「スケジューリングすることで帳票を指定のタイミングで自動出力できていたものが、手作業で出力しなければならなくなった」といった現場の声に、パッケージを導入した同社のシステム管理グループは悩んだ。

 昭和興産の平柳順一氏(グループマネージャー)は、「導入したERPパッケージは、会計業務においては機能も十分でしたが、販売管理業務では従来のビジネスプロセスを完全に再現できず、自社の業務プロセスにフィットさせるためにはカスタマイズが必要でした。しかし、追加開発コストが発生し容易に対応できるものではありませんでした」と語る。

 そもそもERPパッケージの導入は、“手組み”の基幹システムのメンテナンス負荷の低減が目的だった。しかし、カスタマイズを施すことでより運用管理の負担が増加するのではとの懸念もあった。

 この頃、ITソリューションの大規模展示会で注目を集めていたのがRPAだ。同社の経営トップである田渕明雄社長はRPAのポテンシャルに感銘を受け、2017年7月にRPAの導入に向けたPoC(概念実証)を開始した。ERPのリプレースで生じた旧システムとの機能ギャップをRPAで補完することで、現場のストレスを軽減できるのではないかと考えた。

多数の製品からツールを選定、決め手となったポイントは?

 まずPoCの開始に当たって担当者の頭を悩ませたのが、多数あるRPAツールの中からどれを選定するかだ。ツールベンダーやSIerが数ある中で同社が選んだのは、多数のツールに関する知見を持つパーソルプロセス&テクノロジー(以下、パーソルP&T)だ。選定の決め手はどこにあったのだろうか。

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