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» 2020年03月03日 08時00分 公開

VPNとは? 4種類あるVPNの違いと導入費用、製品の選択肢、注意点を解説

テレワークなどで利用する機会の多いVPNには用途ごとに4種類の実現方法がある。セキュリティや品質、利用デバイスの種類によって複数の選択肢を検討できるため、それぞれの最適解を把握しておきたい。実現コストなどを基にした比較も紹介する。

[キーマンズネット]

VPNとは? テレワーク向けだけではないVPNの種類と使い道

 VPN(Virtual Private Network)は、離れた拠点間で、専用線のような特別な設備を使わず、インターネット回線を介して安全に接続するための技術を指す。

 一般にはテレワークなどでオフィスのネットワーク内にあるシステムに接続する場合などに利用するケースが多く、VPNというとそれを思い浮かべる方が多いかもしれない。だが、VPNにはいくつかの種類があり、用途や目的によってさまざまな選択肢がある。

 そもそも、拠点間を安全に接続する方法としては、VPNが絶対ではなく、専用線設備を設置してWAN(Wide Area Network)を構築する方法なども考えられる。ただし、設備投資や回線利用料の負担が大きい。これに比べてVPNはインターネット回線ないし事業者が提供する閉域網を経由すれば接続できるのが利点だ。

 また、遠隔拠点との安全な接続という点ではこの他にも、VPN同様に高いセキュリティを確保した通信を使うクラウドサービスや、LTE回線を使ったVPN接続サービスも登場しており、選択肢は複数ある。これらの選択肢と技術的な違いは後述するとして、そもそもVPNが何かを大まかにみていこう。

なぜVPNが必要になったのか

 インターネットでは、さまざまな通信がやりとりされている。これらの通信は公開された状態になっているため、悪意を持った者がのぞき見たり、改ざんすることも不可能ではない。従って、企業秘密などの機密情報を、インターネットを使ってやりとりすることは情報セキュリティの観点からリスクでしかない。

 では、本社と支店、工場など離れた拠点間や、テレワークなど社内と社外で安全にやりとりするにはどうすればいいのだろうか。

 以前は本社と支店、本社と工場など2点間を直接結ぶ、専用のネットワーク回線(専用線)を用意してそれぞれのネットワークを接続する方法が一般的だった。しかし専用線は「専用」だけあって使用料が高いのが難点だった。また、携帯回線などでは専用線を引くこと自体がそもそもできない。

 そこで登場したのがVPNだ。VPNは暗号化技術などを使ってインターネットを流れる情報の「のぞき見」をできなくすることで、インターネット回線を使って、安全な通信を実現する技術である。

4種類のVPN、コストや品質、信頼性はどう違う?

 一口にVPNといっても、その実装は2つに大別できる。1つは一般のインターネットアクセス回線を使った「(1)インターネットVPN」だ。もう1つは通信事業者が提供するインターネットとは分離された閉域網を使ったVPNだ。閉域網を使ったVPNは閉域網への接続方法によって、さらに「(2)エントリーVPN」「(3)IP-VPN」「(4)広域イーサネット」に分類できる。

 4種類のVPNそれぞれの構成やコスト、品質、信頼性を大まかに整理して比較したのが下図だ。以降でそれぞれを見ていこう。

4種類のVPNの構成やコスト、品質、信頼性の比較

(1)インターネットVPNとは

 インターネットVPNは一般のインターネット回線を使ったVPN接続だ。インターネットにアクセスできれば使えるため、比較的安価に、かつ場所を問わず使えるのがメリットだ。ただし、通信速度や通信品質はインターネット回線に依存するため、回線品質や信頼性を求める場合は適さない。

(2)エントリーVPNとは

 エントリーVPNは、比較的安価な光回線や携帯電話のLTE回線などのブロードバンド回線をアクセス回線に使って閉域網に接続する方式のことを指す。

 エントリーVPNでは、通信事業者がアクセス回線を(インターネットを経由することなく)閉域網に接続するため、インターネットVPNより安全性は高い。ただし接続回線はインターネットVPNと同様の品質であるため、一般的には通信品質や通信速度の面では後述のIP-VPNや広域イーサネットには劣るとされる。

(3)IP-VPN、(4)広域イーサネットとは

 IP-VPNと広域イーサネットはいずれも専用線やイーサネットで閉域網に接続する方式のことを指す。この2つの違いは、接続に使用するプロトコルの違いで、IPのみを使うのであればIP-VPN、それ以外のプロトコルも使うのであれば広域イーサネットを選択する。

 いずれもエントリーVPNよりも高品質なネットワークで閉域網に接続するため、信頼性の高さは期待できるが、専用線や広域イーサネットは通信量や回線速度によって従量制の場合が多く、回線コストは高くなりがちである。

テレワークで利用するVPN、モバイルワークと一括で提供するのに便利な選択はどれ?

 VPNの種類が多様にあることは分かったが、テレワークで使うべきVPNにはどんなものがあるだろうか。今のところ、選択肢は2つある。

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