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» 2020年02月13日 08時00分 公開

Excelの利用状況(2020年)/後編

「この業務をこなすなら本当にぴったりはまる運命のツールではないのに、使ってしまう……」――予算の都合などでシステム化できない領域を支えてきたツールとしてのExcelの功績は大きい。だが「Excelロックイン」状態に苦慮してきた企業を中心に最近は状況が変化してきたようだ。

[キーマンズネット]

 キーマンズネットは2020年1月10〜27日にわたり、「Microsoft Excelの利用状況」について調査を実施した。全回答者数205人のうち事業部門は44.4%、情報システム部門は32.7%、事業部門が40.9%、管理部門が16.6%、経営者・経営企画部門が6.3%といった内訳だった。

 今回は「Microsoft Excel」(以降、Excel)について、他ツールへの置き換え状況などを調査した。前編で紹介した通り、Excelは回答者全体の98.5%とほぼ全ての企業が使っている状況であると同時に、約6割が利用に際して課題を持つことが明らかになった。そこで後編の本稿ではExcelに対する課題とその対応状況を見ていく。Excelにロックインされたかのような企業の声もあるが、代替ツールの発展で状況は変わりつつあるようだ。

 なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。

定番の「マクロ問題」の本質、「マクロ以外の不満」登場に見る環境の変化

 まず、Excel利用者はどこに不満を持っているのだろうか。多くの読者が想像する通り、過去の調査でもやり玉に挙がることが多かった「マクロ」の問題は今回もやはり多く挙がった。

 マクロに関する問題は今に始まったものではなく、マクロ機能の登場とともに長年語られてきたものだ。マクロは個人で利用する分には何の問題もなく、作業の効率化を図る道具としては大変優れた機能であることに変わりはない。だが個人のスキルに依存した非常に凝ったマクロプログラムを、複数人が共有するような業務用のスプレッドシートで展開したり、引き継ぎが必要な業務で引き継ぎ資料もなく利用できてしまうことに、問題の本質がある。

 「マクロにより作成されたシステムが、作成者以外だと改修しづらい」や「知識がないとマクロ(開発機能)が使えない」といったVBAで作成されたプログラムに関する不満はこうした問題によるものだろう。

 SaaS版利用者の意見も散見されるようになった点は今回の調査の特徴と言えるだろう。「起動が遅い」(Office 365利用者)といったクラウド版Officeへの不満も上がる。インターネットへのセッションが膨大になったことから通信負荷を低減すべく各社さまざまなソリューションを展開する。例えばインターネットブレークアウトのような手法が注目を集める。この他、「SaaSの自動保存の概念に付いていけない人が出てきた」との意見もあった。

「バージョン変更で各コマンドの位置や使い方が変わってしまった」と、バージョンアップに伴う学習コストの負担を嫌う声も散見された。

「Excelロックイン企業」を脱出できるか? 4割が脱出を実施・検討

 さて多くの不満が寄せられるExcel。こんなにも課題があるならば、できるだけExcelを使わない業務を目指したいところだ。

 調査ではExcelから他ツールに置き換えを検討した企業がどれくらいいるかを尋ねた。その結果、「置き換えたことはない」が55.9%、「置き換えたことがある」が32.7%、「今後、置き換える予定」が8.4%、「置き換えたが機能せずExcelに戻った」が3.0%と続き、まとめると全体の41.1%が他ツールへの置き換えを実施または検討していることが分かった(図1)。

図1 Excelで行っていた業務を他のツールに置き換えたことはあるか

「Excelロックイン企業」脱出方法は? やっとITの恩恵を受けられる現場

 ではExcelの置き換え先はどういったものを選定しているだろうか。置き換えを実施・検討しているとした回答者に、具体的な検討ツールを聞いた。その結果は課題に対して非常に健全な選択肢が上がったように見受けられる。

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