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» 2019年10月21日 08時00分 公開

PC調達の根本を変える「Device as a Service」リースとは何が違うのか?

2〜3年ほど前から大手ベンダーが提供し始めた「Device as a Service(DaaS)」。まだ誕生して間もないサービスで、ユーザー企業の理解も漠然(ばくぜん)とした状態だ。単に「PCの運用管理を丸投げできるサービス」と考えられているようだが、DaaSの本質的なメリットはそこではないという。

[吉村哲樹,オフィスティーワイ]

 「DaaS」といえば、まず「Desktop as a Service」が思い浮かぶだろう。しかし、DaaSには“もう一つ”ある。それが「Device as a Service」(DaaS)だ。Device as a ServiceはPCを中心とするエンドポイントデバイスとのライフサイクル管理を、月額課金のサブスクリプションモデルで提供するサービスのことを指す。ユーザー企業が抱えるハードウェア調達から運用管理の課題を解決する有効な手段として期待が集まる。

 DaaSは企業にどのようなメリットをもたらすのか。レンタルやリースとは何が違うのか。DaaSの基礎知識とともに解説する。

※以降、断りがない限りは本稿でのDaaSは「Device as a Service」を指す

2023年にはDaaSの利用者が急増する可能性も

 現在、大手PCメーカーがこぞってDaaS事業に参入する動きがある。中でもいち早くDaaSを始めたのがヒューレット・パッカードで、2016年8月には早くも「HP Device as a Service」を提供開始した。次いで、Dellは「PC as a Service」を、レノボは「Lenovo Device as a Service」の提供を開始した。

 ハードウェアベンダーだけでなく、ソフトウェアベンダーもDaaSに乗り出す動きがある。その代表格がマイクロソフトだ。「Windows 10」や「Office 365」、セキュリティサービスを強化した「Microsoft 365」とWindows 10デバイスを組み合わせた「Device as a Service+Microsoft 365」などだ。

 横河レンタ・リースやオリックス・レンテックといったIT機器のレンタル企業大手もレンタルPCにMicrosoft 365を組合せ、さらに独自のサービスを付加したパッケージソリューションとして提供している。

 DaaSが注目を集める背景には、従来のハードウェアの調達手法が今日のビジネスにそぐわなくなってきたという事情がある。今までは、煩雑なハードウェア調達にかかる作業を効率化しようと、ハードウェアやOSのサポートが切れるタイミングで一斉にリプレースすることが多かった。調達タイミングをある時期にまとめることで、調達にかかる作業負担を軽減しようという考えだ。

 しかし、働き方改革の潮流とともに従業員には生産性と効率性が求められ、労働環境は大きく変化した。それに伴い、PCに加えてタブレット端末や社給のスマートフォンなど一人で複数台のデバイスを扱うケースも珍しくなく、企業が管理する総デバイス数は増加した。

 こうした現実は調査会社のMM総研による調査からも読み取れる。MM総研が2019年8月に実施した調査「国内法人ICT端末出荷動向と予測」によれば、PCの出荷台数と比例して企業で利用する総端末数も増加傾向だという。特に現在は、2020年に予定される「Windows 7」のサポート終了も影響し、「Windows XP」のサポート終了を迎えた2013年に次いでPCの出荷とリプレースが活発化しているという。

図1 国内法人ICT端末出荷動向と予測(出典:「Device as a Service市場の展望」、資料提供:MM総研)※回答社数:1500社

 また、デバイスに求められる要件は多様化した。内勤者やテレワーカー、エンジニア、デザイナーなど業務やワークスタイルによってデバイスに求められる要件はそれぞれ異なる。従来のように「同じ機種を一括して導入」という調達方法では従業員のニーズを満たすのは難しくなってきた。

 こうした変化により、従来型のハードウェア調達と管理手法では対応が追い付かなくなってきた。「ハードウェアの調達から運用管理、リプレースまでのライフサイクルを何とかシンプルにできないものか」といった企業の悩みが起点となり、生まれたのがDaaSだ。

 MM総研が実施した調査によると、2018年12月時点で稼働する法人PCのうちDaaSが占めるシェアは3.3%にすぎない。しかし、2023年12月には35%にまで上昇するだろうと予測されている。

図2 2023年までのDaaS利用比率予測(出典:「Device as a Service市場の展望」、資料提供:MM総研)※回答社数:1500社

単なるモノの調達ではないDaaS、本質的なメリットとは

 DaaSはハードウェアのライフサイクルをシンプルにするだけでなく、運用を根本から変えるインパクトがある。以降ではその本質を探っていく。

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