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「外付け型ストレージ」シェア(2019年第2四半期)

外付け型エンタープライズストレージシステムの国内支出額は、前年同期比21.9%増の471億6300万円だった。2001年以降で最も高い支出額成長率を達成した要因とは。

» 2019年10月23日 08時00分 公開
[キーマンズネット]

 IDC Japanの調査によれば、2019年第2四半期(4〜6月)の外付け型エンタープライズストレージシステムの国内支出額は、前年同期比21.9%増の471億6300万円だった。2001年以降で最も高い前年同期比の支出額成長率だという。

 メインフレーム向けは2015年の大型更新案件のピーク以降支出が低迷していて、同比8.3%減の36億2000万円だった。オープンシステム向けは同25.3%増の435億4300万円で、サービスプロバイダー向けの需要増に加えて、幾つかの大型更新案件が貢献して大幅なプラス成長だった。

国内外付型エンタープライズストレージシステム市場の支出額推移、2017年第2四半期〜2019年第2四半期 国内外付型エンタープライズストレージシステム市場の支出額推移、2017年第2四半期〜2019年第2四半期(出典:IDC Japan)

 2019年第2四半期においては、中央官庁や地方自治体の大型更新案件がプラス成長の要因となった。主にハイブリッドフラッシュアレイ(HFA)が採用されたため、HFAが大幅に増加した。これは、前年同期比で2桁のプラス成長が続くオールフラッシュアレイ(AFA)を上回る成長率だ。一方、IDC Japanは、これらの案件を除き、さまざまなベンダーがアクセス可能な市場としては、比較的緩やかな成長だと見ている。

 また、2020年1月の「Windows Server 2008」のサポート終了に伴うインフラ更新が中堅中小企業で活発化しているとIDC Japanは指摘。これがサーバに接続するストレージの需要も喚起し、ローエンド製品の出荷を下支えしていると見ている。

 2019年第2四半期の売上額(マージンを除く)は446億6800万円で、ベンダー別の市場占有率(売上額ベース)を見ると、1位は22.0%、2位は19.8%、3位は11.2%、4位が9.9%、5位が7.7%だった。

2019年第2四半期 国内外付型エンタープライズストレージシステム売上額 2019年第2四半期 国内外付型エンタープライズストレージシステム売上額(出典:IDC Japan)

 IDC Japanのアナリストは、政府がITインフラの採用方針にクラウド・バイ・デフォルトを掲げた取り組みを進めていることから、今期のような市場成長は減少すると指摘。一方、NVMeに代表される最新技術の需要は低いものの、中期的には市場シェアを動かす要因になると考えられるとしている。「ベンダーは、ITインフラの利用方法の変化に合わせた提供方法の多様化と同時に、テクノロジーの動向に合わせたユーザーの需要開拓が求められる」と述べた。

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