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» 2019年10月11日 08時00分 公開

RPAに150のAIモジュールを連携可能に、老舗RPAベンダーの意地と底力

老舗RPAベンダーのBlue Prismが、日本市場での活動強化を宣言した。決して、日本市場に早期に乗り出せたとはいえない同社だが、他社製のRPAツールからの移行案件も増えているという。どのような強みを推し出しているのか。

[土肥正弘,ドキュメント工房]

 「最初はゆっくりとしたスタートだったが、この2年間、日本の顧客の声を聞き、学びながら日本のビジネスに対応することに全力を尽くしてきた」――RPAの老舗ベンダーBlue PrismのCEOアレスター・バスゲート氏はこう話す。

 Blue Primsは、2001年に英国で創業。世界で1500社以上、パートナー100社以上を有し、「IT部門によって管理・統制されるエンタープライズRPA」という強みを推し出す。近年は、構築済みのAIや認識技術などをコンポ―ネットの形でダウンロードし、ロボットに組み込めるマーケットプレース「Digital Exchange」といったプラットフォームの開発にも注力する。

 一方、日本市場においては2017年に支社を設立し、決して日本市場に早期に乗り出せたとはいえない。RPAツールが群雄割拠する今、どのような特徴や戦略を打ち出すのか。2019年9月19日の記者発表会では、日本型RPAの弱みとともに、RPAの運用・管理に資する同社ツールの機能や、AIラボの活動、RPAと連携できるAIモジュールの拡充といったトピックが解説された。

左から最高技術責任者(CTO)のデイヴ・モス氏、COOのエリック・バーニア氏、共同創業者でCEOのアレスター・バスゲート氏、Blue Prism日本法人 社長の長谷太志氏、チーフエバンジェリストのパット・ギアリー氏

日本型RPAの弱点

 日本ではどのような戦略を打つのか。Blue Prism日本法人の社長 長谷太志氏は、総務省が掲げる3段階の自動化レベルになぞらえ、日本での自動化レベルはクラス1、つまり「個人作業の自動化」を目指したデスクトップ型のRPAツールによる作業自動化が進んでいると分析。従業員のユーザー個々のデスクトップ作業を個別に自動化しているレベルでは、ロボット台数が数百、数千、1万台を超えた際に統制や管理、運用が困難になり、大規模な展開が難しくなると主張する。

図1 日本のRPA導入の現状

 この課題に対し、サーバ型の製品であるBlue Prismは、「オブジェクト指向」のアーキテクチャによって、「プロセス」と「オブジェクト」を分離し、ロボットの一元的な監視と運用を実現する。

 例えば「購買業務向け自動化」というプロセスがあるとする。このプロセスを実行する際には、Salesforce用のログインや、目的の処理、ログアウトなどの処理を記述した「Salesforce用オブジェクト」という部品を呼び出して利用する。つまり、個々のプロセスと、特定のシステムへの操作を可能にする部品としてのオブジェクトを分離するというアーキテクチャだ。

 これによって、操作対象のOSやERP、CRM、HRなどのシステムに変更、バージョンアップがあっても、集中管理されているオブジェクトを変更すれば対応でき、個々のプロセスをわざわざメンテナンスする必要がない。「全体統制が可能になり、野良ロボットができにくくなる」と長谷氏は説明する。

図2 今後の大規模展開に耐える運用管理機能とは

 

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