ニュース
» 2019年09月30日 08時00分 公開

クレームと“面倒”を削減、現場でできる「顧客管理と管理業務」の効率化

A社では顧客との約束事項の抜け漏れが発生しやがてはクレームに、B社では出張旅費など自社要件に沿った交通費計算が複雑化し頭を抱えていた。最終回となる今回は、A社とB社の事例を基にカンタン業務効率化メソッドを紹介しよう。

[林 雄次,はやし総合支援事務所]

 最終回となる今回は、実際に私が引き受けた2件の事例を基にメールシステムとの連携による簡易CRMの構築と複雑な勤怠時間と交通費計算を自動処理する方法について解説します。

著者プロフィール:林 雄次

大学卒業後、大塚商会に入社しシステムエンジニアとして多数のシステム開発プロジェクトに携わる。在籍中に社会保険労務士(社労士)や行政書士、ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士などの資格を取得、その後社労士として独立。現在は、企業の顧問や人事、労務管理といった社労士業を事業の中核としながら、エンジニアの経験を生かしkintoneを活用した業務改善コンサルタントとしても活動。中小企業から大企業まで、多くの顧客企業で業務改善の相談役として活躍。「CYBOZU AWARD 2018」で表彰経験を持ち、「kintone認定アプリデザインスペシャリスト」を保有。


事例1:顧客対応が煩雑になり、やがてはクレームに……

 当事務所の顧客企業から相談を受けた話です。顧客ごとにメール対応や訪問履歴を記録し、案件ごとに日々の進捗(しんちょく)を管理していましたが、管理が粗雑になり徐々に顧客からクレームを受けるようになりました。

電子機器販売会社のA社では、新規案件と日々の進捗(しんちょく)を管理するために営業チームごとにExcelで案件管理シートを作成し、管理していた。そこには顧客先への訪問履歴や打ち合わせ内容、メールの対応履歴などを記録していたが、案件と顧客とのやりとりが増えるにつれて記録が煩雑になる。特にメールの対応履歴は、わざわざ顧客ごとにメールから対応内容を探し、案件管理シートに記録するなど、非常に面倒な作業だった。結局、顧客との約束事項の抜け漏れが目立つようになり、クレームも増えた。

 案件管理シートは社内の環境で管理されていたため、営業スタッフは帰社後にしか入力できません。そこで外出先からでも入力できるよう、kintoneを活用してクラウド型の案件管理アプリの作成を提案しました。外出先でも隙間時間を利用して入力できるため、訪問履歴の抜け漏れも少なくなりました。問題はメールの対応履歴です。案件管理アプリをクラウド化しても、この課題だけは残っていました。

 メールアカウントをチームで共有するという考えもありましたが、複数メンバーで同一アカウントのメールを共有するのは難しく、現実的ではありません。メンバーをCcやBccに入れたとしても、メンバーのメールボックスにどんどんメールがたまっていくので管理が大変です。

 そこで、サイボウズのメール共有システム「メールワイズ」が検討対象として挙がりました。サイボウズの製品ということもあり、kintoneで作成した案件管理アプリとの相性も良く、既存のメールシステムは個人用のメールアカウントで、チームでの対応が必要な顧客とのメールはメールワイズに切り替えてという使い方ができるため、案件管理アプリと連携させて活用することにしました。これで案件管理アプリから、顧客ごとのメール対応履歴も簡単に閲覧できるようになりました(図1)。

図1 案件管理からメール対応履歴が参照可能(図はサンプルです)

 メールでの応対履歴を一覧表示でき、件名をクリックすることでメール本文を参照できます。またこの案件管理アプリの画面から、メールの作成や送信もできます。「対応履歴一覧」に表示される項目をクリックすることで、電話や訪問対応履歴も参照できます。

 図1では、案件ごとではなく取引先ごとのメール履歴を参照できるようにしていますが、案件単位でのメール履歴、対応履歴を参照するよう設定することも可能です。

 クライアントとのコミュニケーションがメール主体の業務であれば、このような業務アプリとメールを連携させたシステムは簡易的なCRM(顧客関係管理)としても利用できるのではないでしょうか。また、メールの一斉送信や顧客に合わせた文面の自動挿入、メール内容のCSV出力なども可能なため、顧客、案件、案件種別など、多角的に対応履歴を調べられます。

 こうした工夫により対応履歴を素早く参照でき、メール対応の見逃しも防げます。A社は、チームでの対応力を強化でき、顧客から対応に高評価を受けたようです。

事例2:「交通費を自社条件に沿って自動計算したい」総務の声にどう応えたか

 勤務時間の集計や交通費精算は例外的なケースが発生した場合、計算が複雑になるケースがあります。次は、そういった管理部門の悩みと解決法を紹介します。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

会員登録(無料)

ホワイトペーパーや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。