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» 2019年09月19日 08時00分 公開

クラウドネイティブ、コンテナ技術とVMwareの関係は? 「Project Tanzu」で考える次の5年のITインフラ

クラウドネイティブ、マルチクラウド。この2つのキーワードは、ITインフラを考えたとき、耳にする機会が増えたはずだ。企業IT基盤として実績の多いVMwareもクラウドネイティブとマルチクラウドを意識したコンセプトを打ち出している。まずは基本と最新事情を押さえておこう。

[原田美穂,キーマンズネット]

「クラウドネイティブ、コンテナ技術とVMwareの関係は?「Project Tanzu」で考える次の5年のITインフラ」


VMwareユーザーはどうなる? カギは「たんす」

 VMwareは毎年年次イベント「VMworld」で製品のアップデート情報を開示する。2019年は「マルチクラウド戦略」を打ち出し「Any Cloud(どんなクラウド)」でも、「Build」(開発)、「Run」(実行)、「Manage」(管理)、「Connect」(接続)、「Protect」(保護)を実現するプラットフォームを目指すことが明らかにされた。

 中でも「クラウドネイティブ」なモダンアプリケーションに求められる「Build」(開発)、「Run」(実行)、「Manage」(管理)の要件を満たすアプリケーション実行基盤として提示されたのが「VMware Tanzu」だ。読み方は「タンズ」のようだが、日本語の「箪笥」(たんす)が語源だという。

そもそもクラウドネイティブとは? VMwareとの関係は?

 最近よく聞く「クラウドネイティブ」という言葉はどういった意味を持つのだろうか。クラウドの成り立ちやアプリケーションコンテナが注目される背景から順を追って整理してみたい。

クラウドとは

 そもそも、現在の「クラウド」は、ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、サービスなどの構成可能なコンピューティングリソースの共用プールに対して、便利かつオンデマンドにアクセスでき、最小の管理労力またはサービスプロバイダー間の相互動作によって迅速に提供され利用できるモデルとされていて、「オンデマンド・セルフサービス」「幅広いネットワークアクセス」「リソースの共用」「スピーディーな拡張性」「サービスが計測可能であること」という5つの特徴を持つものを指すことが一般的だ(米国立標準技術研究所(NIST)の定義による)。

 過去、クラウドサービスはサーバ仮想化技術を基にリソースを提供してきた。物理サーバのリソースを仮想的に配布する仕組みだ。ソフトウェアエミュレートを行ったことで、リソースのソフトウェアによるコントロールが可能になったこと、そのソフトウェアをRESTを使ってシンプルに操作する手法が登場したことから、リソースの制御や運用をプログラムで自動化する手法も数多く提案されるようになった。

 こうした技術動向を受け、必要な機能だけを必要なタイミングで自動伸縮させたり、運用しながら動的にアップデートしたりといった、新しいアプリケーションの開発手法も編み出された。リソース払い出しの自動化やソフトウェアテスト自動化、運用の自動化を推し進め、開発者と運用者が互いの業務に影響を与えずに効率よくアプリケーション開発や運用を進められる環境が整っていったわけだ。

 だが当初のクラウドインフラを支えたのはCPUのエミュレートから始まったサーバ仮想化技術だ。物理サーバよりは効率は良いものの、アプリケーション実行側から見ると、BIOSやOSといった、アプリケーション実行に直接関係がない「余計なもの」が多く搭載されている。大規模かつ自動的な運用を考えたとき、システムの構成管理は非常に厄介だ。OSやアプリケーション実行環境のバージョン、セットアップファイルの記述内容などもそろえておく必要があり、それらのデータを置くためのリソースも確保しなければならない。これもアプリケーションの実行からすると、できれば考慮したくないポイントだ。

コンテナとは

 そこでアプリケーションコンテナという概念が注目されるようになった。アプリケーションコンテナそのものの技術は古くから存在したが、クラウドの文脈でアプリケーションコンテナが注目されたのはIaaSを効率化する目的による。注目された当初はさまざまな実装が提案されたが、現在はDockerがその主流だ。また、Dockerのようなアプリケーションコンテナを動作させる、軽量で必要最小限の実装しか持たない(その分セキュリティリスクも少ない)OSも開発されている。こうすることでクラウドネイティブなアプリケーションは、仮想化を遙かにしのぐ密度でアプリケーション集約させ、スケーラブルな運用が可能になった。

クラウドネイティブとは? CNCFとTanzuの関係

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