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» 2019年09月02日 11時00分 公開

Twilioが日本法人設立、電話APIを軸にコミュニケーションサービス開発の支援に本気

クラウド型次世代コンタクトセンターソリューションとして、既に多くの実績を持つTwilioが日本法人を設立。国内企業のデジタル変革(DX)拡大を商機とみて日本市場のDXニーズを拾う作戦だ。SIパートナーを拡大し、技術者育成も急ぐ。

[原田美穂,キーマンズネット]
1  Twilio アンジー・ベル氏

 Twilioが日本法人を設立した。日本ではTwilio Japan合同会社として活動する。Twilioは2008年に米国で設立した企業だ。当初は音声通話サービスを軸にコールセンターなどで導入を拡大、現在は次世代コールセンターソリューションに位置付けられる「Twilio Flex」や「SendGrid」などのサービスも提供する。グローバルではモルガン・スタンレー、ナイキ、AirBnB、NetFlixなどが顧客だ。従来、日本では2013年からKDDIウェブコミュニケーションズが独占的に販売しており、既に相当数のユーザーを抱える。

 今になって日本法人を設立した理由として、Twilio APACおよび日本のVPであるアンジー・ベル(Angie Bell)氏は日本企業が本格的にクラウドサービスを利用しだした状況を挙げる。

 「日本は優先順位の高い市場。法人設立はサポート体制を充実させる目的がある。日本法人を拠点に、日本人技術者によるサポート体制を拡充し、SIパートナーを拡大していく」(ベル氏)

2  Twilio Japan 今野芳弘氏

 代表執行役員社長には、日本HPやCAテクノロジーズを経てAWSジャパン設立にも参画した今野芳弘氏が就任する。

 クラウドコミュニケーションの基盤開発は企業が自前で実装もできるが、Twilioを使えば数行のコードでAPIをたたけば実現できる。

 「製品ポートフォリオが拡充したこと、日本国内のクラウド市場が拡大してきたこと。これを背景にTwilio本社が注力市場と考えた。日本語化は実現しているが、より日本のニーズをくみ、SIパートナーのサポート、直販営業能力の向上、通信にまつわる国内の法規制対応も強化していきたい」(今野氏)

 「顧客接点、従業員接点を考えるとき、最も重要なのがコンタクトポイント。そこをTwilioがサポートする。銀行や証券などの業界で顕著だが、今後は実店舗を削減してコンタクトセンターサービスを拡充する企業が増えると予測する。このとき、コンタクトセンターは従来は電話しか手段がなかったが、複数のチャネルで展開した方が良い。加えて、企業内のPBX置き換えニーズも増えるだろう。働き方改革、セキュリティ、コミュニケーションなども市場拡大のカギになると考える」(今野氏)

 今後もKDDIウェブコミュニケーションズは国内唯一のリセールパートナー(ゴールドパートナー)として位置付けられ、同社の既存顧客はそのまま同社が担当する。一方、Twilioジャパンは直接販売を行う他、パートナーSIの支援も担当する。

3  Twilioのサービスポートフォリオ

 Twilioのサービスポートフォリオは、音声通話などの基盤からアプリケーション層まで多岐にわたる。この中でも日本法人は「Programable VOICE」と2要素認証ツール「Authy」、SaaS型次世代コンタクトセンター「Twilio Flex」、メールマーケティング最適化ソリューション「SendGrid」に注力する計画だ。

3 SIパートナーはクラウドインテグレーターが中心

 中でもProgramable VOICEで使われる音声通話は同社が「SuperNetwork」と呼ぶ音声通話基盤を利用する。全世界の「電話番号」を取得できる。日本でもブラジルでも、1つのコンタクトセンターで国内番号を取得して通話する仕組みを構築できる。これにPaaS(Platform as a Service)層では音声通話に加え、LINEやFacebookメッセンジャー、SMSなど複数のチャネルをAPIでコントロールする。コンタクトセンター向けのアプリケーション開発ライブラリも提供する。

 社外から顧客との通話もTwilioアプリを介することで見かけ上、社内固定回線からの通話に置き換えられる。加えて通話記録や録音もできるので、例えば通話内容を自動でテキスト化し、記録として保管できる。コンプライアンス対策に有効だとしている。

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4  KDDIウェブコミュニケーションズ社長 山崎雅人氏

 会見にはKDDIウェブコミュニケーションズ社長の山崎雅人氏も参加した。今後も従来通りのリセラーとして活動を続けるが、KDDIグループとしての強みを打ち出す提案にも意欲を見せた。

 「過去Twilioに近いサービスを開発したが、Twilioを見た瞬間に『負けた!』と感じ、すぐに取り扱いを始めた。それが6年前のこと。当時はスタートアップ企業などが多かった。6年が経ってやっと一般企業がクラウドを利用するようになってきた。KDDIとしては5Gなどのインフラを拡大していく。5Gに加えてRCS(Rich Communication Services:サービス名としては『+メッセージ』)の特性を生かして、キャリアならではのリソースを活用したTwilioコミュニケーションサービスを開発していきたい」(山崎氏)

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