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» 2019年08月30日 08時00分 公開

負担の多い業務だけを安易にRPA化するのは間違い――皆が気付かない真実とは

「日ごろ手が掛かっている業務」を基準にユーザー企業がRPA化の対象業務を選定し、必要なロボットを検討する――。こうしたケースは珍しくありません。しかし、ここに思わぬ落とし穴が潜んでいます。

[秋葉尊,オデッセイ]

著者プロフィール:秋葉 尊(あきばたける)

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株式会社オデッセイ 代表取締役社長


大学卒業後、NECに入社。20年にわたり中堅企業や大企業に対するソリューション営業やマーケティングを担当。2003年5月にオデッセイ入社、代表取締役副社長に就任。2011年4月、代表取締役社長に就任。

ATD(Association for Talent Development)タレントマネジメント委員会メンバー、HRテクノロジーコンソーシアム会員、日本RPA協会会員を務める。

 前回は、RPAの導入効果を得るために必要な4つのポイントのうち、「導入目的の明確化」と「RPAツールの選択」について述べた。RPAの導入目的をどこに置くかを明確にせず、自社の導入目的に合ったツールなのかも精査せずに「取りあえず人気のツールを入れてみよう」と考えることのリスクを分かっていただけたと思う。今回は残る2つのポイント「適切な導入パートナーを選ぶ」「RPA化すべき業務を分析した上で決定する」について解説したい。

<ポイント3>適切な導入パートナーを選ぶ

 RPAを導入する際、多くのユーザーは導入パートナーの支援を受ける。最近はRPAのソリューションに対応しているパートナーも増えてきたので、どのパートナーに依頼するかを決めるのは重要である一方で、難しくなっている。パートナーの選択にあたって、まずは何を依頼するのかを明確にすることが必要だ。以下のような項目を考え、ユーザーとパートナーの役割分担をある程度決めてから、依頼したい内容を対応できるパートナーを選定したい。

【パートナーに何を依頼するのか】

  • ロボットの全面的な開発
  • RPA化すべき業務の分析
  • RPAツールを活用したロボット開発技術の教育
  • 上記全て

 次に、パートナーを選ぶ上で重要となる条件は何か。それはパートナーが得意としている領域だろう。重視すべき得意領域はユーザーとの役割分担によって変わってくるが、一般的にはRPAの技術に精通していることはもちろん、RPA化しようと考えている対象業務に関する知識や、業務システムについても明るいパートナーが望ましい。例えば、人事業務のRPA化を進めるのであれば、「RPAの技術」と「人事業務の知識」そして「人事システムに関する知見」を持ったパートナーが望ましいことになる。仮に、ユーザーがRPA化する業務を選定し、どのようなロボットを開発するのかを指示するのであれば、RPAの開発技術だけを持ったパートナーでも対応できるかもしれないが、現実的にはユーザーだけでそこまで対応するのは困難であり、あまりお勧めもしない。その理由は次の4つ目のポイントで触れる。

<ポイント4>RPA化すべき業務を分析した上で決定する

 RPAの導入効果を最大化する上で、「RPA化すべき業務を分析すること」は一番重要なポイントともいえる。これまで、いろいろなユーザーのRPAの導入を見てきたが、RPA化対象業務については、当然のように「日ごろ手が掛かっている業務をRPA化する」「RPA化する業務は自分で決められる」と簡単に考えているケースが非常に多い。一見ユーザーが責任を持ってRPAの導入を進める姿勢があって良いように感じるが、果たして本当にそうだろうか。

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