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AIの反逆か!? 日本のラーメン店が体験した近未来的イタズラ電話のナゾ:523rd Lap

恐怖の電話か、イタズラ電話か。さまざまな発信元から、ある店にだけ不気味なイタズラ電話がかかる。その背景には賢くなりすぎたAIの影がちらつく………。さて真相は?

» 2019年07月26日 08時00分 公開
[キーマンズネット]

 暑い暑い真夏、一服の清涼剤といえば“怪談”が定番ではないだろうか? 今回はそんな話を紹介しよう。「恐怖の子ども電話」とでもいえそうな話がTwitterで投稿され、話題になっている。なんでも数年前から、とあるラーメン屋さんに不思議な電話がかかってきているのだそうだ。

 店員が電話に出ると、電話の向こうでは小さな子どもがナニゴトかを話している。会話もままならない乳児らしき声、少しおしゃべりができる4歳児ぐらいの声、いずれにせよ小さな子どもの声だ。もちろん、店舗に用事があるような感じではない。かといって嫌がらせを言うわけでもない。

 ラーメン屋にかかってくる意味不明な電話に店員は恐怖した。しかもその発信元はバラバラで一貫性がなく、昼夜を問わずかかってくるため、単なるイタズラ電話かとも思われていた。しかしこの電話にはとある真実が存在した。それは…………。

 こんなちょっと背筋が寒くなるような恐怖電話の体験をTwitterで公表したのは、東京都町田市にあるラーメン屋さん「パパパパパイン」。ちょっと変わった店名から推察できる通り、パイナップル入りの「パイナップルラーメン」がウリだ。

 「え? パイナップル入りラーメン?」と眉をひそめるラーメンファンがいるかもしれない。だが、パイナップル果汁とスープが絶妙なバランスで配合されており、味としては成立するものだ。決して奇をてらったラーメンではない。特に海老だしをベースにした「パイナップル海老塩ラーメン」はお店のイチオシで、一番人気のメニューだ。パイナップル味の煮卵も人気だという。

 と、まあ、そんなラーメンの味はともかくとして、同店は2011年に西荻窪で開店して人気を博したあと、2017年末に町田市へと店舗を移転した。子ども電話がかかり始めたのは旧店舗の時代。しかし電話番号が変わった移転先でも、冒頭で紹介したような子どもの声による謎の電話が続いたのだという。

 店主をはじめ、店員一同が戦慄(りつ)する事態が続いたが、2019年7月14日、同店の公式Twitterにおいて解明されたその電話の謎がツイートされた。

 同店のTwitter担当者によれば、そのカラクリは「Google音声認識」だという。

 このところ、AndroidスマホにはGoogleが提供する音声認識機能が普通に搭載されていて、ほとんどの操作シーンで音声認識による文字入力が可能になっている。その音声認識を有効にした状態で「パパ、パパ」と、「パパ」(――つまり子どもならではの父親の呼称)を連呼することによって、検索結果に同店の店名「パパパパパイン」が表示されるのだそうだ。

 つまり、乳児〜幼児が親のスマホに触っているうちに音声認識が有効になり、「パパ、パパ」と父親を呼ぶことで「パパパパパイン」の店名と電話番号リンクが表示される。それをタップしてしまうことで意図せぬ電話発信が行われる、というのが店側の分析だ。確かに同店が被害を受け始めた時期を振り替えると、音声認識機能や音声アシスタント機能がスマホに搭載されて一般化してきた時期と見事に一致する。

 実際に検証してみると、確かにGoogle音声認識で「パパ、パパ」と発声してみると「パパパパパイン」の店舗情報が表示されるではないか。なるほど、こういう状況であれば謎の電話の発信者が幼い子どもばかり、というのも合点がいく。

 同店はTwitterでこの騒動の一部始終を解説したあと、「お子さまをスマホで遊ばせる時はご注意ください」と優しい言葉で結んでいる。「恐怖の子ども電話」も、理由が分かってしまえば怪談でも恐怖でもないのだが、店舗としては迷惑であることには変わりはないだろう。自分の子どもにスマホを貸し与えるときには注意しておきたいものだ。


上司X

上司X: 真夏にふさわしい、ちょっと怖〜い話だよ。とあるラーメン屋さんに子どもの声で謎の電話がかかってくるという……。


ブラックピット

ブラックピット: いや、事情が分かる前から大して怖くない話ですし(笑)。


上司X

上司X: あれ、そう(笑)?


ブラックピット

ブラックピット: 何かの拍子で電話がかかっちゃうんだろうな、と予想はついていましたが、犯人を探ってみたら意外といえば意外な……。


上司X

上司X: まさかの音声認識の仕業とはね。音声アシスタントも考えものだな。


ブラックピット

ブラックピット: 「パパ、パパ」の件は、たまたまそうだっただけで、別に音声アシスタントや音声認識が悪いわけではないでしょう?


上司X

上司X: そりゃそうだけどな。まぁ、使ってみれば音声認識って便利よな。……それよりキミ、最近は何か他に怖い体験談はないのか?


ブラックピット

ブラックピット: そうそう、「ZIP爆弾」らしいファイルがメールに添付されてきたんですよ。最新といわれる、46MBの圧縮ファイルを解凍すると4.5PBに膨れ上がるという……。ペタバイトですよペタバイト! それを解凍してみたくてみたくて……、自分の好奇心が怖いです。


上司X

上司X: なんだそりゃ(笑)。古いPCだと処理が止まってどうのこうのという話も聞くが、最近だと解凍しようとしても「ストレージが足りません」で終わるみたいだけどな。ま、その顛末(てんまつ)は楽しみだからぜひ試してくれ。新たな“怪談”が誕生するかもしれんよ(笑)。


川柳

ブラックピット(本名非公開)

ブラックピット

年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)

昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。

上司X(本名なぜか非公開)

上司X

年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)

中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。


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