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» 2019年05月28日 08時00分 公開

今だから言いたいRPAの話:RPAの理想と現実〜今こそ振り返りたい7つのチェックポイント〜 (1/2)

RPAの導入事例が増えた今、RPAに抱いていた期待と導入後の現実にギャップがあると感じるケースも少なくない。一体なぜなのか。チェックシートで導入時の状況を振り返ることで、その理由が見えてくる。

[秋葉尊,オデッセイ]

著者プロフィール:秋葉 尊(あきばたける)

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株式会社オデッセイ 代表取締役社長


大学卒業後、NECに入社。20年にわたり中堅企業や大企業に対するソリューション営業やマーケティングを担当。2003年5月にオデッセイ入社、代表取締役副社長に就任。2011年4月、代表取締役社長に就任。

ATD(Association for Talent Development)タレントマネジメント委員会メンバー、HRテクノロジーコンソーシアム会員、日本RPA協会会員を務める。

 RPA(Robotic Process Automation)という言葉を耳にするようになって久しい。今さら「RPAとは」ということをお話しても関心を持たれる読者は少ないだろう。既に、RPAを検討・導入している企業も多く、今求められているのは「どうすればRPAで更に効果を挙げられるのか」「導入時に何に留意すれば良いのか」といった活用を見据えた実践的な情報だ。

 筆者は、オデッセイという企業で、人事部門向けにコア人事システム(人事/給与システム)やタレントマネジメントなどの人事システムだけでなくRPAのソリューションも展開しており、RPAを検討・導入するさまざまな企業をみてきた。本連載では日本におけるRPAの変遷をたどり、導入企業が抱く期待と導入後の現実を明らかにする。さらに、現在の状況をふまえて、RPAを活用し効果を上げるための導入方法や効果を維持するために必要な方策などを整理してみたい。後半では、RPAを中心にしたオフィスの業務が今後どのように変わっていくのか、近未来のオフィスについても考える。

日本におけるRPAの変遷

 いつから日本でRPAが使い始められたか正確なところは分からない。私の感覚ではRPAが日本で広く認知されたのが2017年、多くの企業が導入しはじめたのが2018年といったところではなかろうか。

 2017年から多くの外資系RPAベンダーが日本法人を設立し始めた。ツールの選択肢が増える一方で、ユーザーは各種RPAツールの違いが分からず、何を選べばよいかも分からないので、セミナーに参加し情報収集に明け暮れた。筆者もRPA関連のセミナーで講演しているが、2017年に開催したセミナーでは、案内開始直後から申し込みが増え続け、数日で満席になったのを記憶している。まさにRPAに対する世間の関心が急速に高まった1年だったといえる。

 日本にRPAが浸透し始めた2017年から2年。現在は多くの企業がRPAを導入し、その事例が紹介されることも増えた。ユーザーにおけるRPAの経験値が上がり、セミナーなどで収集した情報だけでは分かり得ないことも体験として蓄積され、RPAの強み、弱みが見えてきたのが現在というところだろう。

 ガートナーが提唱する「ハイプ・サイクル」(図1)でいえば、RPAは「黎明(れいめい)期」「流行期」を過ぎて「幻滅期」に入ったタイミングではないだろうか。「幻滅期」という言葉からはネガティブな印象を持たれがちだがそうではない。RPAの実態を理解した上で、適切な活用方法やより効果的な導入方法が検討され、一段と導入が進んでいく時期と理解している。「ハイプ・サイクル」でも「幻滅期」を経て「回復期」「安定期」へ向かうと示されている。

図1 日本におけるテクノロジーのハイプ・サイクル:2018年(出典:ガートナー)
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