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» 2019年05月09日 10時00分 公開

RPA、約12万時間削減の裏でロボット停止の嵐――リクルートはどう解決したのか (3/4)

[吉村哲樹,オフィスティーワイ]

止まらないロボットはない、専任組織の役割とは

 さまざまなパターンの課題に対処していった結果、ロボットが意図せず停止してしまうケースは当初の約100分の1程度にまで減った。このようにPDCAを繰り返し、運用の中でロボットを安心して横展開できる環境を整えるためのノウハウを蓄積していったという。

 音羽氏は、RLSディレクション部のように、ある特定の組織や会社にノウハウを集約し、それを横展開することで、組織や会社を横断して広い範囲に効率よくRPAをスケールできるようになると語る。

 「ロボットを止めないようにするためのノウハウもそうですが、それ以外にも私たちはロボットの稼働ログを収集し分析することで、使われていない『野良ロボ』や『捨てロボ』の存在をチェックするノウハウも有しています。ノウハウを各利用部門でばらばらに学んで蓄積していくのは、やはり効率が良くありません。私たちのような組織にノウハウを集約して、その成果を横展開していく方法が、RPAを広く展開する上では有効だと考えています」(音羽氏)

 RLSディレクション部はノウハウだけでなく、全社の成功事例なども積極的に横展開し、現場におけるRPAへの理解を深める活動も行っている。その結果、現場から「この業務をRPA化できないか」といった要望も上がってくるようになり、ロボットと共に働く風土が築かれつつあるという。

 「当初は、業務側はRPAで何ができるのか分からなかったので、どんな業務に適しているのか見当が付きませんでした。しかし、他の部門の導入事例などをリクルートテクノロジーズの方が整理して説明してくれたおかげで、『ああ、こんなことができるんだ!』『これなら、うちの業務にも適用できるかもしれない』と、RPA導入に適した業務を判断できるようになってきました」(戸崎氏)

 これらの成果を見ると、RLSディレクション部のようなグループ内のIT組織がプロジェクトを一元的に引き受け、技術やガバナンスの問題を解決しながら、RPAを企業に根付かせるための体制を築くことはベストなスタイルの一つといえる。

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