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» 2019年04月09日 08時00分 公開

プロセスマイニング入門〜マニュアルのない業務の真実を「発見」する技術(3):プロセスマイニング、分析前後のとても重要な工程と継続的業務カイゼンのヒント (1/3)

プロセスマイニングそのものの手法や分析例を見てきたが、前後の工程はどうなっているだろうか。データ処理や継続的改善を目指した作業で必要なことがらを見ていく。

[松尾順,ハートコア]

 前回は「プロセスマイニングの実際」として、プロセスマイニングツールを使った業務分析の具体的な手法を紹介した。ツールを操作し、さまざまな数値やチャート、グラフを出力して分析する作業はプロセスマイニングの最も楽しいところだ。だが、ツール操作の前後には「とても重要な工程」がある。今回は、プロセスマイニングのプロジェクトの実行手順を概説する。

筆者紹介:松尾 順

ハートコア データサイエンティスト 松尾順

ハートコア株式会社 Digital Transformation(DX)事業本部 ProcessMining部 シニアマネージャ/データサイエンティスト

 

マーケティングリサーチ会社やシンクタンク、広告会社、ネットベンチャーなどを経て現職。専門はマーケティングリサーチやデータ分析、ダイレクトマーケティング、CRM、事業開発。現在は「プロセスマイニング」の導入コンサルティングを行う。


 業務プロセス改善に取り組む場合、従来は「業務プロセスコンサルタント」や、「業務プロセスエンジニア」と呼ばれるような人々が、現場でのヒアリングや観察調査を通じて業務プロセスについての情報を収集し、フローチャートなどにまとめていた。

 一方、プロセスマイニングは、システムやソフトウェアで実行される業務プロセスから生成された「イベントログデータ」を直接分析する手法だ。第1回で述べたようにイベントログはある種の「ビッグデータ」といえる。そのため、データをうまく読み解くための道具が重要だ。

 プロセスマイニングは、全ての業務プロセスを見渡すビッグデータ分析であるがゆえに、業務プロセスをより詳細かつ正確に把握することができる。また、人間がサンプル抽出やヒアリングを元に行う業務分析にかかるコストと比較しても圧倒的にコスト効率が良い。

 ただし分析ツールを活用した高度なデータ分析手法であるため、当初は小規模なプロセスでテスト的に行う「パイロットプログラム」としてのプロジェクトを実行すると良いだろう。パイロットプログラムを通じて、プロセスマイニングの手順を一通り経験して一定の手応えを得てから、より大規模なプロセス改善に取り組むのが導入成功のポイントだ。

 今回はプロセスマイニングそのものの「前後」の工程で用意しておくべきことを整理していく。

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