2017年10月24日、サイボウズはチームや小規模組織向けのグループウェア「サイボウズLive」の終了を発表した。システムの老朽化により、安定したサービスの提供が困難になったためだとしている。
サイボウズLiveは「セカンドグループウェア」という位置付けで2010年に提供が始まり、200万人を超えるユーザーに利用されてきた。掲示板やカレンダー、チャット機能などグループウェアに必要最低限の機能がコンパクトに備わり、それらの機能が無償で提供されていた。操作も簡単で、誰でも気軽に利用できるというメリットが人気を得てか、企業だけでなくNPO法人や教育機関、PTA、社会人サークルなどにも利用が広まった。そうした背景もあり、サイボウズLive終了のインパクトは大きく、ソーシャルメディアのトレンドランキングで上位に入るほどの話題となった。
サイボウズLiveは約8年にわたって提供され続けてきたが、このように、今まで利用していたサービスが突然終了を迎えるケースは珍しいことではない。2017年にはNTTコミュニケーションズの「Cloudn」の一部メニューの提供が終了し、2018年1月に富士通クラウドテクノロジーズの「NIFCLOUD」(ニフクラ)の専有サーバがサービス提供を終了した。そして2020年1月31日にはマイクロソフトの「Azure Container Service」が「Azure Kubernetes Service」に置き換えられ、サービスの終了を予定している。
クラウドサービスには、ある日新機能が追加されたり強化されたりといった“うれしい”告知もあるが、その一方で突然サービスを終了するケースもある。クラウドサービスにはもちろん便利な点は多くあるが、オンプレミスのような安定性や安心感といった部分には課題がある。
今回のサイボウズLiveのサービス終了を受けて、現ユーザーはどういう対応を取るべきだろうか。データ移行、移行先の選定において考えるべきポイントを説明する。
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