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» 2019年04月02日 08時00分 公開

稟議書100件と決別、PC費用300万円の削減――0円ツールを使った企業のPC改革 (2/3)

[白谷輝英,伝]

0円の資産管理ツールと、レンタルの組み合わせにした理由

 幾つかのサービスを見て、同社は横河レンタ・リースが提供するクラウド型PC管理・運用サービス「Simplit Manager」に移行することに決めた。

 無料で活用できることが1つの決め手だった。「多くのIT資産管理ツールは有料である一方、Simplit Managerは無料で活用できます。当初は『何かしらの料金を請求されるのでは?』という疑問もあったのですが、そんなことはありませんでした」(今村氏)

 さらに、Simplit Managerの導入とあわせて、従来リースで調達していたPCをレンタルに切り替えるという決断もした。「当社には、PCの購入やリース・レンタルのプロがいませんし、オフィス機器や消耗品など、いわゆる『間接材購買』を支援する仕組みもありません。情シスの人員は限られており、予算にも限りがあります。社外のプロフェッショナルと相談しながら、自社に合ったPCを調達するのが一番だと考えました」と佐々木氏は振り返る。

 Simplit Managerには「カタログ機能」が搭載されており、管理者がレンタル可能な端末の中から標準機を選んでカタログ化し、従業員がそこから利用したいPCに対して利用申請を行って、管理者が承認、手配するまでのフローをワンストップで行える。このカタログ機能とレンタルの組み合わせで、PCの調達や配布などが効率化されることを期待し、2018年2月に導入を決めた。しかし、従業員の間では従来のPC利用のフローが変わることの戸惑いがあったという。

レンタルに戸惑う従業員、どう説得した?

 そこで佐々木氏は、横河レンタ・リースの担当者とともに社内で説明会を開き、PCをレンタルする仕組みやそのメリットを伝えた。

 「まずは、PCの納期が早くなるということを説明しました。リースの場合、使用中のPCが壊れてしまった際は、従業員の利用申請からPCが届くまで1カ月程度かかるのが普通。しかしレンタルにすれば、翌日にPCが届きます。さらに、リースは一定以上のPC使用期間が定められるのですが、レンタルは任意の契約期間が設定できるので、高性能なマシンに短期間で変えたいというニーズにも対応しやすい。制作部門のメンバーにとって、手元にPCが届くまでのリードタイムは深刻な問題なので、レンタルの方がスピーディーに対応してもらえると聞き、意識が変わった人は多かったようです」(佐々木氏)

 説明会を機に、レンタルの利点が周知され、リースからの切り替えも徐々に進むようになった。さらに、「Simplit Manager経由のPC利用申請は稟議書不要」という仕組みを作ったことで、この流れは決定的なものになった。

 「リース時代は、PCが必要な理由などを記入し、複数の見積もり書を添付した稟議書を提出しなければなりませんでした。しかし、この作業は現場の従業員にとって非常に面倒な作業だったのです。そこで、Simplit Managerのカタログ機能を使って利用申請を行う場合は、稟議書がいらない仕組みとしました」(佐々木氏)

 2018年4月に説明会を実施してから2019年2月までの10カ月間で、全社にある500台のPCのうち、130台がレンタルに切り替わった。従業員の間でもSimplit Managerのカタログ機能による利用申請が浸透するようになったという。

Simplit ManagerのPC利用申請画面

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