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» 2019年03月20日 08時00分 公開

FinTechの急先鋒、セブン銀行はAIでATMをどう変えるつもりか(3/3 ページ)

[土肥正弘,ドキュメント工房]
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定期点検をなくす保守最適化には新たなデータ再編も必要

 テーマBの「保守最適化」に関しては、画一的な保守ルールを廃止して最適化を目指す。具体的には、機器の定期点検や部品交換を「期間」を軸に運用する方法を廃止する目的で、故障予測を行い、予防保全に役立てる。機器停止前に最小限の保守時間でメンテナンスできれば稼働時間を最大化でき、さらに保守にかかる部品の調達量も最適化できる。

 具体的には機器別の過去2年分のログを使った分析を行う。ここでいう機器別のログとは、ATMのセンサー情報、メカ駆動状況の記録、ソフトウェアの実行ログ、故障処置情報などだ。複数の異なる機器やソフトウェアから得られる、粒度や頻度が異なる情報であることから、やはり説明変数を定義して行う「異種混合学習」が有効だ。

 業界の常識的なATM保守サイクルを廃止して、故障の予兆の前に修理が済むような適時保守を行うことでATMの利用時間を最大化するのが目標だが、現行の機器が持つデータだけでは予防保全型の運用を行うには情報が不足しているという。2019年秋に登場する新型ATMでは保守関連データをさらに豊富に収集できるセンシング機能強化を盛り込む計画だ。

 「現有データだけではAIの最適化が実現できない。今後得られるデータを元に新たに『データの再編』を検討する」(松橋氏)

図4 定期点検や部品交換をオンデマンド化する 図4 定期点検や部品交換をオンデマンド化する

検証のための投資にも本気を出さなければ結果は得られない

 では新型機を投入してから計画を推進するのかというとそうではない。同社内には既に相当規模の検証環境を用意しており、それを「年」単位で検証する覚悟だ。

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