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» 2019年03月12日 08時00分 公開

電通が考える「なぜAI開発は失敗するのか」つまずいて分かった4つのワナ (1/5)

気が付けば、AIを取り入れることが目的化している。そういったケースは往々にしてあることだ。しかし電通はそうした「自己満足のAI開発」に警鐘を鳴らし、これからのAI開発に必要な視点を語った。

[土肥正弘,ドキュメント工房]

 広告代理店の電通はAIに対して前向きであり、AI開発プロジェクトを幾つも立ち上げる。さまざまな部門のメンバーが集まって構成された全社横断型の組織「AI MIRAI」を立ち上げ、AI開発に試行錯誤しているところだ。

 これまでに、広告コピーを自動生成するAIコピーライター「AICO」やバナー広告を自動生成する「ADVANCED CREATIVE MAKER」、SNS広告のクリック率予測アルゴリズム、テレビ番組の視聴率予測AI「SHAREST」、リアルタイムで流行を追跡しトレンドを予測する「TREND SENSOR」など数々のAIプロダクトを生み出した。

 成功したプロジェクトもあれば、日の目を見ることなく消えたプロジェクトも多くあったという。失敗から学んだAIプロジェクトの勘所について、AI MIRAI 統括/AIビジネスプランナーの児玉拓也氏が語った。

AIを妄想する時代は終わった これからは「AIで何をしたいか」

電通 児玉拓也氏 電通 児玉拓也氏

 「AIを基点に、何ができるかを妄想する時代はもう終わった」。児玉氏はそう語った。AIという技術そのものに価値を感じる時代は終わった。これからは、AIを使ってどう課題を解決するかというアイデアが重要であり、課題ベースでAIを考えることが必要だと続けた。

 電通で今までに取り組んだ46件のプロジェクトのうち、15件は何らかの形になり、11件のプロジェクトは完全に失敗したもしくはお蔵入りしたプロジェクトだという。成功率はおよそ3分の1だ。

 児玉氏の説明を基に、失敗から得た教訓を以下にまとめた。

教訓その1:解決すべき課題と求められる精度を見定めろ

教訓その2:データに関する肌感覚がAIプロジェクトの成否の鍵

教訓その3:とにかく早く失敗し、失敗経験者をメンバーに入れよ

教訓その4:利用者と利用シーンを見定めてから走れ


 AI開発における4つのステップ(プロジェクト設計/データ収集/アルゴリズム開発/評価)での失敗経験から得た教訓を見てみよう。

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