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» 2019年01月18日 08時00分 公開

分かったつもり? AI画像認識:5歳の子供に負ける? AI画像認識のワナ

AIならば何でもできる、取りあえず画像を学習させよう――そう思い込んではいませんか。AI画像認識は魔法のつえでも完全無欠のエキスパートでもありません。今回は、その勘違いが生むリスクについて説明します。

[中尾雅俊, 矢嶋 博,パナソニック ソリューションテクノロジー]

監修:中尾雅俊

パナソニック ソリューションテクノロジー AI・アナリティクス部ソリューション推進課 主事

2017年にNVIDIAとの協業を担当したことを皮切りに、AI・データ分析中心の業務を推進。初期投資や導入リスクが大きい、「人工知能の現場導入で失敗させない」活動としてセミナー講演など多数実施。受講者からは、「AIがよく理解できた」「そんなノウハウを話しても良いの」と心配されるほど。最近の趣味は実用を兼ねたDIYや果樹菜園など。

監修:矢嶋 博

パナソニック ソリューションテクノロジー 産業IoTSI部ソリューション推進課 係長

製造業向け「AI画像認識ソリューション」のSEとして、営業支援やPoC推進を担当。ソフトウェア開発からITインフラ構築まで、これまでの幅広い経験を生かし、AI画像認識システムの提案から導入、AI学習トレーニングまでを手掛けている。趣味の風景や家族写真撮影に加え、学習用画像収集をライフワークにしている。

 ディープラーニング技術の登場により、急速に発展するAI画像認識。ただしそれは、「魔法のつえ」でもなければ、完全無欠のエキスパートでもありません。正しく生み育て、適切なシーンに適用しなければ人工の「頭脳」は「何も知らない」「できない」まま生涯を終えてしまいます。本連載では、そうしたAI画像認識を製造現場に適用する上での留意点や手法を12回に分けて解説します。

 最初のテーマとして、AI画像認識の導入時に起こりがちなトラブルを踏まえながら、企業が陥りやすいミスジャッジを取り上げます。取り上げるミスジャッジは全部で5つ。それを知ることは、AI画像認識の利活用を考える上での一助になるはずです。

ポイントは「正しく生み育て、適切なシーンに適用すること」

 AI画像認識は研究開発の段階を経て、さまざまなシーンでの活用が進んでいます。しかしながら、「過度の期待」や「誤った認識」を持ったまま製造現場への適用を進めると、トラブルが発生し、せっかくのプロジェクトが台無しになることが少なくありません。画像認識の「頭脳(AI)」を正しく生み(設計し)、育て(学習させ)て、適切なシーンに適用(推論)するためには、まずは「AI画像認識の特性と現在地」を知っておくことが何よりも重要です。

 結論から先に言えば、製造企業が陥りやすい5つのミスジャッジは次のように整理できます。

         よくあるミスジャッジ
ミスジャッジ(1) AIなら何でもできると思い込む
ミスジャッジ(2) AI画像認識で人件費が削減できると思い込む
ミスジャッジ(3) 画像データ収集の当てなくAI画像認識の導入を決める
ミスジャッジ(4) 頭脳の発育を外部ベンダー任せにする
ミスジャッジ(5) のちのシステム化の構想なくAI画像認識の導入を決める

 今回は、このうちの「AIなら何でもできると思い込む」というミスジャッジについて少し具体的に紹介し、残り4つのミスジャッジについては次回以降で詳しく説明します。

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